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ブルターニュ展雑感

 やっとこさ行ってこられた、上野のブルターニュ展。もろもろの事情で行くのが遅くなったのだ。けっこう待ったぞ。三週間くらいはおあずけ食らってたわ。行ってみたらばもうね、すてきな絵の数々。画家たちがブルターニュ地方に惚れたんだってことがよくわかる。みんなドハマりであったことだろう。何があの地にあったんだろうな。画家が何を見出したのか、どんな霊感、インスピレーションを得たのか、それを探るように観ていった。確実に何か特殊なものがある。いってしまえば世界の果てだ。絵の題材として描きたくなるのだろうし、実際ありありと描かれてあった。何かが、いや何かっつっても曖昧だけど、あの地の空気感というのか、場所そのものにある不思議な気配、そんなのが伝わった。画家たちがビリビリと刺激されたこと、それがよくわかる。いやほんと手にとるようにわかる。これはもう描かずにはいられなかっただろうなと。

 単純にいえばなんか旅をした気分だったかな。たっぷりと観て、風景画だったらその場の風や音を感じるんだし、人物画だったら会話をしているような気分になるんだし。おもしろかったですねー。けっこうすげえ展示だったと思うぞ。これがブルターニュであると。

 日本人画家たちの活躍がバリバリ。いい絵を描くもんだな。ここに来るまでぜんぜん知らない画家たちだったが、なかなかどうして。こうやって目立たずひっそりと名作たちがあるんだったら、やっぱり美術展ってなるべく行ったほうがいいんだよ。どこかに眠ってたかしまわれてたかしたものを掘り起こしてきて、あるいは世界のどっかから貸し出されてきて、それを間近で観られるんだから。資料としての本や手帳や手紙、そんなのもあって生(なま)の現場の空気もあった。創作の現場だ。画家の人生の一部だ。確かに彼らは生きていた。生きて描いた。芸術の仕事を全力でやる人生にもうほんと脱帽。

 図録とポストカードを買って帰った。一日経ってもまだありありと思い出す。絵画芸術、本当にいいものなんだな。画家たちに敬服だ。ありがたいありがたい。楽しかったです。

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