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技術が発達するとどんどん面白くなる。

読み手の反応を得ようとする書き方をするとなんか読みにくいなって気がしたので自分本位の書き方で今日は進めようかな。
伝わるようにはしてるつもりです。

前回のnoteを読んで面白いな、とか見に行ってみたいな とちょっとでも思ってくれた人向けの続編。


ただの考察まとめなので興味のある人しか面白くないと思う。

モネの絵から視点の捉え方による絵画の表現の違いとジャポニスムの影響、また、キュビスムについて。

モネの絵を遠くから見るとくっきり写実的にみえる。

これは絵の具をほぼ原色のまま重ねて使っていて隣り合う色の重なり方で色の違いを作り出すという色彩分割という技法が使われているから。絵の具は混ぜれば混ぜるほど暗くなっていく。それを避けるためにこの技法が使われた。

この時期、絵の具がチューブ式になって絵画の色付けが外でできるようになった。それまでは外の風景の絵であろうと室内で色付けがされていた。
室内で描いてそれを見ていたのが外に変わったことで、その見方も室内でみる範囲とは変わってきた。より遠くからその絵をみれるようになった。画家たちは外で描いた絵を外で遠くからその出来を確認していたのかもしれない。

もしかしたら、その作品は外にあることで価値がある作品だったのかもしれない。

もうひとつモネの絵をみて気づいたことがあった。
それは彼の晩年の作品。
彼の好きな植物の絵が中心に描かれている。しかしキャンパスのまわりは塗りのない白のまま。
彼は歳をとってから白内障になってしまったらしい。白内障になると視野が狭まってしまう。まわりがぐるっと白く見えてしまう。
私はこの作品を見たとき、彼が白内障になってしまったからキャンパスのまわりが見えなくなって白のままになってしまったのだなと思った。

しかし、よく考えるとそんなわけがない。彼は若い頃から絵画をずっと描いていてキャンパスの大きさを理解していない訳がない。絵を描くときに構成を考えていない訳がない。彼が自分の意思でキャンパスのまわりには描かずに中心にのみ絵を描いたと考える方が自然だ。

そこでようやく気付いた。(なぜもっとはやく気づかなかったのか。)

モネはまわりに存在する対象の物を絵に描いているわけではない。彼が見た光景、もっと言うと彼の脳で認識した光景をキャンパスに表現していた。

それに気づいたら、絵をみるときに彼の眼で見たものを追体験しているかのような感覚になる。

モネは同じ構図の絵を複数描いている。それはひとつひとつ色が違ったりしている。時間の経過や季節の移り変わりがその絵に映る。彼がそこにいた時間が存在していたという証明のような気もする。

それまでは写実主義の時代で、その対象をそのまま絵画に落とし込む、他の人がおなじ対象を描くときに到達する地点は限りなく等しい。
印象派はそれにブレを与えた。

なぜそれまでと違うものを生み出すことができたのか。

それはジャポニスムが影響されている。
それまでの視点はひとつだった。その視点に疑問を与えたのだ。ジャポニスムは優れていたから当時欧州で持て囃されたわけではない。違ったから持て囃された。わけのわからない物の捉え方の表現だったので表現者はその理屈を考えた。ほとんど哲学のそれと同じだった。

(日本の物の捉え方については、チームラボの猪子寿之氏が数年前にTEDに登壇したときの物を見てこれまた衝撃を受けたので紹介しておく。YouTubeにあります。しゃべり方がものすごく下手くそなんだけど内容はめちゃくちゃ面白いので暇があれば絶対みてください。これ以降はそれ見たらわかる話です。)

日本の視点は点ではなく面であり、見る側がその世界に入り込むことができる。

その視点の違いの発見は欧州の表現者たちに多大な影響を及ぼす。

ピカソが表現した方法でキュビスムという方法がある。
いわゆるキューブに対象を落とし込む表現だが、その表現が発達すると、絵画に落とし込む対象に近づいたり、離れたり、裏返したり、光を当ててみたり、その物体に対するアプローチをそれぞれキューブにしてそれを再構築したものを作品のかたちにしている。これはひとつの平面作品ではあるがひとつの作品の中に動画のような時間や動きが存在する。これは対象の切り取り、それを編集する作業があるので、同じ対象の物を描いたとしても誰1人としておなじものを描くことがない。とても主観の強い表現方法である。
ただ理解するには高度なこともあって共感者が少なく、多くの人の主観をその方法で知ることができなかったのは少しかなしい。

わたしはこの人がどういうことを考えてるのかな〜って相手に対して思うことが多くて、絵画などの表現物に対してもその人がどう思って絵を描いたのかなってことが伝わるのがすきなのかな。
展示物の説明書きも、生い立ちとか年代とかどの人と仲良かったのかが気になるタイプ。

#コラム #考察 #モネ #ジャポニスム #キュビスム

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