#0137【古代オリエントの権力闘争、4王国分立時代(BC6世紀)】
1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。
月曜日の続きです。
強大な軍事力にのみ頼ったアッシリア帝国は各地の反乱を押さえきれずに滅亡してしまいます。
その後、オリエント世界はエジプト、新バビロニア(現イラク)、リディア(現トルコ西部・中部)、メディア(現イラン)の4つの王国に分かれました。
その中で最も強い勢力を誇ったのが、新バビロニアです。アッシリア同様に東西の交易路を押さえた経済力が基盤でした。
最盛期はBC604~BC562年に在位していたネブカドネザル王の時代です。
新バビロニアはバビロンという都市を首都としました。バビロンはその昔、古ハンムラビ王国の首都でしたが、王国滅亡に伴い荒廃していました。
新バビロニアはバビロンを計画的に再建し、その壮大さから「バビロンの栄華」と称されるほどの繁栄をみせます。バベルの塔のモデルになった巨大なジッグラト(聖塔)もつくられました。
ネブカドネザルは、現イスラエル南部の死海を周辺にあったユダヤ人のユダ王国をBC586年に滅ぼすと、住民をバビロン市に強制移住させました。
これをバビロン捕囚といいます。
ユダヤ人は移住先でも自分たちの文化を失わないために、それまでの歴史や宗教観を書物に纏めていきます。
そこに移住先であるメソポタミアの神話(洪水伝説やバベルの塔など)が組み合わさって、旧約聖書の原型が作られていったと考えられています。
しかし、ネブカドネザル王が死去するとバビロンの輝きもくすみ始めてしまいます。
強大な経済力によって繁栄していましたが、貨幣の流通が始まり商人、特に金貸し業を営むものが力を持ち始めます。
利息を払えずに困窮した市民の中には奴隷に身を落とすものが増えていき、階級間闘争・対立が激化していってしまいます。
この隙に乗じて、他の三王国が新バビロニアの富を奪おうとして時代は先へと進むことになっていきます。
続きは金曜日です。
以上、本日の歴史小話でした!
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