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「奇妙な果実」に込められたメッセージ

会社や店を経営することは、「自社独自のメッセージを広めること」だと思います。しかし、ただ伝えるだけではなく、共感を得る必要があります。

強い共感を生み出すには、時代や状況に合った独自のメッセージが必要です。今日はそんな話を書きたいと思います。

「奇妙な果実:Strange Fruit」の意味するところ

ジャズシンガー「ビリー・ホリデイ」の有名なレパートリーは「奇妙な果実:Strange Fruit」です。この曲は1930年にニューヨーク市ブロンクス地区のユダヤ人教師「エイベル・ミーアポル」によって作詞、作曲されました。

「奇妙な果実」とは何のことなのか?

それは木に吊された黒人の死体のことです。当時のアメリカ南部では黒人をリンチにかけて木に吊るし、焼き殺すことがよく行われていました。ミーアポル教師は人種差別を告発する歌としてこの曲を作りました。

静まりかえった客席、そして・・・

グリニッジヴィレッジのナイトクラブ「カフェ・ソサエティ」の支配人はこの歌を耳にし、クラブの専属歌手の「ビリー・ホリデイ」に「奇妙な果実」を歌うことを勧めました。

初めて彼女が「奇妙な果実」をステージで歌ったとき、客席は静まり返り、拍手が起きませんでした。しかし、一人の客の拍手をきっかけに、客席全体が拍手と称賛の声で包まれたのです。

当時の黒人の地位や権利は保証されておらず、虐殺が日常茶飯事であったため、黒人女性が人種差別を告発する「奇妙な果実」を歌うことは非常に危険なことでした。

人種差別と闘う人々への呼びかけの歌

しかし、彼女は臆することなく、1939年からこの歌をステージの最後に歌うようになったのです。

こうして「奇妙な果実」のメッセージは「ビリー・ホリデイ」を通じて広まり、黒人への暴力に反対する歌として知られるようになりました。

やがて人種差別と闘う人々への呼びかけのメッセージとなり、黒人やマイノリティグループの公民権運動につながっていったのです。

ブランディングは公益性のある経営活動

僕は「ブランディングは公益性のある経営活動である」と感じています。競争相手に勝つことだけを目指す経営は、自分だけの幸せだけを追求するものです。

しかし、公益性のある経営は、お客様はもちろん、経営者や社員、取引先が幸せになることを目指しています。結果的に、社会全体が幸せになるのだと僕は信じています。

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