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新たな“好き”を求めて

私は、仕事が好きだ。
顧客のため、同僚のため、上司のため、会社のため。
誰かのために働き、役に立てることが何よりも楽しい。
給料を得ることよりも、感謝を受けることの方が嬉しい。
求められるのならば、残業だって休日出勤だって喜んで。
仕事は私にとって唯一の生きがいだった。


失うのはあっという間だった。

仕事に没頭するあまり私生活が疎かになっていった。
はじめに失ったのは趣味、次に交友関係。
長年連れ添った恋人との関係すら反故にした。
仕事に忙殺されることが楽しい分、休日が苦痛になった。
仕事から逃げているような罪悪感に押し潰されるから。
休日にもかかわらず職場に逃げ込み、隠れて働く日もあった。

友人の勧めで精神科を受診した。
抑うつ症状、希死念慮、幻視、幻聴。
双極性障害と診断され、即日実家へ送り返された。
有無を言わさず休職させられることになった。
生きる目的を奪われ、腑抜けになったまま2週間。
今に至る。


仕事を奪われてしまったことが本当に苦痛で、今でもなお、精神科を受診しなければよかったと考えてしまう。
しかし、このまま働き続けていてもいずれどこかで破綻したであろう。

好きだったはずの仕事を続けられなかった理由。
それは、仕事だけが好きだったからだと思う。
唯一無二の好きが崩れそうになったときに、他の拠り所を見つけられなかったから。
仕事に依存せずに立てるようになったときが、私の復職できるとき。
新しい好きなもの・ことを探していきたい。

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