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2023/7/27ふむふむ体験型ワークショップ/講演~大阪府立学校人権教育研究会   夏季セミナー ケーススタディ部会~

みなさん、こんにちは。
"ちがい"をたのしむ「ふむふむ」ですヾ(≧▽≦)ノ

大阪府立学校人権教育研究会主催の夏季セミナー(7月26日・27日)にて
げんのすけによる体験型ワークショップ(WS)および講演をさせていただきました!
大阪府立学校人権教育研究会HPはこちら


2023年の上記夏季セミナーのテーマは、
今ここにある”多様性”との対話
~「みんな違って、みんないい」ってなんだろう~
 です。
たくさん設けられたプログラムのうち、2日めのケーススタディ部会にお招きいただきました。

約180分間ものたっぷりの時間で、先生方と一緒に考え、そしてげんのすけが今お伝えできることを精一杯お話させていただきました!


ご参加いただいた先生方、お疲れ様でした。
何かひとつでも各学校に持ち帰って、よりよい学校生活のためにお役立ていただけると幸いです^^


それでは、さっそく今回のラインナップです!

これから体験型WSや講演の実施をご検討のみなさまに、本記事が参考になれば幸いです!


今回のテーマは
「”ちがい”を知ろう
~感じて、知るLGBTQIA+と差別~」

「差別」と聞くと、みなさんは何を思い浮かべますか?
「してはいけないもの!」と真っ先に思われたかもしれません。

そもそも「差別」とは何でしょうか?
改めてこう聞かれると、言葉に詰まるかもしれません。

「差別」の定義は人によってさまざまです。
「それは差別だ」という人がいれば、「いや、これは区別だ」という人もいます。
かと思いきや、「全く気がつかなかった」とか「(自分は)気にならない」という人もいます。
どのような立場で「差別」と向き合うかによって答えは変わってきます。
だから、難しい…。

ただし、難しいからといって放っておいてよいのでしょうか?
目を背けてよいのでしょうか?

結論からいうと、「差別」に対してあなたがどのような態度をとるかは、あなた自身で決めることができます
ふむふむでは『一人ひとりがしっかりと考える』姿勢を持ってほしいと考えています。
根本的な解決をすることや、アクションを起こすことはなかなか難しいかもしれません。
ただ、『考える』ことはできます。
まずは身近なことからで構いません。
少しの時間でも構いません。
『しっかり考える』こと。
それができれば、次は誰かと考えをシェアしたり、解決に向けて相談したり、実際にアクションを起こしたり…という『行動』につなげられるかもしれません。

今回はご参加いただいている先生方に、会の冒頭であえて「差別とは何だと思いますか?」「先生方は、生徒にどのように伝えますか(伝えて来られましたか)?」という問いかけをしてから体験型WS/講演を実施しました!


”ちがい”を感じる体験型ワークショップ(WS)

冒頭での問いかけの後、体験型WS(ロールプレイ)を実施しました。

ふむふむが実施する体験型WSの目的は以下のとおりです。
・実際に差別をされる体験をする
 →差別を受けてどのような気持ちになったか
・差別されている現場に居合わせる体験をする
 →差別を間近で見てどのような気持ちになったか
  差別を間近で見てどのような判断ができたか/できなかったか
  差別を受けている人に対して何ができたか/できなかったか
※差別を生み出さないために「多様性を認める」とはどういうことかを考える

具体的な実施方法の概要は以下のとおりです。
・絵画教室に通う生徒である参加者(先生方)に、自由に絵を描いてもらう
・参加者に「A」または「B」のカードを配付する
 ※「A」または「B」は生まれながらの「特性」であり、変更ができない
・絵画教室の先生である講師(げんのすけ)が描かれた絵を見て批評をする
 ※その際、絵を描いた参加者(先生方)が「A」または「B」であることを理由に不当な評価をくだされることもある

参加者(先生方)は、ほんのひと時ですが、仕事を忘れて楽しそうに絵を描いてくださいました!
ところが…
絵画教室の先生(げんのすけ)は、参加者(先生方)が一生懸命に描いた絵を褒めてはくれるけれど、なぜが「A」または「B」という本人にはどうすることもできない「特性」によって絵の評価を容赦なく下げてきます。
不当に低い評価をつけられてしまう人、その状況を目の当たりにしている人、…会場はなんだか不穏な空気に包まれていきます…

体験型WS(ロールプレイ)終了後、参加者(先生方)どうしで感想をシェアしていただきました。
その一部を紹介します。(簡潔な文に変更しております)
・男女差別に似ていると思った
・違和感があった
・カテゴリーありきで評価に制限がかかっているのが気になった
・実生活の中でも似たようなことはあると感じた
・沈黙があり、空気が重たかったので何も発言できなかった

簡単なロールプレイでしたが、実際に「差別」を体験することで何かを感じ、そして考えるきっかけになってくれたのではないかと思います。


”ちがい”を知る講演

①LGBTQIA+とは?

ここで「LGBTQIA+」の用語解説をしました。
ただし、誰が・どのような目的(立場)で用語の説明をしているのか、また国や時代によってもその意味やニュアンスが変化する可能性があるという事例も併せて紹介しました。
さらに、性自認・性的指向・性表現はとても多様なため、用語を覚えることそのものはあまり重要ではなく、むしろ「決めつけ」が危険であることもお伝えしました。

たいせつなポイント
1.LGBTQIA+はあくまで単語
2.何がたいせつかは一人ひとりちがう
3.自分のジェンダーやセクシャリティは自分で決める


事例検討
~学校生活における悩みや不安と対応~

ここからは、当事者が学校生活において抱えるであろう悩みや不安にはどのようなものがあるのか、また学校としてどのような対応が可能かをグループに分かれて具体的に検討してもらいました。

ただし、今回はげんのすけの当事者性から「生徒がトランスジェンダーである」場合を想定したディスカッションとさせていただきました。

たくさんのご意見が出ましたが、主な課題として
・トイレについて
・更衣について
・宿泊を伴う学校行事について
が話題になりました。

学校の対応については、当事者個人の事情や学校の状況にもよりますので、決まった答えがあるわけではありません。
ただ、注目すべきは、どの先生方も「当事者や保護者とよく話し合って対応を決めていく」とおっしゃってくださったことです。

さすがにもう「学校のルールだから…」と話を聞かない先生はいないと思いますが、今回ご参加いただいたすべての先生が「当事者の声に耳を傾ける」姿勢を持っていらっしゃることがわかってよかったです。

その後、事前に当事者の方々にご協力いただいたアンケート結果を用いて当事者のリアルな想いをご紹介しました。

アンケート結果の内容は、当事者の方が学校生活においてどのような場面で何を感じ、何に困り感を持ち、どうして欲しいと思っているのかをまとめたものです。
アンケート結果をとても熱心に読んでおられる姿が印象的でした。


”ちがい”を知る講演

②カミングアウトについて考える

学校生活における当事者の悩みや不安とその対応について先生方に考えてもらいましたが、これらは当事者が「カミングアウト」していることを前提としています。
つまり、学校側が「この生徒は当事者である」と認識したうえで話を聞いたり、可能な対応を考えたりすることができるというものです。

しかし、当事者の方々にとってカミングアウトはとてもハードルが高いものです。

そこで、カミングアウトすることが当事者にとってどれほどハードルが高いことであるか、事例を挙げながら説明した後に次のような提案をしました。

”「カミングアウトすれば安心できる学校生活」ではなく、
「カミングアウトしなくても安心できる学校生活」を送れるように、各学校でできる対策をぜひ行っていただきたい”

学校によってできること、できないことがあるとは思いますが、まずは「何ができるか」を考えて欲しい、と提案して講演の結びとさせていただきました。



いかがでしたか?
今回はたっぷりのお時間をいただけたので、先生方と一緒に考えたり、意見や感想をシェアしたり、発表したりする時間を長めに設定でき、とても充実した研修内容となりました!

各学校における研修では、設定時間に合わせてもう少しショートバージョンになると思いますが、臨機応変に対応しますので、研修をお考えの場合はお気軽にご相談ください^^


今後もふむふむの活動をとおして、人権学習を身近に感じてもらい、ひとりでも多くの方が自ら考える力を身につけ、すべての方が安心して生活できる社会をめざしていきたいと思います。


困ったことや、周りには言えない悩みがあったり、自分なりに考えたことを伝えたくなったりしたら、いつでもご連絡ください。
ふむふむはみんなからの連絡を待っています^^

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