子供たちが夜中に鬼ごっこする街で起こるサスペンスジュブナイル サマー・オブ・84

「連続殺人鬼も誰かの隣人だ」
舞台は住人がほとんど顔見知りなオレゴン州の地方の新興住宅地、主人公はUMAや殺人鬼など陰謀論を信じる少年

1984年はロス五輪が開催され、インディ・ジョーンズ魔宮の伝説、グレムリン、ゴーストバスターズなどが公開され、サブカルが商業化した時代

「オレゴンから愛」というオレゴンの自然と人々に触れながら少年が成長していくアメリカ版北の国からと言われていたドラマが放送されていたのも1984年でした

まず驚くのは15歳くらいの少年たちが夜中に鬼ごっこしていて、たとえ人のうちの庭に入っても鬼ごっこしていたと言えば言い訳として許されてしまう安全神話。
「この辺の住人は鍵をかけない」

中二病全開(リアルに中2の年齢)の主人公が偶然行方不明の少年を隣の家の窓越しに見てしまったことから真実を突き止めようと親友3人と共に奔走する
否定されるほどどんどん意地になっていく。

陰謀論に引かれる人は自らそういう情報ばかりを集めてしまうし、そもそも陰謀論がはびこる時は世の中が不穏になっていく時。

「どんな家庭にも問題はある。人に言わないだけさ。」
人の秘密を暴いた時、それが人生を狂わせるような場合は暴かれた方の敵意は告発者に向かう。
犯人も恐ろしい敵意と執念で終わらない恐怖を与えることで少年を追い込む

映画はインターネットのない時代であり、少年たちは全て仲間内で行動するしか無かったが、今は疑問や疑惑を感じた時点でSNSで、しかも匿名で火種を投げ入れることが出来る

もし、人の隠していることに気づいてしまっても安易に暴いたりすることは自分に完全な安全圏はないという覚悟はもっておいた方が良いと肝に銘じたラストでした



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