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「避妊しなければならない」



「避妊しなければならない」

先日、主治医に子どもが欲しいという想いを伝えた。

夫婦の子どもが欲しい、というのは私たちの共通の想いだ。
なお、私は学生時代から特別養子縁組も視野に入れていたのだが、健康な夫婦が優先のようで、妻である私がうつ病を抱える現在、まず無理だろう。
よって、子どもが欲しいなら、自分で産む必要があるだろうと思った。
また、何歳になっても産めるというわけではないので、ある程度急ぐ必要もあると感じている。

結婚を伝えた頃に、今は避妊してくださいね、とさらっと言われたのは覚えていた。
だから、避妊したほうがいいとおっしゃっていたことは覚えてます、どうすれば妊活ができますか、というようなことを聞いた。

そのときに、まず言われたのが、「避妊したほうがいい」じゃなくて、「避妊しなければならない」と伝えたつもりだったんだけど、ということだった。

「避妊しなければならない」
この言葉は私に重くのしかかった。

妊婦に与えられない薬を服用しているから、という理由を説明された。
妊活を始める時期を教えてくれれば、それに向けて減薬・断薬できると言われた。

頭では理解できる。
でも、妊娠を希望する私にとって、避妊を強要されるのは、私の存在や想いを尊重されていない気がしてしまう。
そもそも100%の避妊法はないのだから、妊活開始時期に関わらず、その薬はやめたいと思ったが、言えなかった。

「したい」と「できる」は違う

主治医からは、「したい」と「できる」は違うとも言われた。
子育てについて言えば、「子どもを365日ケアできること」が「できる」状態だと。
必ずしも私でなくても、親や夫でもよいとは言われた。

幸い、夫は健康で育休も取りたいと言っている。
また、今の住まいも実家も都内なので、両親に来てもらうことも、難しくはないだろう。

それでも、「子どもを365日ケアできる」状態はかなりハードルが高い。

妊娠時に健康であった人でも、妊娠中や産後にうつ病になる人は多いらしい。特に「産後うつ」はよく聞く。
元々うつ病の私は、妊娠・出産でうつが悪化する可能性もあるだろう。
男親の産後うつもあるらしい。
両親は現在は健康だが病気になるかもしれない。祖父母の介護も迫ってきている。
家族以外の育児サービスを考えても、保育園は生後すぐに入園できるものではないし、行政の育児支援サービスも休日は受けられない場合が多い。

「子どもを365日ケアできる」状態で、(乳幼児期の)子育てをしている家庭のほうが珍しいのではないか。
そんなの無理じゃない…?と途方に暮れてしまった。

「それ知りたいの?」

最近うつ病や双極性障害の本を読むようになり、そこで「抗うつ薬」、「気分安定薬」といった薬の分類を知った。

私は薬局から渡される、薬の効用や副作用に関する簡単な説明書は読んでいた。
しかし、その説明書には薬の分類は載っていなかった。

そこで、薬の分類を知りたいという旨も、同じ日の診察で主治医に伝えてみた。

反応はというと、「それ知りたいの?」だった。
知りたいから話したんだけどな、と戸惑いながら、患者は知らなくてもいいということですか?と聞いた。
知らなくていいと思うけどね。ただの分類だし。でも知りたいなら教えるけど。と言われた。

知りたいですと言ったので、いま服用している薬の分類を知ることはできたが、もやもやした。ただの分類に過ぎないという意見も分からなくはないが、高圧的な言い方だと思った。

涙、涙、涙

診察室から出た直後、ぼろぼろと涙がこぼれてきた。

きっと主治医の前では気を張っていたのだろう。
緊張が解けたら、主治医から受けた威圧感、主治医への恐怖、妊娠・出産・子育てへの不安などで頭がいっぱいになり、気づいたら涙が止まらなくなってしまった。

病院から帰る電車の中で、泣きながら、夫にLINEでメッセージを送信した。
主治医に「避妊しなければならない」と言われたこと。
「したい」と「できる」は違う、子育てが「できる」のは「子どもを365日ケアできる」状態だと言われたこと。
薬の分類を聞いたら、「それ知りたいの?」と言われたこと。
威圧感、恐怖、不安などで涙が出ること。

夫とLINEをしていたら、だんだん涙はおさまってきたが、苦しい気持ちは続いていた。

帰宅後、夫を見たら、大泣きしてしまった。

転院したい

主治医とは、適応障害の診断時からうつ病の現在まで、約3年の付き合い。
なお、双極性障害の診断は出ていないが、躁傾向もあると言われている。

権威的な態度や言動は以前から感じていた。もやもやしたことは何度もあるし、主治医が怖くて泣いたことも何度かある。
でも、権威的なのは必ずしも悪いことではない。
心身の不調を感じつつも、なんとか仕事を続けたいと思っていた私に、休職の診断書を出し、ドクターストップで休職開始となったことは、今となっては良かったと思っている。
診断や薬の処方が、明らかにおかしいということもない気がする。

何より約3年間私の状態を診てきた主治医である。約3年分のカルテや処方薬の情報は貴重だ。その他にも、カルテには残していない診察時の記憶や、私の性格に関する理解も、少しはあるだろう。

それでも、妊活・妊娠・出産・子育てという大きなイベントを、この主治医と共に乗り越えることは難しい、威圧感に怯えながら診察に通うことはもう嫌だ、絶対に転院したいと思った。

その診察日以降、私は転院先の候補や転院方法を調べるようになった。転院には基本的に紹介状が必要だと分かった。
しかし、私の主治医に転院のための紹介状を頼んだが、出してもらえなかった、という口コミを発見した。診察でどのようなやりとりがなされたのかわからないが、紹介状がその日に出されなかったことは事実なのだろう。

私は今、主治医への恐怖のため、病院に通えなくなっている。病院と薬局には家族に代理で行ってもらっている状況だ。
私が診察に行かずに、主治医から転院のための紹介状をもらうことは果たしてできるのだろうか。
まだ転院先も決まっていない。人気の病院は新しい患者の受け入れをストップしていたり、予約できても何か月も待ったりする必要があるからだ。

色々と不安は大きいが、それでも、絶対に転院したい。

いまの気持ち

避妊しなければならない、避妊しなければならない…

子どもが欲しいという希望。そしてそれを伝えた時の、「避妊しなければならない」という強い言葉。もう主治医のもとに通いたくないが、転院先は見つかるのか。戸惑い、苦しみ、恐怖、不安、、私が感じている様々な感情を絵にしてみた。
普段そんなに絵は描かないのだが、夫がペンタブを買ったというので、試しに借りて遊んでいたら、いまの気持ちを描きたくなった。
お世辞にも上手いとは言えないと思うが、私のいまの気持ちは、よく表現できた気がする。

長文を読んでくださった方、ありがとうございます。
また書くと思います。
お絵描き楽しかったから、絵もまた描こうかな。






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