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復習:コレステロールのこと②

 家人の病気のおかげで食品成分表示を見るのにすっかりハマったことは①でお話しましたが、おかげで食卓に上がるの野菜ばかりになりました。それじゃあ味気ないからコンソメやら出汁キューブやら色々工夫をするのですが、メインはほとんどお魚。
 入院していた病院にお願いして定期的に血液検査やコレステロール
管理できているかどうか相談に乗ってもらえるお医者様を紹介してもらいました。もともと予定していたクリニックは退院後のふたつきに2回血液検査をお願いしたところ、保険制度の無駄遣いだと言われてしまいましたから、頼りにできませんでした。そうして初めてお会いした脂質異常専門の医師は退院後一気に50も上がったLDLの数値を見て顔を曇らせました。それもそのはずです。夫は解放されたと、一番我慢をしていた食事を楽しんでいたのですから。「今の仕事ができなくなるのと、お坊さんみたいな食事でも仕事を続けるのと、どっちがいいの」と訊きますと、食事はやめられないと答えますから”生活習慣”病とは怖いものです。習慣と一言で言っても、習慣になった裏には心理的な依存とか、幼少期の体験、理性とのバランスとか、いろんな要素があってそれを保つための一つだったと考えると簡単にいけないのがわかります。

 「じゃあ、俺 ベジタリアンになる」

 ベジタリアンがなんなのか、はっきりとそれもわからず言ったのだと思いますが、その言葉は私の中でピカッーンと後光がさしたように思えました。
 
 

そうよ! ベジタリアンになればいいのよ!


 

昔、海外旅行へ行ったとき、飛行機の近くの席の外国人がビーガン食をオーダーしていたことがありました。一体どんなものかと興味津々で見ていると、なんとかわり映えのしない野菜のパスタが運ばれてきたのでした。普通の食事が配られるより先に特別食はサービスされたのですがなんと、チキンもビーフもなくなった後、この野菜パスタが料理にあぶれた乗客に提供されたのでした。ボリューム満点で、パッとみたら野菜たっぷりの焼きそばに見えるパスタでした。

 つまり・・・、野菜料理ならコレステロールを気にせずに食べられるのです。


 
 ベジタリアンやビーガンの方々は、すると、もしかしてコレステロールフリーなの?



 疑問が湧きました。以前『うしのゲップ』https://note.com/1953fukumaru/n/nced195d875a8

で書きましたが、ビーガンはもともと殺生をよしとしない考えのもと実践されてきた食事法であって、ベジタリアンとは主旨が違います。動物性のものを一切摂取しないとしながら信じるレベルによってはバターやヨーグルトは良しとしている派もあります。それで言うと、くだんのパスタの味付け風味づけに使われるコンソメや、和食の鰹節や出汁も禁忌にあたることになります。それを守っていたら、本当の意味でコレステロールフリーになれるかもしれない。

 でもね、人間そううまくいきません。食事を楽しむ時、味だけじゃなく食感とか、香りとか、見た目の色合いとか、そういう一つ一つが食欲を継続的に支えている要素なのだと、この機会に思い知りました。ビーガンの厳しい戒律を外して、コンソメや出汁を許し市販のソースやタレをOKにしても、加熱され柔らかくなった野菜はやはり病院食や子供向けの料理を思い出させます。濃い味付けやしょっぱさ、それに脂分のじゅわっと感は、なんと呼べばいいのか・・・、そう「悪魔的」という形容詞がもうあるじゃな愛ですか。それです。野菜料理自体美味しいし満足するのですが、生きてきた時間かけて脳内に作ってきた好物地図には、これまで通いつめたにもかかわらず近頃ごぶさたにしている路地ができているのです。そしてこれがとても後ろ髪を引くらしいのです。

 ベジタリアン宣言した夫は、いつもそうです。レベル100の宣言をするのですが、だんだんと現実的な目標に設定を変更してゆく。まあ、心配をかけている私の手前の宣言だったのだと実践部隊の私は悟り、こちらも作戦変更することにしました。

注)家人の脂質異常症をきっかけに食事を見直した奮闘を書いたものですが、コレステロールの排除をお勧めするものではありません。不可能でありますし、また後半でも書きますが、体に必要な成分であり不足すると脳出血などを引き起こすことがあり注意が必要です。 



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