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一番リスクの大きい選択は変化しないこと

急流によってみるみるうちに削り取られていく岸辺。そこに三人は立っている。一人目は意を決して流れに飛び込んだ。二人目はみんなが飛び込むのを待っている。三人目はまだ大丈夫だといってとどまっている。

チャーチルとダーウィンの言葉の重み

「過去にこだわるものは、未来を失う」・・こう語ったのは、英国の首相を務めたウィンストン・チャーチルだ。二つの世界大戦を、海軍大臣や首相という要職につき、未来をかけて闘い抜いた人物の言葉に重みを感じる。

「適者生存の原理で生き残った者は、最も強い者でなく最も賢い者でもなく、最も変化に敏感に反応した者である」・・これは『種の起源』で知られる進化論の提唱者のチャールズ・ダーウィンの有名な言葉だ。

動かないことの方がはるかに危険なのだ

変化することの重要性は頭ではわかっている。しかし、身体は現状維持を望む。なぜなのか?それは慣れ親しんだ現状の方が楽だからだ。あれこれと理屈を述べ、言い訳をして、変化を先送りをしている人や企業が少なくない。

パラダイムが根本から変わりつつあるいま、「何が正解で、何が不正解か」などわかるはずがない。「やってダメだったらやり直せばいい」というくらいの気持ちでなければ何もできない。動かないことの方がはるかに危険だ。

『異常が正常』の「捨てることが戦略」

『異常が正常』(高津成志著)という本が手元にある。地方の小規模な信用金庫の一つだった長崎県民信用金庫の生き残りをかけた取り組みをまとめたものだ。随分前に読んでガツンと殴られた。以来、ときどきページを開く。

本書の原本が出たのは26年前の1997年、職員と組合員の教育目的に作られた自費出版書だった。正式に出版されたのは2年後だ。繰り返し書かれているのは「捨てることが戦略」。変化の重要性を繰り返し指摘している。

経営者は現状否定論者でいよう

トップが現状を肯定したときから、企業の老化は始まる。現状維持は後退と同義語だ。経営者は現状否定論者でなければならない。とはいっても、悲観的に考えるのも良くない。変化を大歓迎し、喜んで受け入れていこう。

話は急流の川に戻る。生き延びるには、削り取られつつある岸辺から向こう岸に渡るしかない。その話をすると、ある経営者はこう語った。「私ならば川に入るのではなく、橋を掛ける」。変化への対応のアイディアは無限だ。

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