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朝焼けが夕焼けに見える時

東の空がしらいで行く時間の中に

ふと空が赤く染まる瞬間がある

錯覚に似た感覚に迷いながら

時間を確認しても

夕の時刻を針は刺している


西の空が美しいグラデーションで覆われて行く時間

急いで追いつきたいと車を飛ばす

でも、追いつけるはずもなく

間に合わない間抜けな自分に出会うだけ


山と空の狭間は

西に向いても

東に向いていても

地球の反対側に居ても

きっとあのグラデーションを

あの時間に見せに来るのだろう


私の気持ちを空に誘い

また次のめまいの中へ誘い

時間の錯覚と

方角の錯覚と

朝と夕の錯覚と

私がいる空間の錯覚を

優雅に微笑みながら誘うのだろう


鳥は自分の歌を謡い

朝を告げにやってくる

鳥はまた自分の歌を謡い

夕を告げてどこかに隠れる

朝焼けが空を覆う時間

息をひそめ鳥は目覚める

夕焼けが空を覆う時間

息を安めに鳥は家路に向かう


時計の針は同じ数字を指し示す時

指し示すものは未来を期待しているのだろう

言葉が未来を指し示すように



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