富田睦子

歌人。 まひる野、ロクロクの会、OCTO 、チメイタンカ(2023)、現代歌人協会。 …

富田睦子

歌人。 まひる野、ロクロクの会、OCTO 、チメイタンカ(2023)、現代歌人協会。 歌集に『さやの響き』(本阿弥書店2013)、『雲と雲雀』(角川書店2020)、『声は霧雨』(2023砂子屋書房)。

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最近の記事

シフォンケーキと修二会

わたしの子どもの頃は今みたいにゲームもネットもユーチューブもなかったので手芸やお菓子作りは一般的な遊びだったと思う。 わたしもお小遣いでホームメードのチョコスプレーやドレンチェリー、アンゼリカなどを買っては冷蔵庫のマーガリンを使いきる勢いでせっせとクッキーを焼いていたものだった。 家には21センチのケーキ型があって(初期に買ってもらったのか母が持っていたのか分からない)、ケーキもずいぶん焼いた。あんまり熱中するから母はハンドミキサーを買おうか? と聞いてくれたけど、偏屈な子

    • クッキー缶と株と組織

      この春、ひとり娘が高校を卒業する。 卒業間近だけど、今でもまだクラッシーで全体のお知らせがくる。 今朝はこころの相談室のひらかれる日が知らされてきた。 うちの娘は相談室には(私の知ってる限りは)お世話になっていないけれど、この年齢の子らしく原因もなくおなかが痛くなったり胸がむかむかしたりして保健室で休んでから帰ってくることは何度かあった。 四月からは大学の相談室が利用できるだろう。利用するしないに関わらず「ある」という事が心強いことだ。 なにかあったら相談できる場所、休憩

      • 指と手帳

        指が痛い。 捻挫かも。 指の捻挫ってそれは俗にいう突き指だ。 突き指!! 小学生の時にドッヂボールでなって以来だ(考えてみたら多くの子どもが頻繁に捻挫するような球技をなぜ学校は大会まで開いてあんなに推奨していたのだろう・・・。人にボールをぶつけるなんて野蛮よっ。実際あきらかないじめもあったしな)。 指は唐突に痛くなったのだけど、その直前なにをしていたかというと、コーヒーメーカーが起きるまでのあいだその隣に置いている紅茶缶とかを置いている棚のズレが気になって5ミリほどずらして

        • 手探りでやってること(短歌)

          短歌をはじめて30年、すぐに結社に入ったので、実のところ、雑誌や新聞への投稿も、短歌大会への投稿もしたことないし、カルチャーや講座にも(通信を含めて)通ったことがない。 唯一、学生時代の創作の講義は半年間受けたけれど、なにをしていたかほとんど記憶がない(先生ごめんなさい)。 そんな私でも30年もやってくるとカルチャーとか短歌大会の講師や選者が回ってくる。見本となる経験がない中で手探りでやってるから、当然自信はぜんぜんない。 カルチャーのうちひとつは、コロナ前からだからもう5

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        • 短歌のちょっと昔の話
          5本

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          紅茶・珈琲・匂蝋燭

          選歌(結社)も添削レポート(某学園)も校正(結社)も終わった! 心置きなくFGOのイベントを進める週末。今回☆5も☆4も入手しているのでイベントが楽しい! 先日出かけた先でルピシアの定番4種の福袋(というか、中身見えてたから単に新春セールのセット売り?)を見つけて、今自室の棚の上を片づけてカフェスペース(含酒)を作っている。 (全然関係ないけど、むかしむかしってルピシアってレピシエって言ってなかった? だからレピシエとルピシアが混ざってルピシエって言っちゃうんだよね・・・今

          紅茶・珈琲・匂蝋燭

          外に出なかった日曜日

          FGOも刀剣乱舞もイベントや周年記念で賑わっている。昨日発表された刀剣乱舞のAI「まめのすけ」のキャラデザがあまりにかわいくて今日はほぼ脳が溶けている。 ゆうべ刀剣乱舞の9周年記念のYouTube番組を同時視聴しながら、人生において流行り物にハマったことのなかった私が中年になってこういうものに熱中するとは不思議だな、とつくづく思った。 バブル期前後は歌謡曲にしてもドラマにしても服装にしても仕組まれた流行があって、なんとなくそれに添うのが嫌で背を向けていたようなところがあった

          外に出なかった日曜日

          カカオ‐モカ‐コーヒー??

          「モカ」ってコーヒーの種類だよね? アイスクリームや焼き菓子のうちコーヒー風味のものを「モカ」と呼ぶ←わかる コーヒーにチョコレートシロップなどチョコレート風味を足したものをカフェモカという←わからん まあ、俳句より長いのに短歌って言うしね・・・。短歌は長歌に対しての短歌だけどね・・・。 ちなみにカフェモカのwikiを見ると 【本来、「モカ」とはモカコーヒーのことで、そのコーヒー豆にはカカオ(チョコレート)に似た風味があり、カフェモカは、チョコレートを入れることでそれに

          カカオ‐モカ‐コーヒー??

          650メートル

          月曜日は結社誌の割付に。今年も12回、12冊、お疲れ様でございました。 終了後、奥のお座敷で少し打ち上げらしきものを。おでんを頂く。 おでんは最高においしかったけれど、夏以来、柳さんが体調を崩されてお休みしているのでいまひとつ盛り上がらない。早く戻ってきてほしい。 帰り道、もう10年以上前に結社を退会したひとと待ち合わせて食事をして帰る。 結社をやめた人とその後も付き合いがあることはほとんどないのだけれど、今年私も後藤さんも第三歌集を出して、ふたりともなんとなくその人には謹

          650メートル

          ヒマラヤスギは陰気

          今日は狂言を見に行った。 娘っ子の通っている学校からの斡旋で、申し込んだら前後半とも当たったので4曲も聞いた。 もともと芸能関係にそれほど知識が無い上に、この年に一回の企画はなるべく今までと重ならないような演目が選ばれるという。私にとってはどれも未知の曲だったけれど、それぞれ意外性があって面白かったし、いくつかの場面ではちょっと鬼気迫る感じに感じられた。 はじまる前に説明があったのだけど、役者一族のひとりが明日四十九日だそうで、きっとこの世に留まる最後の演目を見ているだろうと

          ヒマラヤスギは陰気

          私の「私」

          歌作ってる時って「私」がすうっと薄くなる。私の「私」は器というか、57577の定型みたいなもので伸び縮みするんだよね。 ということをゆうべ湯船の中で思ってなんだか腑に落ちた。 今週は、月曜に健康診断、水曜は新しい方のカルチャー。 検診は、北上の短歌大会の週と重なったので日延べしてもらっていて、近隣の行ったことのない町のスポーツセンターが会場だった。駅からまっすぐ1.2キロ歩いたところで、バスはそこそこあったけど時間に余裕があったので歩いてみた。 知らない町は楽しい。 カ

          私の「私」

          宣伝ひとつ、紙のこと、スピーカーのこと。

          「六花」VOL.8に4ページ書いています。  (各種オンライン書店で買えそうですが、たぶん注文受けてから版元に発注だと思うから、版元に注文するのが一番早いと思う。) 「六花」は「りっか」と読んで雪のこと。雪の結晶が六角形だから。 「六花書林」さんは歌集や句集、詩集などを出している出版社で、そこから年に1度発行される雑誌が「六花」。 詩歌の雑誌なのに文章しか載っていなくて、執筆者がすごく楽しく肩ひじ張らずに書きたいことを書いていて、すごく面白いんです。 くらげさんが「六花

          宣伝ひとつ、紙のこと、スピーカーのこと。

          机とスペース

          今月は気の張る締め切りがなくて、公開講座もシーズンオフで、登壇予定もなく、歌集が無事に出たこともあって、もへーーんとしているのだった。 手芸とかお菓子作りとかガーデニングとか、無心に手を動かしたいような気がするけど、今日のところは動画を見たり紙類を整理したりして非生産をきわめて過ごす。 20歳で短歌を始めて、20代のうちに歌集を出すことが目標だったけど、結局第一歌集を出したのは40歳の時だった。遅れた、という気持ちがすごく強くて、作っても作っても書いても書いてもその気持ちは

          机とスペース

          あたたかい金曜日

          2003年12月8日 よく晴れてあたたかい。 昨日は総武線をほぼ端から端まで乗ってカルチャーに行ったので時間がなくて洗濯とか水まわりが散らかっている。 例えば洗面所なんかは一日放っておくと結構汚れるのだけど、実家にいるときは気づかなかったな、と思ったりした。 ちなみに昨日紹介した歌集はこれ。 歌集の中で三十七回忌の弟さんの歌が出てきて、その流れで「昔って赤ちゃんが産まれると毛糸を贈る習慣があったって本当ですか?」と聞いてみる。「本当本当。色んな人がくれるから結構いっぱ

          あたたかい金曜日

          歌集できました!

          半年ぶりです・・・。 お久しぶりです・・・。 この半年何をしていたかというと、昨年末に所属する結社の代表が亡くなったので追悼号の準備をしたり偲ぶ会兼4年ぶりの全国大会の準備をしたり、公開講座を開講したり動画を作ったり来期の企画を立てたり、同い年の歌人たちと50歳記念の同人誌を作ったり、歌をたくさん作ったりなんか書いたり選歌したり、それから合間に(合間に?)第三歌集の準備をしたりしていました。 あと、一人娘が高3でね・・・。 オープンキャンパスに駆け込んだり、まあ、いろいろと

          歌集できました!

          「全歌集にみる馬場あき子論」より

          虫への興味  富田睦子 馬場あき子の歌で私が一番好きな歌は、 蜘蛛の子はすはすは糸に乗りてゆく雪を迎へに山越えてゆく 『飛種』  である。  多くの人間が本能的にそうであるように、私は虫が嫌いだ。虫の中でも甲殻がなく表面がやわらかいものが特に苦手で、そこにさらに見慣れない奇妙な形や模様、予測できない動きが加われば、ともすれば悲鳴を上げてしまう。蜘蛛はその最たるもので長い間恐怖の対象であった。  それがこの歌に触れたとき、私は「かわいい」と思ってしまった。自らの吐いた

          「全歌集にみる馬場あき子論」より

          フリーペーパーお知らせ

          ※「しののめ」VOL.1の配信期間は終了しました。 この後は2023年5月21日(日)の東京文フリ R01 【H2O企画】さんに委託予定ですので、現地に行かれる方はもらってくださいね☆彡 (2023.5.12) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 歌人の遠藤由季さんと一緒に(こやって書くと私は何者なんだという感じだけど、私も歌人です。たぶん。)フリーペーパーを作りました。 5月10日までセブンイレブンのコピー機から出せます。 A4サイズ6枚、

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