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Another home Gujo 『郡上の民話/伝承をたどる旅「木地師と縄文の足跡を求めて」』に参加してきた

気がつけばもう2ヶ月も経ってしまいましたが、2月8日~2月9日に、郡上市明宝にある秘境・小川地区を舞台にした 『郡上の民話/伝承をたどる旅「木地師と縄文の足跡を求めて」』というモニターツアーに参加してきました。

Another home Gujoとは

このツアーの主催はAnother home Gujo
Another home Gujoは、今わたしも暮らす、岐阜県郡上市の魅力に惚れ込んだメンバーが、郡上を第二のふるさととして何度でも帰って来てもらえるような旅や企画作りをしているチーム。わたしも彼らの想いに共感することも多く、度々時間を共にさせていただいています。

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Another home Gujo ステートメント
第二のふるさとに帰ってくるように、郡上の文化や自然や人々に出会うこと。その出会いを通して、自分の内面や本質に触れられるような旅作りを目指しています。

メンバーの想いに共感し、郡上内外を問わず、地域と濃い関係性を築きながらコミュニティを拡げていく。関係人口創出・拡大をディープに解釈し、サービスとして提供している良事例であり、モデルケースになり得る可能性を秘めた取り組みではないかと思います。

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▲関係人口の概要図(出展:総務省 関係人口ポータルサイト

もちろん、その真髄を実感していただくのは、実際に彼らの企画したツアーに参加していただくのが一番だけど、なかなか足を運ぶのは難しい方もいらっしゃるかと思うので、彼らのつくりあげる素晴らしいツアーを、ちょっとだけ紹介させていただければと思います。

どんなツアーだったか

Another home Gujo、今回のツアーテーマは『木地師と縄文の足跡』。郡上市明宝地区に残る、民話や伝承、昔話を採取した貴重な資料かつ読み物としても興味深い『奥美濃 よもやま話』(全5巻)を題材とし、今回は明宝の秘境 小川集落を主なフィールドとして、木地師と縄文をテーマにした企画なのだそう。

プログラム内容
1. 木地師の足跡を追うトレッキングツアー
2. 縄文人からのメッセージを聞こう!遺跡巡り
3. カッパと化けイワナが生まれた場所を探しに行こう!
4. 小川ロマンを探る旅の拠点古民家基地改修
5. 講師、参加者、スタッフ交流会
6. 知られざるパワースポット 金山巨石群体感
7. 縄文火起こし&清流コーヒータイム

奥美濃の最深部である郡上近辺には、縄文鍾乳洞など、縄文時代の暮らしを彷彿とさせる遺跡等が多く残っている。

このツアーで訪れた明宝 小川地区では、今も少し目を凝らせば、足元から縄文時代の矢じりが見つけられたりと、古代の暮らしが感じられる秘境。

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今回講師を努めて下さったのは、2018年に郡上カンパニーの共創ワークショップに参加した際にもガイドをして下さった、末武東(すえたけあずま)さん。前回はじっくりお話をお聞きできていなかったため、チャンスを逃すまい!と参加させていただいた次第。

まずは木地師と縄文の足跡をめぐるフィールドワークからスタート

木地師とは、平安時代に文徳天皇の第一皇子の惟喬(これたか)親王が村人にろくろ技術を伝えたのが、木地師の始まりとされており、小椋谷の木地師が良材を求めて各地に移り住んで文化や技術を広め、日本の木工文化の礎となったという。
(出展:産経新聞 記事

木地師というと耳慣れないが、ジブリ作品『かぐや姫の物語』に出てきた、捨丸兄ちゃん一家のこと、と言えばわかりやすいだろうか。山の木を伐採してお椀などを作る職人のことで、木を守るために木地師は山を渡り歩いて生活をしていたそう。

明宝 小川地区の様々な場所を、末武東さんの解説をじっくり聞きながら歩く贅沢な時間。

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▲残雪の中に佇む、お地蔵さま

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▲トザキさんによるよもやま話の一節の朗読。そこに末武さんの解説が加わる

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▲鹿の角を奉納する小さな祠の前で解説する末武さん

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夜は末武さんのお宅にお邪魔させていただき、いろいろな文献をご紹介いただいたり、大きな木の盆を見せていただいた。奥さまのつくられた美味しいごはんやスイーツをいただいたり、参加者で持ち寄ったお酒をみんなで酌み交わしたり、地元で獲れたジビエ料理をいただいたり。

「またここに来たい」「みんなに会いたい」と思わされる時間を一緒に過ごす。『その場だけに留まらない繋がり』が少しずつ形成されていく。

金山巨石群で感じるロマン

二日目は、郡上市のお隣、岐阜県下呂市金山町にある金山巨石群(岩屋岩蔭遺跡)へ。この巨石群を発見されたうちのお一人でもある、徳田紫穂さんにガイドをいただいた。近年の研究で、縄文時代に天文観測所としての役割を果たしていたのでは?と、言われています。

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▲妙見神社が祀られている

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▲熱のこもったガイドで参加者を魅了する徳田さん

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▲実際に古代人が天体観測をしていたと思われる岩の隙間に入り込み、解説を聞く

大きな岩がゴロゴロと転がる姿に圧倒されるけど、そのひとつひとつが、夏至や当時などの天体観測に使われていたのでは…と解説を受ける。金山巨石群の研究が進むと、縄文時代の認識が変わる可能性が高く、その界隈でも見解が分かれているとのこと。

地球の公転と二十四節気の中気

▲太陽の動きを暦とする太陽暦。二十四節気を重ね、歴史上は記録のない太陽暦が、縄文時代に既に利用されていたという証拠になり得ると言われている(出展:星たび ウェブサイト

ただの石の塊は、まさにロマンの塊や…!と感じましたが、古代人がこれだけ精度の高い天体観測技術を持っていたとしたら…本当にすごい発見。

と同時に、あんな岩の間に挟まって空をながめながら、

A:「お〜、あの星、よく見えるわー」
B:「こっちの方がよく見えるでー」

とのんびり観察していた姿を想像してしまって…(笑)ロマンと同時に、ちょっとほっこりした私。

かなり充実したガイドをいただくことが出来るので、気になる方はぜひ、金山町観光協会までお問い合わせを。

旅の中で、いちばん心が解放される時間とは

実はわたしが愛してやまないのが、縄文火起こし&清流コーヒータイム。毎度毎度が縄文流の火起こしとは限らないけど、郡上を流れる清流を、焚き火の炎で沸かして淹れたコーヒーは、絶品以外の何者でもない。何回体験しても、心がふうっ…と休まる時間。

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▲ロマン溢れる土地の姿に、すっかりのめりこみ、自然に笑顔もあふれる参加者たち

Another home Gujoでは、家族のような時間を共に体感することを信条にしている。ツアープログラムの終盤に、参加者が感じたことをシェアする時間を大切にしている。このツアーが行われた日はとても寒かったけれど、参加者みんなで焚き火を囲み、温まりながらそれぞれの想いをシェアする。そんな時間が、わたしは大好きでいつも宝物に思える。

このツアーがぎゅっと濃縮された動画に

この4月から、Another home Gujoのチームメンバーとして正式に加わった、映像ディレクターの進藤くんが、今回のツアーを映像にまとめてくれているので、ぜひその雰囲気を味わっていただければ。

▲ Another home Gujo 郡上の民話/伝承をめぐる旅 第一弾【木地師と縄文の足跡を求めて】ムービー(※再生時、音が出ますのでご注意ください。チャンネル登録もよろしくね!)



今後もますます楽しみなAnother home Gujoの取り組み。最後に、チーフコーディネーターである由留木さんの言葉で、この記録を締めくくりたいと思います。

由留木さん画像

僕たちはどうしても、
生きている現代という時間軸でしか目を通せないけど、
ツアーを通して、(地域の)長い時間、スパンを見ることで、
逆に未来が見えてくるんじゃないかと思う。
昔の人の暮らしを見ることで
未来が見えるツアーをやりたいな、って。

じわじわと、もしかしたら思った以上のスピードで、確実に時代が変わっていっている、と皆が感じていたはず。

それが今唐突に、人類みんなが変わらざるを得ないタイミングを、自然に与えられたように感じる。現時点では、行きたい場所に行くことすらままらない状況ではあるものの、この事態が落ち着いた際にはぜひ、数々の魅力が眠る地、郡上に足を運び、ポスト・コロナ時代の生き方を考えるキッカケにしていただければと思います。

Another home Gujoでは、オーダーメイドでのツアープランも組むことが可能なため、郡上の地と彼らの活動に興味を持たれた方はぜひお問い合わせ下さい。

▲ Another home Gujo コンタクトフォーム



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