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母のような母に、母とは違う女性に

母のことは好きだ。母として尊敬してる。

自分に似ている部分もあると思う。

でも「女性として」の視点で考えるとかなり違った方向になったなと思う。

私の母は、

短大卒で事務OLになり、2〜3年後に結婚。

私が小1の時に離婚し、中2で再婚するまでの間は小さな企業で正社員として働いてはいたものの、

実家に帰ることで家賃を払う必要も無し、職種もこれといった専門性の要らない、正直誰でも出来るような仕事をしていた。

今は介護士として働いてはいるものの、103万の壁は超えない程度にのんびり週2〜3で働いていて他の時間は韓国ドラマばかり見てる。

生活費や家にまつわるお金はほぼ全て父が出し、母は家事を毎日こなす。

ただ大雑把な母と違って細かいことが好きな父がいるおかげで掃除はロボット掃除機に任せているわ、料理も土日は父がやりたがるわで家事に至ってもかなり手を抜ける。

趣味は韓国ドラマ鑑賞と読書でお金のかかる趣味じゃないし、外出も半径2〜3駅までしか行かず、アクティブのアの字もない。

時々娘と遊んで、おばあちゃんの面倒を見て、父に誘われれば遠出する。


そんなこんなで私から見ると、離婚したところ以外は今のところかなりイージーな人生だな、と思う。

そりゃ離婚は辛いだろう。シングルマザーとしての苦労もあったと思う。

働いていた割には愛情をたくさん注いでくれたし、面倒見も良かった。

そりゃ叱られたこともあったけど、理不尽に不機嫌になられたり母の顔色を伺ったこともない。

当時やりたかったことのほとんどはやらせてもらっていたし、クリスマスも誕生日もかかさずプレゼントをくれて、今も良い距離を保ちながら気にかけてくれている。

母としては偉大で、もし子供が出来たらこんな母として育ててあげたいと思うくらい。


でも今でも平成初期あたりまでの価値観で止まってる母を見ると、金銭的自立とか社会的な仕事とか、そういうものに一切興味が無さそうだし、なんなら無くても生きていけちゃったんだと思う。

ズルい、と思う反面、それ毎日楽しいの??とも思ってしまう。


高校卒業あたりから自我がバンバン芽生えた私は、キャリアも欲しいわ結婚もしたいわ海外旅行も行きたいわと、欲と向上心にまみれてる。

母のような人生が悪いとは思わないけど、尊敬出来るのは「母として」の部分だけ。

1人の女性としてはあまりにも時代に合っていない気がして、反面教師な部分すらある。

そんな母との付き合い方は、“心地よい距離を保つこと”に限る。

母の意見を気にし過ぎない、
依存しない、
他の大人も見てみる。

そうやって生きてきたし、その私のやり方を尊重してくれた母がやはり、母として好きなところだ。


私が彼と同棲を始めるために実家を初めて出る時、母は手紙をくれた。

「あなたは時々ダメになる時がある。そんな時は頑張りすぎないで」

「でも、going my way! だよ!」

私のことをとてもよく分かっている人だと思った。

見守ってくれて、理解してくれて、助けを求めれば助けてくれる“良きお母さん”な母。

いつか子供が出来たら、母のような母になりたい。

そして女性としては、私の描く母とは違った女性になりたいと思う。






#母 #お母さん #家族 #エッセイ  

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