辞めた吹奏楽②
「逃げるんだね」
私が吹奏楽部を辞める時に先輩に言われたこの一言が、今でもよく覚えている。
とても悔しかった。
でも、反論できなかった。
だって事実なんだから。
私はこの吹奏楽部、いや吹奏楽から逃げたくてたまらなかった。
自分の思った通り演奏できない。
楽譜のリズムが分からない。
毎日、面白くない練習ばかり。
つまらない。
つまらない練習が大事なのはよくわかっていたつもりだったが、練習しても練習しても思ったようにうまくならない。
当然だよね。
まだ1年も吹いてないのに、急にうまくなるなんてそんな魔法あったらみんな使っているよ。
今、思うとあの頃の私は忍耐が足りなかった。
理想の姿に早くなりたいとだけ思って、死ぬ気で練習するわけでもないのに上手にならない現実の自分にキレていていた。
だがら、吹奏楽から逃げた。
馬鹿だねあの頃の私。
私は今でも、吹奏楽をしたいなと思う時があるし、もっと続けていたらなーと思う時もある。
だから、吹奏楽を辞めたことへの後悔もある。
でも、後悔しないと人は成長できない。
吹奏楽部を辞めたことで、吹奏楽の楽しさを知れた。
吹奏楽部を辞めたことで、本気で悔しいと思った。
吹奏楽部を辞めたことで、我慢することの大切さを知れた。
今の私が存在するのは、吹奏楽部を辞めたおかげだ。
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