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読書ノート 「マックス・ヴェーバー」 今野 元

正式名称は「マックス・ヴェーバー 主体的人間の悲喜劇」です。

 うーん。なんだかヴェーバーが嫌なヤツに思えてきた。
 頑迷で超エリート意識、ドイツ人のプライドを維持するためにアメリカを貶し、女性は男性より劣り、黒人やアジア人は人間ではない、といった精神を持ちながら、ヨーロッパの社会文化を自分は把握・支配・操作していると思いつつ、最後は錯乱して死ぬ。
 作者の今野元が「伝記論的転回」といってある意味ヴェーバーを擁護しているようにも見えるが、果たしてそれは成功しているだろうか。初学者、踏み込まない読者にとってはこれでヴェーバーに対するスタンスを決めてしまうのではないか。これというのは、彼を時代精神の中でしか生きられない、西洋キリスト教社会の生得的なエリート意識の成れの果て、と見てしまうことである。

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