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長文な氏神の顛末

注)本記事は独自の宗教観や信仰を押し付けるものではなく、また他の信仰を乏しめるものではありません。説法や訓示なども登場することはありませんので、お子様でも安心してお召し上がりいただけます。また開封後は「スキ」を押して、冷蔵で保存することをおすすめいたします。

-熟女というのに熟男と言わないのはなぜ?マガジンより一部抜粋

シンネン推し通すッ

新年といえば「運試し」まずはこれが頭に浮かぶ
もう2月も半ばだが、本人が新年と言い張れば
いつまでも新年である。


占いやスピリチュアルを信じているわけではないが
自分の考え以外の何かしらの啓示、暗示、予想などは
自分の範疇を超えた別の場所から飛んでくるので
それはそれで面白いと思っている。

毎年、氏神様への初詣で家内安全などの祈祷をしていただく。不思議なものでアレをすると心や体が
スッキリと晴れ渡ったような気分になれる。

そんないつもの行事が今年はできていなかった。
初詣よりも先に都へと旅立ったからだった。

春の都は実に過ごしやすい陽気だった。

1日だけ余裕ができたので妻と二人きりで観光。
私の中でKing of☆観光地と名高いある寺へ

仲見世とおみくじ

あふれかえる人、人、人、もしくはそれ以外の何か。
両脇のお店を見る暇もなく、
とりあえず人波にライドして
大きな門の前までたどり着いた。

これが、あの、アレか

その巨大なアレを潜り抜けて境内に入った。
列をなしてじわりじわりと前に進んでいる。
最終地点が何なのかもわからなかったが、
本殿的なやつだということは理解した。

おみくじあるよ!

何度聞いても彼女の声は良い。
周りの人を元気にしてくれる明るさがある。
そんな彼女の声に引かれて、初めて訪れた場所で
新年の運を占う。

氏神様よりも先に?


私の過去のおみくじ成績は悪くない。
八割が大吉を引き当てていた。
妻と二人でジャラジャラと盛り上がりながら
番号の書かれた引き出しを開け
紙を一枚取り出して、お互い見せ合った。

妻は中吉。これは良いほうである。
おそらく。

そして私はというと「凶」

人生で初めて凶を引いた。
写真で証明したいところだが
何十年か前に狭い界隈の話で
「凶の画像をBlogにうpするなんて非常識だ」
などという自治厨が沸いたことを思い出し
そんなこともあったなぁと遠い目。

いや、しかし
本当に存在するんだね凶って。
どうやら寺は凶をいれるらしい。
そうね修行だもんね、悟り開くんだもんね。

これはついていると考えた。noteのネタとして
この出来事は順調にストックされたわけだ。


都から離れ、舞台は地元

つい先日のこと、忙しい私に代わって
妻が氏神への初詣と家内安全祈祷を行ってきてくれた。
娘たちも同行し、性懲りもなくおみくじを引いたら
大吉、中吉、末吉。
妻はまたしても大吉を引けずにいた。

そして、おみくじのことで盛り上り、
購入ししたはずの大事な神棚のお札を
どこかへ忘れてきてしまったらしい。

大騒ぎである。
なんと罰当たりなのだろう。
これもnoteのネタのため、神が遣わしたお気遣い。

帰宅後にこの話を聞いた私は
どこかに落ちていないかだけでも
確認しようと提案した。

落ちているはずなどないのだが
あまりに妻がオロオロしているので
「一応、やることはやった」と納得させるためにも
真っ暗な神社へと車を走らせた。

一路、山へ

夜の帳が下り、静まり返る境内
神秘的な空気があたりに漂い
社務所もすでに灯りが落ちていた。

足元に雪が残る階段を上がり
高く聳え立つ木々に見下ろされながら
スマホの光源を頼りに立ち寄った場所を回る。
そう広くはないエリアなので
探す場所は限られていた。

その一つに、古くなった注連縄や
お札、お守りなどを焚き上げてくれる
場所がある。我が家の神グッズ(?)も
当日そこにお願いしたということで
もしかしたら紙袋の中に
新しいお札も入れてしまっていたのでは?

という一縷の望みをかけて捜索したが
人生というものはそうは上手くできていない。

結局諦めて二人トボトボと帰ったのだが
私は来てよかったと思った。
やはり、新年は氏神様のところへ来なければ
どこかスッキリしないものだ。


ヤシロ作戦

一夜明けて、あきらめきれない妻は
社務所へ電話を入れた。

昨日訪れた時間と内容を伝えたら
社務所で預かっていてくれたことが判明。
これで本人の俯いた顔が、やっと晴れやかに

-そんな偶然はあるのだろうか。


おそらく可哀そうに思った神社側が朝のMTGで議題に挙げたのだ。
地元民への心証を重く見た管理部は総務部へ特別申請を行い、普段は冷静な管理部の宵山さん(仮)の心意気に打たれた総務部長がGoサインを出し、特別にお札を無償にて提供することを了承したのだ。これにより哀れな一家のハートを鷲掴みにした氏神グループは、もともとあった地盤をより強固なものとし、口コミのみならずnoteというSNSによって拡散したこの心温まるストーリーはYoutubeで勝手に切り抜き動画が作成され、AIの無機質な読み上げと、いらすとやのホンワカした雰囲気とともにおぃそこまでだ。

仕事で行けない妻の代わりに私が
落とした神を再びお迎えに行った。
「こちらの不手際かもしれませんので…」と
巫女さんに逆に謝られたりして、なんだか
逆の逆に申し訳なくなって、
逆にむしろ逆は逆でよかった(?)って


着地点の見えないこの話のオチはない。
だがひとつだけ語れることがあるとすれば

その日、私が引いたおみくじは大吉。

おかげさまで2,000文字を超える長文ができた。
皆様にとって今年も良い年でありますように







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