大気汚染改善と『復活の日』
東京湾に到着したイギリスの原子力潜水艦はドローンを飛ばし、東京の街並の映像を艦内のモニター画面に写し出す。画面には、おびただしい数の死骸が横たわっていた。日本の若き地震学者である吉住は、映像を見ながら目に涙をためる。
近くで、同じように映像を見たアメリカの軍人は言う。
「これで、東京のスモッグの公害もなくなるな」
イギリスの艦長は「余計なことをいうもんじゃない」とアメリカ人をいさめる。
これは映画『復活の日』の冒頭シーンです。
映画は1980年に公開され、海外でも『VIRUS』というタイトルで公開されました。ヴァイラス、つまりウイルスですね。
『復活の日』は人類滅亡を描いていますので、今回の新型コロナウイルスとは異なりますが、獰猛なウィルスによって世界各地でパニックが起きるなど、様々な点で示唆にとんだ映画です。
映画の中の出来事を羅列しましょう。
・「イタリア風邪」としてイタリア北部から感染が広がる。
・重度の肺炎で老若男女問わず、短期間で死に至る。
・ワクチンを求めて、世界の都市で民衆暴動が起きる。
・医師や看護師もバタバタと倒れ、医療崩壊する。
映画では、アメリカでの大地震、制御できない原爆の暴走なども描かれ、人類にとって救いのないシーンも多い・・・あまり書きすぎるとネタバレしますので、この辺にしておきましょう。
今回の新型コロナウイルス蔓延によって、世界各国の都市でロックダウンが発令されましたが、現実では映画とは異なる暴動が起きています。
・ケニアのナイロビで、配給食糧を求めて民衆が殺到
・ブラジルのサンパウロで「われわれは働きたい」と隔離措置への反対デモ
・各地の刑務所や移民収容施設で暴動勃発...etc
3密がダメ、といわれているのに、暴動で3密化してるんじゃない?と感じるのは20.315だけじゃないと思うんですが・・・。
いずれにしても、今回の世界各地のロックダウンにより、人間の生産活動がピタリと止まり、各地では空気や河川が清らかになっているのは、経済社会の発展という歴史においては、皮肉以外なにものでもないですね。
・北京や南京などの空気がきれいになった
・インド北部の空がきれいになり、ヒマラヤ山脈が見えるようになった
・イタリアの河川がきれいになった
こうした状況のニュースを見ると、あのアメリカ軍人のセリフが聞こえてきます。
「これで、東京のスモッグの公害もなくなるな」
4月初め、東京の新宿ピカデリー等で『復活の日』のリバイバル上映が決まっていましたが、今回の緊急事態宣言で延長されました。
動画サイトでは2020年4月13日現在、YouTube、AmazonPrime、U-NEXT等で見られます。
※写真冒頭はAFPBBから「インドの大気汚染」、中段はYahoo!映画から『復活の日』、後段はGigazineの記事から。
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