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何度も転職を繰り返してしまう人はそもそも転職とは何かを学ぶことをお勧めする(わたし)

 転職が席巻している。私は意外にも本を読むタイプで最近は転職を経験したからか、そして心底転職というものに飽きているというか、この世の中の変わらない仕組みに嫌気が指しているのか、転職関連の本を主に読んでいる。(もっと早く読んどけよと言う話ではある)
 そんな中で「これは真理だな」、と思うことが一つあったので、この場をお借りして少し執筆しようと思う。

 昨今は恐らく転職をする人が多く、且つその中でも比較的短期間で離職を繰り返してしまう人が一定数いるのではないかと推測する。採用側からすると、Recruiting Fee(紹介料)を払ったものの、すぐに辞められてしまう、離職者からすると、せっかく仕事に就けたのに辞めてしまうことになり、自身のキャリア的にもあまりいい影響はない、というこで両成敗というか、社会的には全くもってプラスになっていることはない。紹介会社の担当者の成績の一助となっているぐらいだろう。

 私個人もそのループの中に入っていることから全くもって他人事ではない。最近はこういった事例が多く存在するのか、転職が活況となる期間が一定期間経過したからか、少なからずデータに基づく分析ができるようになってきたらしい。そしてそれを元に体系化した分析がなされている本も数あるので、転職を考えてしまう人は一定読むに値する。自画自賛のようになってしまい、かなり恐縮ではあるが「AIが仕事を奪う」や「長期雇用の崩壊」など設計一般に流布されがちな描写が否定されていたりして面白い。なんでメディアはそう言ったこと、あまり言わないんだろうか。逆説的なことを言うと自らの首を絞めるからか。

 話が少し脱線したが、私が「真理」であると思った転職本の一言としては「転職は自分が合う職場を探すものではなく、自分が職場に合わせに行くことである」ということ。
 「おいおい、ヲマエが昔書いたマッチングの記事と矛盾してんぞ」という声が聞こえてきそうではあるが、この言葉に対する補足を2点させていただきたい。

 一つは、主にミドルシニアと言われる人達に向けた言葉であると思われるということ。いわゆる30後半で、ある程度「仕事」というものをやってこられて、且つ「組織」というものが常にどういう性質を持つものかを空気感から察知できる能力が備わっている方々への言葉である。
 正直、会社なんてものは一朝一夕に変えることはできない。そして貴方は転職を考えている。それは今の会社を離職しなければならない事情が、居続ける理由よりも大きくなっているということ。ただ、次の職場に入ってもそこは多くの場合というかほぼ100%、理想郷たりえない。だから自分は、そこに合わせに行く必要がある。40を超えると何度も転職を繰り返すことはリスクが大きく、できない。だから長く居続けなければ人生を壊す。それは幸せを壊すことに繋がってしまう。

 二つ目は、マッチングの観点を真っ向から否定しているわけではなく、「合わせに行くことができないほど辛ければ、それは離職しかない」ということ。自らが合わせに行く努力はもちろん必要だが、人間というものには性分というものがあり、貴方と全く違うものがその会社の性質であれば、自分を180度近く変えることになり、それは大きな苦痛、下手すれば破壊すら及ぼす。なので、無理に合わせることができないレベルであれば、辞めよう。「そんな会社選ぶなよ」と言われそうだが、正直会社なんてものは入ってから「え、そうなん?」という暗黙のルールのようなものはそれなりにあるものであり、それが根源的なアンマッチの要因になることはしばしばある。雇われる方が基本的には弱者なので「全てを開示してください」ということは言えず、且つ個人に纏わるものは会社側も全て開示できない(認識すらされていないこともある)。

 なんとなく、私が本当に思うのはこの二つ目の「合わせることができないレベルのおかしい会社」が世の中に多すぎる気がしている。会社としても「変えたい」と何かしら思っているにも関わらず偉い人は「変えたいんだよね」と口では言うものの他の誰かに変えてもらうのを待っている。しかし「他の誰か」何てものはいないに決まっている。長く働いて力があるものが、外からパッと来た人に変えてもらえるわけないだろうし、その状況に直面した場合、反発は必至だろう。
 そういうどうしようもない閉塞感が、この世の中の転職市場の根底に渦巻いている気がしてならない。

 いや、どうにも暗い気持ちにさせて申し訳ないが、今日も一日頑張りましょう。仕事を終わったら酒でも飲もう。

良い、転職学を。

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