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『チャーリーとチョコレート工場』 バートンとジョニーが織りなす色鮮やかな世界

 ジョニー・デップが最も輝いていた時期の映画だと個人的には思っている。ジョニー本人は低予算の芸術映画が好きなようだけど、存在感とスケールが桁違いのジョニーには、お金と時間をかけて作り込んだ世界がよく似合う。大作によくある大味な役を与えられても、そこに生命を吹き込んで唯一無二のキャラにしてしまうのがジョニー・デップだ。
 ティム・バートン監督作の場合、予算もふんだんにつき、ジョニーの芸術家気質も満たされるので、その意味でも、最高のコンビだった。『チャーリーとチョコレート工場』以外にも、二人は何度もタッグを組んでいる。

『シザーハンズ』
 
観るたびに新しい気付きがある極上のファンタジー。『エド・ウッド』
 
この映画の影響で、「史上最低の映画監督」エド・ウッドの作品に取り憑かれた人はかなり多い筈。
『スリーピー・ホロウ』
 
英国個性派俳優揃い踏み。
『スウィーニー・トッド』
 
映画館で観た知人が、怖くて夜眠れなくなったとこぼしていた。R15+なのを忘れずに。
『アリス・イン・ワンダーランド』
『ダーク・シャドウ』
 
このへんから、バートンらしさが薄れた気がする。悲しい。最近のバートン作を観て、別にいいやと思っている人は、過去作を観て欲しい。異才、鬼才、天才、それがティム・バートン。

 ティム&ジョニー作では、『チャーリーとチョコレート工場』と同時期に撮られた『ティム・バートンのコープスブライド』も忘れられない。ディズニーの『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』と同じストップモーションアニメで、ジョニーを始めとする『チャーリーとチョコレート工場』に出演した俳優達も声優を務めている。ただもう、美しい作品。この映画を観ると、もののあわれとか諦念といった、日本的、東洋的な言葉が浮かんでくる。

 それでは。ウィリー・ウォンカ、ウィリー・ウォンカ!
 


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