【雑談】仕事と読書
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』という本が売れているそうだ。多分、思い当たる人が多いのだろう。
そんな人もいるのだなと少し驚いた。私には当てはまらないので。それどころか、仕事が大変だった時期は最も本を読んだ時期でもあるからだ。
正直、本がなければ正気を保てなかったとすら思う。
とにかくブラック企業だった。一応正社員だったので給料はそんなに悪くなかったけど、拘束時間が長いし、仕事もハード。同じ営業所に配属された子は統合失調症を発症したし、鬱発症などは日常茶飯事すぎて話題にもならなかった。最初の上司は過労死した。
当然辞める人も多かったが、私は実家に帰りたくなかったので、辞められなかった。不況の時代だったので、二十代でも、転職は容易ではなかった。
不幸自慢をしたいわけではない。「心に余裕があったから、本を読めた」のではないと言いたいだけ。通勤時間が長かったので、その時間が読書タイムだった。遅くまで開いている本屋があったので、二、三日おきに本を買った。
読むのは海外ミステリーが多かった。ハードボイルドやサイコ系のシビアで残酷な物語。そういう本でないとつながりを感じることができなかった。世界は暗く澱んでいる。救いはない。そう思いながら、本を読み続けた。正直、出来の悪い作品も多かったと思う。読み終わると、そのままゴミ箱行きになるような作品だ。それでも、かまわなかった。何かを選ぶことさえ、疲れすぎてできなかった。新刊文庫から海外ミステリーを適当に選んで購入するだけだった。
私は一人だ。誰も助けてくれない。そう思いながら生きた日々だったが、今はもう名前も忘れてしまった海外の作家たちが私を支えてくれたのだと、今振り返って実感する。
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別に、だからなにという話でもないのですが…。
なんの話をしているのやら。
ふと思いついて書きました。
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