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與謝野晶子による流行色と歌-百選会Ⅱ-

前回の記事では、百選会の流れについて考察をしました。今回は、百選会の顧問であった與謝野晶子が詠んだ歌と流行色を並べ、どのように帯や着物の魅力を読者に伝えていたのか、その内容を見ていきます。

大正8年から昭和5年の流行色一覧

下図は大正8年から昭和5年までの百選会が提示した流行・基調色を一覧にしてみました。大正12年までは春・秋、大正13年以降は夏も加わります。色見本と資料に記載されているマンセル記号から着彩を施しました。こうして色名を見てみると、與謝野晶子が感性豊かに色名を名付けていたのかが分かります。それと同時に自然への憧憬が起こるようです。與謝野晶子が百選会の流行色・基調色の命名を始めたのは、大正8年第13回春からで、病床に伏す昭和15年まで続きました。実に286色もの色を命名しています。

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以下にこの画像の続き、大正8年春から昭和5年秋までの流行120色を一覧で掲載しています。

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