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太陽に合わせて暮らす(1/8)_ひと月の電気代が500円だった話

01:生活の実験、電力消費

 なにも原始時代の生活に戻ろうというメッセージでもなければ、戦前・戦中の貧しい生活を工夫で耐え忍んできたといわれるライフスタイルを美化するつもりも無い。落とし所が見えてこないウクライナとロシアの紛争がエネルギーやリソース供給の不安定な情勢を長引かせるのを言い訳に物価を上げる良い機会と割り切ってインフレに走る日本経済に抗って、という訳でもない。

 ただ、独り暮らしを切っ掛けに、普段の生活の中で無自覚にスイッチを入れている電気器具を見直してみると、どれくらいの違いが生じるかを試す良い機会だと面白がって実験をしている。もちろん消費する電気が減れば家計にも地球環境にも良い、そして、それに共感する人がいれば、1が2になり2が4になる可能性も無くはない、その程度のモチベーションで自分にとって最小限の電力消費量がどれくらいのものか知りたいという気持があった。

 インターネットでちょっと調べると、一人暮らしの電気代の平均がいくら程度かという親切なレポートがどんどん出てくる。それらいくつかのサイトでの話を総合してみると、東京での一人暮らしで電気代は月5千円程度がアベレージになるらしい。

 今回、独り暮らしを始めるにあたり、まず多くの人が当たり前に使う家電のうち、自分の生活で使わなくて済みそうなものを持たない使わない、というルールを決めた。

 まず、テレビである。次に掃除機。そして、LDKと個室のシーリング(天井に付ける)照明器具、ヘアードライヤー、アイロン。エアコンは古いものが一台すでに付いていたが、おそらくスイッチは入れないつもり(真夏にどうなるかまだ分からないが)なのでコンセントを抜いてある。でも、それくらいだ。

 あとは、小型だが冷蔵庫も洗濯機(洗濯機はかなり迷った、手洗いで洗濯すれば良いくらいの気持ちはあったが、こう見えて皮膚が弱いのか冬場に手がすぐ荒れるものだから無理せず周囲の勧めに甘んじ小さな全自動のものを購入した)も、古い電子レンジもトースターも以前の家から持ってきた。そして洗浄便座は初めから新しいものが付いていた。給湯とコンロはガスである。

 結論から言うと、最初のひと月の電気代が400円台だった。ふた月目が500円台。この結果には自分でも少し驚いた。平均の1/10で済むではないか。これまで何に電気代を使っていたのだろう。そしてそれほど我慢しているわけでもないのに、である。

ーこのシリーズでは、ひとり暮らしで月500円の電気代、を実際にどうやっているのか、について少しづつまとめていきます。

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