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神保町の共同書店「PASSAGE by ALL REVIEWS」訪問記


 神保町にある共同書店「PASSAGE by ALL REVIEWS」を訪問しました。

共同書店とは?

 店内の各棚ごとに棚主さんがいる書店です。棚主は、自分が選んだ本を販売することができます。我が家の近所(東京の田舎下町)にも、店内の一部の棚を貸している古本屋があるので、東京近郊ではメジャーになりつつある形態かもしれません。

PASSAGE by ALL REVIEWSとは?

 フランス文学者である鹿島茂さんがプロデュースなさった共同書店です。ネットの記事によると、最初は「書評家の方々が自分で書評した本を、読者に手に取ってもらう」のが目的でオープンした書店だったようです。
 鹿島さんご自身も書評をなさったり、本についての本を書いたりなさっていますし、新聞や雑誌等で書評をなさっている方々の棚が多かったです。
 そこから始まり、反響が大きかったので、誰でも棚主になれるシステムに変わっていったのかな。
 棚主さんのこだわりが詰まった、個性あふれる棚が並んでいました。PASSAGEというだけに、パリのパサージュを模した作りになっているんですね。天井まである高い本棚が並ぶ店内。本棚には、パリの通りの名前(文学者などにちなむ名前)がついています。例えば、鹿島さんの本棚はバルザック通りの5番地〜7番地にあるというように、棚ごとに住所? が割り振られています。
 パリにちなんではいても、別に上品で気後れする雰囲気などではなく、本好きなら、何時間でもいたくなるお店でした。みなさん、熱心に本を選んでいらして。
 私は、待ち合わせまでの空き時間に行ったので、ささっと眺めることしかできず、残念でした。

棚主さんについて

 時間がなかったので、今回は鹿島茂さん以外では、内田樹さん、翻訳家&書評家の鴻巣友季子さん、翻訳家の柴田元幸さんの棚をチェックしました。
 鹿島さんは自分の蔵書や著書、鴻巣さんは書評なさった書籍、内田先生と柴田先生はご自分の著作(または翻訳作)を販売なさっていました。何か買おうかとも思ったのですが、好きな方々なので、だいたいどの本も既に読んでいるではないか…。
 棚主さんの名前で探すもよし、何となくぶらついて、好みの合いそうな棚で立ち止まるもよし。色んな楽しみ方ができる書店だと思います。

吉穂堂

 PASSAGEの三階には「PASSAGE bis!」という別館があります。ここは奥がカフェ、手前は一階と同じ貸し棚になっています。
 その三階の本棚「アングル通り14番地」にあるのが「吉穂堂」です。
 吉穂堂の棚主は、noteで活躍なさっている吉穂みらいさんです。吉穂さんは、みらっち名義でエッセイを書かれる一方で、吉穂みらい名義で創作もなさっており…。パワフルな方だなぁと仰ぎ見ていたのですが、更に、ご自分の本屋さんまでオープンなさったんですね。
 吉穂堂では、吉穂さんの著作と愛蔵の書籍を販売なさっています。ご自分の本の隣には、何と村上春樹さんの『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』が並んでいるという…。写真不可だったのが残念ですが、ぜひ、PASSAGEまで足を運んで、本好きなら誰もが夢見る光景を実現なさった吉穂さんのお店をご覧になってみて下さい。

ご本人が書かれた吉穂堂の紹介記事です。


 PASSAGEは神保町のすずらん通りにあります。地下鉄神保町駅からすぐ。お茶の水駅からも徒歩圏内です。


PASSAGEの入口

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