#0135【善悪二元論では語れない(旧約聖書:ソドムの滅亡)】
1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。
前回のNo.134【神と救済条件を交渉するアブラハム(旧約聖書:ソドムのための執り成し)】の続きです。
神は10人でも(少しでも)正しい者がいるのであれば、ソドムとゴモラを滅ぼさないとアブラハムに約束をしました。
いずれにしろ、ソドムとゴモラの行状が乱れているとの訴えに基づき、ソドムとゴモラの状況を確認することにします。
<>内は旧約聖書からの引用を基に記述しています。
<二人の御使い(筆者注:おそらく天使か)が夕方ソドムにつくと、アブラハムの甥であるロトが迎え入れます。
ロトが二人を自宅でもてなしていると、ソドムの若者も年寄りもこぞってロトの家を囲みます。
「今夜、お前のところへ来た連中を差し出せ、なぶりものにしてやるから。」
ロトは、入り口で喚いている男たちをどうにか宥めようと言葉を尽くしますが、暴徒たちはおさまりません。
むしろますます興奮した暴徒はロトに詰め寄って戸を破ろうとします。
すると二人の御使いたちは、手を伸ばしてロトを家に引き入れて戸を閉め、戸口の前にいる男たちの老若を問わずに目つぶしをくらわしました。
暴徒たちは入口がどこにあるか分からなくされました。
その後、二人の御使いはロトに言いました。
「この家以外にロト、あなたの身内の人がこの町にいますか。ここから逃げなさい。神に大きな訴えが届いたので、神はこの町を滅ぼすために我々をここに遣わしたのです。」
ロトは驚き、娘婿たちに避難しようと伝えますが、婿たちは冗談だと思い動きませんでした。
夜が明ける頃になると御使いたちもロトに脱出するように急き立てますが、ロトはためらっています。
その様子をご覧になっていた神は、御使いたちにロトと妻、娘二人の4人の手を取らせて、ソドムから脱出させました。
そして、ここから山へ逃げるように指示しますが、ロトはそこまで行けないので、近くの小さな町までに逃げることで助けて欲しいと訴えます。
神はその小さな町を滅ぼさないことを約束します。
その後、太陽が地上に上ると、神は、ソドムとゴモラの上に天から、硫黄の日を降らせ、町の全住民を地の草木もろとも滅ぼしました。
神はアブラハムを御心に留め、ロトを破滅の中から救ったのでした。>
ここの寓意は、前回の話を踏まえると、アブラハムの交渉によって10人いれば救われるとされたものが、結局4人(ロト、妻、娘二人)しかいなかったからソドムとゴモラは滅ぼされることになったのでしょうか。
この辺は、筆者も整理しかねています。
しかし、それでも正しい者は、神の力で救済されています。
どんなに小さくとも善良な部分については救済が認められるという考えに繋がる箇所です。
100%の善人はいないですし、100%の悪人もいない。
ソドムとゴモラの滅亡の話は、悪いことをすると報いを受ける点に焦点があたっていますが、筆者はどちらかといえば善良な部分が救われるという点に注目したいです。
以上、今週の歴史小話でした!
(続き:No.148【共に生きた軌跡(旧約聖書、サラの死と埋葬)】)
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