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『ジェダイだってあの体たらく』創作日記① 千の人生を生きる

 何日か忙しくて、小説の加筆ができなかったのですが、突然、「いや、こんな長い小説、誰も読まんよ」と気が付きました(作業がほぼ終わりになってから気付くとは…)。
 十四万字ですからね。原稿用紙だと、四百枚ぐらいになるのかな。中編か、長編と言ってもいいのでは?

 プロの作家でも、よく知らない人なら、そんな長文は読む気になれない。まして、私はただの文学好きのおばさんなのに。

 だいたい、noteは長編や続きもの向きではないですよね。普段は、2500字を超えると、「ちょっと長くなってしまったな」と反省します。

 加筆中の作品はとりあえず置いて、別の小説を加筆訂正することにしました。これだと、四万字は超えないだろう。
 それでもまだ長いですが…。短編を書ける人が羨ましい。

 もとはただの私小説なのですが、恋愛要素を入れてみます。恋愛小説というよりは、恋愛も出てくる私小説という感じ。私は、若い頃からオタク気質で「恋愛とかいろいろ面倒くさい」と思ってしまう方なので、コテコテの恋愛小説を読んだり、書いたりするのはあまり好きではないのです。
 創作大賞の締切には間に合わないかもしれないけど、そこは気にしないでおきます。賞をとりたいわけではなく、「創作大賞にからめれば、読んでもらえる確率が上がるかな?」というだけなので。

 前にも書きましたが、参加レーベルを見ると、創作大賞はエンタメ寄りの賞だと思います。多分、直木賞をとるようなエンタメ作より、もっとライト文芸寄り。そのあたりが、今一番売りやすいんでしょうね。
 残念ながら、賞をとるためにその路線に沿うような器用なことはできないし、書きたいとも思いません。
 好きなことを書いて、少数の優しい方々に読んでもらえればいいなと願うだけです。

    ◆

 ところで、タイトルに使った「千の人生を生きる」という言葉は、ジョージ・R・R・マーティンの小説『竜との舞踏』に出てくる文章です。

「物語を読む者は、死ぬまでに一千もの生を生きる」とジョジェンはいった。「本を読まない者はひとつの生しか生きない。(後略)」

『竜との舞踏』より

 この小説は『ゲーム・オブ・スローンズ』というドラマの原作なのですが、読書が好きな私には、「ほんと、その通りだな」と思える言葉です。

 一人の人が経験できることは限られているし、一人の人の想像力にも限りがある。その狭い限界を、読書という体験が突破させてくれるのだと思います。
 本を読むことで、他人の人生に思いを馳せ、他人を少しでも理解できればいいなと願いながら読書にいそしんでいます。

 また、小説では物語を読むことについて語られているのですが、「千の人生を生きる」という言葉は、物語を書くことにも当てはまると思います。

 自分の分身を物語に登場させる場合でも、物語では、現実の人生とは異なる人生を描くことが多いと思うんですね(百%現実の人生そのままに書いている方も、中にはいらっしゃるかもしれませんが)。
 私の場合は、自分とは違う性別、違う年齢、違う性格の人を主人公にすることが多いので、物語を書くことで、まったく別の人生を生きる楽しさを味わうことができます。

 自分が直接見聞きしたり、人に話を聞いたり。または、ネットで記事を読んだりして、ある人の生き方に興味を持つ。そこから想像力をはばたかせて、誰かの人生を紡いでいくのです。

 せっかく想像力を働かせるのだから、楽しい想像にすればいいと思うのに、なぜか、崖っぷちの人生、悩み多き人生を書きたくなるのが自分でも謎です。

 今回は、特に、過去に盗撮をやらかした男性が主人公なので…。

 そんな不快な話、読みたくないと思われてしまうかもしれませんが…。

 私は一時、人事関係の派遣業務をやっていたのですが、懲戒免職or依願退職に追い込まれる理由として、一番多かったのは金銭問題です。それこそ、同僚が仮清算した交通費を盗んだとか、部署のクオカードを盗んだといった少額の窃盗が多く…。でも、やらかした人はだいたいギャンブル等の問題を抱えていたので、転落の軌跡を理解することはできます。

 その次に多かったのが盗撮なんですね。最初に遭遇した時は「そんなことする人いるんだ」と驚愕しましたが、その後も何度か出くわし、派遣先が変わってもまた出くわしという感じ。
 面識がある人は少ないのですが、変な噂があった人など一人もおらず、むしろ、真面目な人たちばかりで、社員さんも「まさか、あいつが」と絶句する、そんなことが繰り返されました。

 盗撮→逮捕→出勤できずにバレるor盗撮した施設から会社に電話が入るというパターンで退職に追い込まれていたので、表沙汰にならないものも入れると、案外よくある犯罪なのかもしれません。決して、特殊な人がやらかすことではなくて。

 また、金銭問題の場合は、自分と違う世界に住む人が多かったですが、盗撮の場合は、色んな意味で私の友人知人と似た環境にいる人が多くて(犯人は全員男性なので、私自身ではなく、自分の友達に似たという表現にしました)。妻子もいて、はたから見たらエリート街道を歩んでいるように思える人たちが、どうしてそんなことを。もちろん、犯罪は許されないことですが、彼らを憐れむ気持ちを持たずにはいられませんでした。
 許してはいけない犯罪なんですけどね。中学〜大学まで電車通学だったので、痴漢等で怖い思いもしました。だから、盗撮という犯罪を憎む気持ちも強いのですが、犯人を憐れむ気持ちもあって。
 そんなところから、書き始めた小説です。
 テーマのわりに、重くはなく、希望の見える終わりになっていますので、読んでいただければ嬉しいです(盗撮の直接描写や性描写などはありません)。

 もちろん、そんなテーマの小説は読みたくないとか、そもそも素人の小説を読みたくないという方もいらっしゃると思いますが、とりあえず一ヶ月ほど小説の投稿に専念しますので(そうしないと、読みにくいと思うので)、その間もフォローを外したりはせずにいただけるといいのですが。
 一ヶ月経ったら、また感想文等の地味な投稿に戻る予定です。

 


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