Fukumaru

論文翻訳をしています。合間に日常と虚構を書いています。pixivにも書いています。どう…

Fukumaru

論文翻訳をしています。合間に日常と虚構を書いています。pixivにも書いています。どうぞよろしく。 https://www.pixiv.net/users/22962655

最近の記事

【NIWAのはなし】番外編 胡蝶蘭

 胡蝶蘭は熱帯雨林気候地帯の森林が原産。根は本来、木の枝などに枯葉などが積もって土壌化したところで体勢を保つためのもので、水分を吸収するためだけの器官ではない。そのため、贈答品としての胡蝶蘭の花の終わった後の管理として水をやりすぎて枯らしてしまうことが多い。  ・・・の、だそうで、  夫の事務所にあった数鉢を救済してきた。根腐れと葉萎みの始まった株を抜いて死んで黒ずんだ根っこを切り、空中で乾燥させた。元々植物栽培が趣味の夫は、弱った株をどうにかしたいと調べていたのでその方法

    • 昔からある関係性だから、考える事はなかったけれど 家族のありかたを会社組織になぞらえたらどうだろう。 家族なら、性別や性格ならではの特徴や強みがしっかりわかっているわけだから、もっと役割が決めやすいし発揮しやすい。 そうやって考えていくと、昔ながらの家族経営は有効だと思う。

      • 銀座東洋物語。10(ドッペルゲンガー)の⑤

         「吉田くんがね・・・」  ホテルは幸せな仕事だ。お客様の笑顔のために働く。これほど清くて楽しい仕事はないだろう。残念なのは、その精神を間違った方向でゲストに利用されてしまうこと。  清雅様に部屋の鍵を渡さない作戦の後、部屋の中にあるはずの未払いの帽子を身につけているところを撮影されていたため、マネージャーが部屋をチェックした。すると、何も聞かされていなかったスタッフが直接奥様から連絡をもらい持って行ったのだということがわかった。    「だってしらなかったんです・・・」

        • 銀座東洋物語。10(ドッペルゲンガー)の④

           マネージャー会議にゲストの名前が上がることが増えた。普段ならホテルの業務をハンドリングする宿泊、料飲、ベルのセクションのトップだけが出席する場だったが、経理担当が顔を出すようになった。半年が経ち定期的ではないものの数回支払いが実行されたこともあって、催促するところまではいっていなかった。その頃はまだ上層部は、やんごとなき一族がホテルに住んでいる、そのことにステータスを感じていたのだ。  外の店での売掛金が嵩んでいた。夫婦のスウィートルームにはブティックの店員が運んできたブ

        【NIWAのはなし】番外編 胡蝶蘭

        • 昔からある関係性だから、考える事はなかったけれど 家族のありかたを会社組織になぞらえたらどうだろう。 家族なら、性別や性格ならではの特徴や強みがしっかりわかっているわけだから、もっと役割が決めやすいし発揮しやすい。 そうやって考えていくと、昔ながらの家族経営は有効だと思う。

        • 銀座東洋物語。10(ドッペルゲンガー)の⑤

        • 銀座東洋物語。10(ドッペルゲンガー)の④

          銀座東洋物語。10(ドッペルゲンガー)の③

           想像してみてほしい。主たる世界の都市の華やかな表通りのそばに一流と呼ばれるホテルがある。そのホテルは、国賓を迎えたり、国際的スターが宿泊したり、我が家のように滞在中使う。途中、各地を飛び回ることがあっても滞在中のハブとして確保され、その間荷物を保管したり郵便物や品物の送り先になったりする。  銀座東洋は日本一のショッピング通に面していた。河童橋や浅草といった江戸指物や調理道具の問屋街にも近かった。セレブたちはショッピングで買った品物を自分の手では持ち帰らずホテルに運ばせる

          銀座東洋物語。10(ドッペルゲンガー)の③

          Do-shiteウマに乗らないの?!

           サラブレッドのスペルはthoroughbred。  thoroughは完全なとか、徹底的・全くのという意味を持つ形容詞。良血とか育ちが良いという意味で馬だけじゃなく、人にも使われることもある。でも発音的にはthroughが近いんじゃないかな、と思っている。  馬のサラブレッドの始まりは3頭まで遡ると言われている。そこからかどうかわからないが、少なくとも現在、日本で競走馬として走っている馬のほとんど(不勉強で申し訳ないが100%かもしれない)は両親がわかっている。つまり3頭ま

          Do-shiteウマに乗らないの?!

          銀座東洋物語。10(ドッペルゲンガー)の②

          (まだの方は①に戻ってお読みください)  話が外れた。  銀座東洋のブランドルームには決まりがあった。思い出話はさておき、そのため清雅様というゲストのリクエストに応えることはできず、代わりに一つ下の階層にある全く同じ間取りの部屋を用意し納得してもらうしかなかった。  部屋を替わったその日、大量の荷物が運ばれてきた。銀座通りから入ってきた車はホテル一階の切り込んだような入り口に入ると対角線上の奥で、客は車を降りる。出入りの様子が見えないよう車寄せは設計されていたが、その車寄せが

          銀座東洋物語。10(ドッペルゲンガー)の②

          銀座東洋物語。10(ドッペルゲンガー)の①

           「鍵を換えるしかないんですよ」  そういう声がして振り返ると、バックヤードにたった一つしかないエレベーターの列の後ろにハウスキーピングマスター、邦康さんがいた。彼はバレーボールのプロになるかホテルマンになるか迷った経験を持つ人である。ソフトなハンサムだが、タッパがある姿は威圧感がある。しなやかな筋肉を包んだグレーのスーツのユニフォームの腕がピンと張り詰めているから、いざとなったら泥棒や強盗に向かって行ってくれそうで頼りになりそうである。  何の話?  私が振り返り半身で

          銀座東洋物語。10(ドッペルゲンガー)の①

          Do-shite馬に乗らないの?!

           うまにはのってみよ ひとにはそうてみよ  母親はよくそう言った。その頃はひとりもんだったから、馬には乗ったんだから結婚してみたら、というのだ。  こういうことわざがあるのらしい。馬の良し悪しは乗ってみないとわからない。人間も、表面だけではわからない、人見知りせずに付き合ってみなければ相性もわからない。  調べてみれば、結婚とは必ずしも関係ない例えなのだけど、ことあるごとに言われた。だから面倒だったので、うまに乗ってる人と一緒になることにした。それは正解だったかもしれない

          Do-shite馬に乗らないの?!

          昭和時代のtip③『破るための規則』

           昭和時代のtipというタイトルを掲げて書き始めてはや2ヶ月。切れ切れに、気の向いた時に、思い出し再考して書いているから雨垂れ式です。ごめんなさい。  1986年まで続いた昭和時代、1945年に第二次世界大戦が終戦したのが41年前。はて?41年は焼土に秩序が戻るのに十分であったかどうか。  書き出しからお堅くてごめんなさい。(ごめんなさい。2度目)  あなたと同じ人間が、自分の手の届かない、声も届かないいお偉い方同士の小競り合いや権力あらあそいが発端で、住む家や食べる物、

          昭和時代のtip③『破るための規則』

          復習:コレステロールのこと⑩

           それだけ社会が変わったのだと思います。昭和世代にとっては食事は基本は魚は魚屋で買い、肉は肉屋で買う。そして調理は家で焼くか煮るか。それにつける味はバリエーションはあるでしょうけれど基本はそれだけです。素材が何かわかっていたし、そのものの味を知っていました。もちろん美味しいに越したことはありませんが、食事は飢えないためであって楽しみやストレスの発散ではなかった。  それが今は食事はちょっとした発散でしょ? あるいは活力補給?グルテンもカフェインもパワーアップさせてくれるし、糖

          復習:コレステロールのこと⑩

          復習:コレステロールのこと⑨

          人の体は試験管じゃない  結局のところ、人の体は試験管じゃないし、食べ物だけで体の様子が変わるわけではないのです。有機物の食品を体に入れ、有機物の内蔵がそれを消化分解し吸収する。そこには夫のように、自前のLDLとか、あれとか、これとか、あるかどうかでしか確かめることができない物質、もしかしたら人類がまだ認知していない有機化学物質があるかもしれない。(う、ううん、絶対ある。そのせいで、おかげで私たちの体にはミラクルに思える現象が起る。でもそれを全て解明するのは、3次元世界にす

          復習:コレステロールのこと⑨

          復習:コレステロールのこと⑧

          グルテンフリーの謎  脂質を減らす食事をするにあたりビーガンやベジタリアンの食事について一緒に調べました。バターやラードを使わず植物由来の油を使う、それは動物性食品をとらない点で夫の食事制限に当てはまりました。ビーガンとベジタリアンの方たちも主義主張は色々ありますがそこから拡大して実践している方が多いです。例えば、油分はやはりオリーブオイルやココナッツオイル。動物性製品を取らないだけなら普通にひまわりオイルや米油でいいはずです。それで留めている向きもいる中、主流はオリーブと

          復習:コレステロールのこと⑧

          復習:コレステロールのこと⑦

          摂取と排出を考える  脂質異常症の患者にとって関ヶ原、クリスマスとお正月が終わりました。主治医のご厚意で短期間で血液検査を受けることができました。お節料理に初詣に欠かせない参道にあるあの鰻屋さん、誘惑の多い時期の食管理はいかに・・・。まあ、この時期は一休みすることにしていたので、多少の上昇は仕方ないです。  これを書いている今になって、あの頃の自分の心理状態は尋常じゃなかったことに気づきます。だって、あの「自分は神様じゃないからわからない」と言っていた主治医から、年末年始ぐ

          復習:コレステロールのこと⑦

          庭のよもぎと、 発酵あんこで 草餅。 きなこときび砂糖をかけたのが絶品。三年前、虹の橋を渡った華子との散歩の途中で見つけたよもぎを庭に移植した。今年やっと収穫。次回はもっとヨモギを入れてもっと濃くフンっと強く薫るお餅にしたいな。

          庭のよもぎと、 発酵あんこで 草餅。 きなこときび砂糖をかけたのが絶品。三年前、虹の橋を渡った華子との散歩の途中で見つけたよもぎを庭に移植した。今年やっと収穫。次回はもっとヨモギを入れてもっと濃くフンっと強く薫るお餅にしたいな。

          復習:コレステロールのこと⑥

          食生活の今昔  この期間に頻繁に考えたのは、食生活がいかに変化したかということでした。  私は昭和30年代の生まれです。子供の頃にやっと冷凍庫のある冷蔵庫が発売されましたが、冷凍食品は高級品でした。魚メインだったし、野菜炒めは本当に野菜がほとんど、肉は風味付け程度。魚も味醂干しとか、干物とか焼くだけで食べられるものが多かった。変わった野菜が入ってくるとそれに手をかけメインディッシュのようにして食べていました。カリフラワーなんてケチャップとマヨネーズをかけてものがドカーンと、

          復習:コレステロールのこと⑥