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巴里日記「クリスティーヌ」

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巴里日記 クリスティーヌ #6

巴里日記 クリスティーヌ #6

TOKYOがバブルだった1990年代のはじめ、195がパリで教えてもらったファッションの基礎。中でもとびきりチャーミングな思い出、7歳の女の子との記憶。きっとパリではあくまでも普通な、女の子の知恵としてのファッション。

その最終回。

ひとりでなんでも出来ちゃう、クリスティーヌ。ベビーシッターという名の見ているだけでいい、だから始めたアルバイト。ベビーでないのは明らかだが、どころか、れっきとした

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巴里日記 クリスティーヌ#5

巴里日記 クリスティーヌ#5

これは195が、巴里生活で遭遇した、7歳の女の子に教わったファッションの基礎のお話し

いままでの7歳という認識を大きく変える出来事のようだった、クリスティーヌとの時間。

ファッションアイテムひとつ変える、つまり、スカートからパンツに着替えることで、全身スタイリング、ヘアゴムの色まで変える女子根性もすごい、と思ったけれど、同じくらい感心したのが、自転車を苦労してでも、自分で運ぼうとしている姿。

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巴里日記 クリスティーヌ #4

巴里日記 クリスティーヌ #4

これは195が、巴里生活で遭遇した、7歳の女の子に教わったファッションの基礎のお話。

さて、午前中をお絵かきとオリジナル文字づくり、(ややアダルトな内容の)ふりつけ数え歌、で過ごしたクリスティーヌは、「公園へ行きたい」と言い出した。少し前にお誕生日だったらしく、パパとママから自転車を買ってもらったのだという。

ママからは、外出してもいい、と言われていたので、(なんとメトロに乗ってふた駅先の大き

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巴里日記 クリスティーヌ #3

巴里日記 クリスティーヌ #3

これは195が、巴里生活で遭遇した、ファッションの基礎のお話し。

そこには、モード学園での皆勤賞でも得られなかった、ファッション基礎のフランス版、があった。

ママの怖いひとこと、「どんなにせがまれても、決してお菓子は与えないで」

そんな一言をすでに、忘れ気味の私は、7歳のクリスティーヌが遊ぶ時間を見ている(または一緒に)時間が、とても新鮮だった。

オリジナル筆記体の次にはじめたのは、「ふり

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巴里日記 クリスティーヌ #2

巴里日記 クリスティーヌ #2

いまでこそ、フランス人マダムの生き方、みたいな書物がいろいろあって、香水と赤いルージュと節約生活でもこんなに素敵!みたいな感じ、日本にいても受け取れるのですけれど。

「オスカル様が好きで、泳いででも渡りたいフランス」(当時、本当に水泳に明け暮れていたのだ)を目指して巴里生活をした自分には、衝撃のファッション原点、の数々。それは、7歳の女の子クリスティーヌとの時間。

出かける前のママから「決して

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巴里日記 クリスティーヌ #1

巴里日記 クリスティーヌ #1

パリに住んでいたころ、7歳の女の子に教えられたこと。

『一日に何度も、目的や相手に応じて着替えるし、ひとアイテム変えたらコーデごと替えるし、それは髪留めのゴムの色、までも』

それはいまでも思い出す出来事で、いまだ7歳の女の子より女を楽しんでいない気がする、ことがある。

アルバイトのつもりのベビーシッターでの出来事。フランス人のキッチンを使っていいのも最高だったし(キッチンや冷蔵庫は好きなのだ

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