自殺未遂からの気づき⑩(友人へ伝える編①)
自分は祖父が大好きだ
祖父は高齢で身体も良くなく
日に日に病状が悪化している
そんな祖父に会う度に
もう会えるのも最後かも知れないと
自分に会う度にそんな事をつぶやく
いつか祖父が自分にこんな事を言ってくれた
「やりたい事をやりなさい」
今でも頭から離れない
色々な意味が込められていると
自分は思っている
未だにその言葉の正解は判らない
その言葉の意味を常に考えている
その答えを言葉に出来る事を
胸を張って答えられる人間になりたい
*
次の日、母は帰った
新大阪駅まで送り新幹線を待つ間
駅ビルの蕎麦屋で昼食を取りながら
母に「もう安心していいんだよ」と
蕎麦を啜っているのか、涙を堪えて鼻を啜ってるのか判らなかった
父に対してもそうだったが素直にありがとうと言えない自分がいた
ただ頷くだけ、両親が来てからそんな行動が多かった
新幹線が着て母は乗り込んだ、座った席の窓越しから顔を合わせて
はにかんだ笑顔をした母に手を振って見送った
自分も同じ様な顔をしていたのだろう
また一人の時間がやってきた
引っ越しは一ヶ月後だが中々、行動出来ない自分がいた
一番に頭に浮かんでいたのが
知人にどう切り出したらいいか悩んでいた
表では特に病んでいる様子も見せていなかったので
自殺未遂をした事など知る由もない
中々言い出せない日々を過ごしていると
夜、携帯がなり電話に出ると開口一番に
「暇やろ?ウォーキングに行こうや!」と言われた
同じマンションに住む、歳は10近く離れている
兄貴みたいな感じの友達から誘いがあった
破天荒な友人で歳は違えど、馬が合ってよく遊んでいた
好奇心が強く、興味があると感じたら手を出しそのたびに付き合わされる
一時期なかなか振り向いてくれない、口説いていた女の子の事を
もっと知りたいと、その子の出身地を見に行こうと
朝方、車で京都の外れの田舎町まで連れていかれた事がある
○○町と言う事は知っていたらしく
口説いている時の会話を頼りに
小学校まで突き止めていた
はっきり言って気持ち悪いw
特に何をする訳でも無かったが
その子の地元の写真をバシャバシャ撮り
ストーカー行為の片棒を差負わされた
肩に刺青が入っている髭モジャのおっさんがニヤケながら
写真を撮っている姿を見ながら
ただ純粋にその子に笑って欲しかったのだと
自分そうは思っている、きっとそうに違いない、きっと、、、
そんな友達と急遽ウォーキングに行く事になった。
丁度いい機会だと思い
少し緊張気味に家を出た
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?