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大きな嘘の木の下で 〜僕がOWNDAYSを経営しながら考えていた10のウソ。〜 (読書メモ)

人生の教訓になる金言満載の良書です。

本書は、処女作の『破天荒フェニックス』が大ヒットしたOWNDAYS・田中社長が、世の中に存在する常識の「ウソ」に、独自の視点で切り込んだ1冊です。

前作を読んで著者のファンになり、待ちに待った2冊目でしたが、期待通りの面白さでした!前作はビジネス小説でしたが、今作は自己啓発寄りの内容です。

では、いつも通り印象に残った内容をピックアップします。

「幸せ」ではなく「豊かさ」を基準に考える

「豊かさ」の観点で考えたことは無かったですが、たしかに「幸せ」以上にしっくりきました。

僕が伝えたいのは、幸せや不幸せという「感情」は、すぐ隣にいる誰かと比べた時に強く感じやすいというのは、間違いのない事実であるということだ。
人生にとって大切なのは「幸せ」ではなく「豊かさ」であるという考え方だった。
昨日まで自分になかったものが、今日、新しく増えた状態。お金だけじゃなく、知識や技術に経験、地位や名声、人脈、チャレンジする勇気、行動力……様々なものを自分にプラスして成長していけること、それら全部が「豊かさ」なのだ。

いい借金と悪い借金

投資か費用かの違いに似てる気がします。「収入に目を向ける」ことはより意識していきたいです。

そもそも多くの人は「お金は自分の力では簡単に増やせない」という変な固定観念に囚われすぎている。でも、お金は、きちんと正しい努力さえすれば、いくらでも増やすことができるのだ。お金を増やす為に必要なお金が、今手元にないのであれば、借りてきてお金が貯まるまでの時間を短縮すればいい。一番大事なのはお金よりも時間だ。ただそれだけのシンプルな話なのだ。
いい借金は、「収入」と「負債」がセットになっている。でも、多くの人が「収入」の話に目を向けようとしない。借金をすると「負債」ばかりが増えて、「収入」が増えないイメージがあるのだろう。でも僕は、借金をすることで「収入」も増えるイメージがあるから怖くない。

仕事はゲームにできる

凄く共感できました。自分もビジネス書をよく読みますが、ゲームの攻略本を読んでいる感覚という表現はまさにそう!って心の中で叫んでました。

楽しければ、業務時間が終わってもなんとなくメガネのことやお客様のことを考えるだろう。家に帰ってお風呂に入っている時であっても「あ、あのアイデア使えるな」「こんなメガネ作ったら喜ばれるかな?」と気づくこともあるだろう。そんな感じで自然に、いつも仕事のことを考えている。だって楽しいから。
つまらない今の「労働」を、楽しい「ゲーム」に変えてしまえばいいじゃないかと、僕はいつも考えている。
毎月、数十冊以上のビジネス書を読むけれど、それもゲームの攻略本を読んでいるような感覚と言った方が正しいかもしれない。「なるほど、経営ってこうやってやると勝てるんだな」と思いながら読んでいる。そういう感じでビジネスをやっているので毎日が楽しいのだ。
まずはマインドセットを変えてみよう。その次に楽しめる仕組みをみんなで作る。毎日がゲームになるようにしよう。そうしたら仕事が楽しくなるし、何より結果だって出てくるのだ。

学ぶべきは「失敗するパターン」

著者はイケイケに見えますが、こうしたリスク管理能力が長けてるからこその成功なんだと理解できました。

成功を学ぶことよりも大切なことは「失敗を管理」することだ。
試合は、負けなければ勝てる。当たり前だ。大切なのは、勝ち方を考える前に、負けそうな要素を片っ端から潰していくようにすることだ。ビジネスの世界では、この考え方こそ成功に近づく為の誰にでもあてはまる唯一の方法なのだ。
「売れる接客に共通点はあまりない」というのは既に説明した。しかし「クレーム」に関しては、ほとんどが同じ原因で引き起こされるものばかりだ。
会社を伸ばす社長のパターンは千差万別だが、会社を潰す社長のパターンはみんな一緒だ。
一番多くの時間を割いて学ばなければいけないのは、とにかく「他人が起こした失敗」なのだ。
ちなみに僕が一番好きな読み物は、帝国データバンクの「倒産情報」だ。これをいつも研究して勉強するようにしている。そして、自分の会社に、ここに並ぶ企業と同じような傾向が出ていないかどうかを、すごく気にしてチェックしている。

「夢がない」と嘆くあなたに贈る言葉

個人的にも中長期の目標やキャリアを考えないタイプなので、毎日を本気で挑む著者のスタンスには共感しかなかったです。

ただ一つ社会に出てから肝心なのは「本気」で挑むことだ。人に頼らず自分の足で立つということ。寝る間も惜しんで、 1秒も無駄にしないで全身全霊で取り組めば、「できるようになりたいこと」は、できるようになる。
自分が本当にすべきことが見つかったとしたら、その人の人生は、その夢が叶おうが叶うまいが最高に面白いエンターテインメントになっていくだろうし、見つかる前より何十倍も豊かなものになることは間違いない。
つまり、何が言いたいかというと、夢とか目標なんていうものは、毎日を頑張って、魂を振り絞って精一杯生きた人にだけ、ある日突然、神様が与えてくれるご褒美みたいなものだということだ。

人生において選択なんて大した意味はない

まさにその通りで、どの選択も自分次第かと。楽しんだもん勝ちの気がします。

みんな選択することを、まるでウルトラクイズの ○ ×みたいに考えすぎなのだ。
でも本当は違う。人生における選択の先には、どちらにも天国と地獄が待っているのだ。結局は、自分が選択した道が間違いじゃなかったと思えるかどうかは、そのあと、どう行動したかが大事だし、その選択が正解になるのも間違いになるのも、自分の行動の結果でしかないのだ。
選択に悩んだ時は、何を基準に選ぶべきか?  もしあなたが人生の岐路に立ち、どちらの道に進もうか悩んでいるのなら、僕は「迷わず面白いと思う方を選べ」とアドバイスしたい。
全ての努力や才能も、夢中という力には敵わないのだ。

社員の不満を解消しようとするのは無駄

「解消ではなく、納得してもらう」という考えは新たな気づきでした。自分の中で、凄くスッキリしました。

僕はOWNDAYSを買収した当初、会社を支配していた泥沼にハマったような閉塞感を打開したくて、社員みんなの声に真摯に耳を傾けて、様々な改革を推し進めてきたが、その中で一番的外れだったことがある。  
それは「スタッフの不満を解消しようとすること」だった。
不満を解消しても一向に不満がなくならない現実を前にして、ようやく僕は気がついた。会社にとって一番大事なのは、関わる人たちの不満を取り除くことではなく「納得」してもらうことなのだということに。
経営者が最も優先するべきことは、ただ闇雲に「不満」を取り除いてあげることではなく、その人が自分で解決していかなければいけない「課題」として向き合っていけるように、不満を感じていることの「原因と解決方法」を明確に示してあげることだと思っている。
みんな「理由」をきちんと知りたいのだ。だから社長はその「知りたい」に真摯に向き合って全てにおいて逃げずに説明する義務がある。これこそが社内の空気を良くする唯一の方法だと僕は思っている。

「失敗してもいいからやってみろ」はウソ

「ほんまこれな!」って感じです。1円でも対価をもらってる以上はプロとして取り組む必要があると思います。

僕は絶対に「失敗してもいいからやってみろ」などと言わない。「失敗しない為にどうしたらいいか、徹底的に考えて万全の準備をするように」と言う。
プロフェッショナルとしてお金をもらう以上は、仕事に取り組む際に、最初から「失敗してもいい」「うまくいかなくてもしょうがない」なんて、絶対に考えてはいけない。最初から「失敗してもいい」などと考えながら取り組んだら、そんな仕事は大抵、失敗する。
上司の仕事は、部下に失敗させることなんかではなく、部下の仕事を 100%の確率で成功させる為にしっかりと伴走してあげることである。

人に期待するのをやめる

これは最近よく意識してます。気持ちがすごく楽になって、感情的になることが減りました。

数字だって「今日は達成しないだろうな。目標に届かないだろうな」と思って、毎日見ている。だから、達成するとすごく嬉しくなれる。
あなたの期待が、全てを破壊しているのだ。だから僕は社員に「きみに期待しているよ」とは言わない。もちろん、ダメだったところは指摘する。期待はしていないけれど、指摘はする。「もうちょっとこうやった方がいいんじゃない?」と。でも期待はしていない。だからお互いにすごく楽になれるし、いつも前向きに取り組むことができている。

目的と手段を履き違えた時、会社は倒産に向かって走り出す

目的と手段の関係性が、すごくわかりやすかったです。組織が大きくなればなるほど経営理念の重要性を感じています。

この3つの言葉にはもう一つ、見逃してはいけない特徴がある。  
それは「目的 =達成できない」「目標 =達成できる」「手段 =達成できない」という特徴だ。
目的と手段はどちらもその行為にどこまで行っても終わりがないので「とても似ている」のだ。 
僕は初めて「企業理念」というものの大切さに気づくことができた。企業理念とは、自分たちが迷わない為に定める唯一無二の「目的」のことだったのだ。
「企業理念が大切」  
当たり前に言われすぎて、世の中の多くの経営者が意識していないこの言葉。 22年間会社を経営してきて、何度も潰れかけた僕が、今なんとかこうして会社を続けられているのは、この当たり前の言葉の裏側に秘められた「目的と手段を履き違えた時に企業は倒産へ向かう」という真実に気づくことができたからだっ

まとめ

本書を読んで強く感じたことは、世の中の常識に自分自身の経験を照らし合わせて疑ってみることの重要性でした。読みながら考えてみただけでも、常識の矛盾がたくさん見つかりました。

そして、これらを日々の行動と共にアップデートすることで、著者のようなブレない価値観を作っていきたいと強く思いました。

経営者だけでなく、あらゆるビジネスパーソンが読んでおいて損は無い1冊だと思います!

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