「料理がまずい」とすぐ言う父親

私は父親と仲が悪いのはツイッターでたびたび書いてきたが、父親の嫌な点の一つは「料理がまずい」とよく言うところだ。

父親はあらゆる料理をまずいという。カップラーメンからカジュアルなフレンチやイタリアンの料理まで(本格的なフレンチは貧乏家庭なので親と食べに行ったことはない)。

そして、その「まずい料理」を大量に食べる。まずいのだから残すか、店によってはたまにあるミニサイズを頼めばいいのにである。それどころかまずいと言う料理を大盛り、特盛にしたりする。

私が思うに、父親は「『まずい』ということでマウントを取っている」のだ。

すべての料理をまずいと批判すれば、その分だけ上に立てるという歪んだ意識。相手を馬鹿だとレッテル貼りをすれば自己の頭がよいと思われる意識に近い。もちろん、そんなことをしてもなんの意味もない。相手を馬鹿だ阿呆だと言っても馬鹿に見られるのは馬鹿と言った方なのである。

この父親と食事をするのは苦痛だった。私は基本的になんでも美味しく食べられるから、今まさに私が美味しく食べている料理をけなされるのは嫌な気分になる。

料理をまずいとよく言うのは漫画『美味しんぼ』のキャラのようであるが、美味しんぼのキャラは「本物の(※これは美味しんぼの頻出ワードで無農薬等を指す)」食材で作られた料理は美味しいと言う。

対して父親は仮に美味しんぼで褒められた料理を食べてもまずいと言うだろう。いや、むしろそのような料理のほうがよりまずいと積極的に言うだろう、マウントを取りたいだけなのだから。

そんなこんなで私は父親を反面教師とし、料理や店のいいところを見つけて褒めるようにしている。ネット上ではチェーン店は批判されがちだが、安定したクオリティの料理を、安価で提供でき、気兼ねなく食べられるのは素晴らしい長所である。このように生きたほうがQOLも高いと思う。

みんなも料理を食べるときは長所を探して食べるやり方がおすすめだよ。減点法ではなく加点法で色んなものを評価していきたいな。

料理は自然を素材にし、人間の一番原始的な本能を充たしながら、その技術をほとんど芸術にまで高めている。by北大路魯山人

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