私はおばあちゃんとよく電話する。
今日は気づいたら約３時間(！)喋っていた。

写真は、おばあちゃんが私の結婚祝いにプレゼントしてくれた、印伝のお財布。

おばあちゃんは、私と同じでなにわ男子の大西流星くん推し🧡
私がなにわ男子について話す前から、テレビで見て認識していて、可愛くて賢い子と思っていたみたい。
りゅちぇ主演の深夜ドラマ「紅さすライフ」は、私が教えたらほぼ毎週リアタイしていた。

ちなみにお母さんは今は大ちゃん推し❤
今年のなにわ男子のライブ、POPMALLが当たって初ライブのときも、お母さんと二人で参戦した。
「今は」というのは、大橋くん💚みっちー🩷大ちゃん❤で揺れてるから。

おばあちゃんとの電話の内容は色々。
今日は、なにわ男子、紅白歌合戦、おばあちゃんの若い頃、おばあちゃんのお友だち、黒柳徹子とトットちゃん、とか他にも色々話した気がする。

おばあちゃんはもう80代半ばだけれど、いつまでも可愛げがあって、お友だちもたくさんいて、とても魅力的な人だと思う。

そんなおばあちゃんがいるから、私は歳をとるのは怖くない。むしろ楽しみ！と思っている。

おばあちゃんは、関西のとても古風な家で育った。
本家とか分家とかいう考え方が残っていて、男尊女卑で女の子はどんなに成績が良くても大学には行かせてもらえなくて、女の子は仕事を持ってはいけなくて、自由恋愛もだめで結婚は縁談で決まる。
身の回りのことは、住み込みの女中さんがお世話する。
呉服屋さんが家まで来て反物を並べて、それで季節ごとに着物をあつらえた、なんて話も聞いたことがある。

谷崎潤一郎の「細雪」の世界を地で生きていた、そんな風におばあちゃんは当時を振り返っていた。
関西では、末のお嬢さんのことを「こいさん」と呼ぶらしい。
「細雪」でもこの呼び方が出てくるが、おばあちゃんも実際に「こいさん」と呼ばれていたそうだ。
私も数年前に「細雪」を読んで、なるほどこの感じか、と腑に落ちた。

友人関係は、家族や親戚、ご近所さんにまで監視されていたという。
中学生のときの話かな、バスで小学校の同級生の男の子と久しぶりに会って話していたら、それを見ていたご近所さんに、おたくのこいさんが男の子と話してた、なんて告げ口されて、お母さんに叱られたらしい。

女の子の友達とだって自由に遊べるわけじゃない。
最近あの子うちに遊びに来ないなーと思っていたら、「縁談に差し障りがあるかもしれないから」という理由で、お母さんがその子に遊ばないように言いつけていた、なんてこともあったそうだ。
当時は知らなくて、なぜか私からは友達が離れていくなと思っていたそうだ。お母さんが裏で動いていたことは、結婚後に知ったらしい。

そんな窮屈な家だったから、おばあちゃんには学生時代の友達はいない。少なくとも付き合いが続いている友達はゼロ。
おばあちゃんの友達はみんな、おばあちゃんがおじいちゃんと結婚して、転勤で東京に来てからのお友だちだ。

東京に来て、常に目を光らせている、家族親戚ご近所さんは身近にいなくなって、おばあちゃんは自由になった。
金銭感覚があまりにも乏しくて、当時サラリーマンだったおじいちゃんの、月給の倍以上もするスカートを買ったなんて逸話もある。
その一件から、家のお財布はおじいちゃんが握るようになったそうだ。

とにかく、結婚して東京に出てから、おばあちゃんの生活は一変した。
「こいさん」とご近所中から可愛がられ、身の回りのお世話は女中さんがしてくれる、とても贅沢な、でもとっても窮屈な生活。
それが、主婦として家事全般を担い、子育てをし、PTAもやり、友達に誘われた習い事もする、忙しいけれど自由のある生活に変わったのだ。

化石のような家から飛び出してきてくれて、本当によかった、と私の母(おばあちゃんにとっては実の娘)が言ったこともあるらしい。

おばあちゃんは関西人の心を捨てたわけではない。今でも関西弁が残っているし、なにわ男子が好きなのも関西への愛着があるからなのかもしれない。
でも今日の電話では、東京は住みやすい、色んな人がいるから、と言っていた。

おばあちゃんは、中々癖のある、一筋縄ではいかない人だと思う。それが魅力でもある。
よくしゃべるし、楽しい話題が大好きだけれど、本心は身内にだって明かさない。

おばあちゃんには長生きしてほしい。
切実に。
でも、年齢を考れば、別れはそう遠くない将来訪れるのだろう。

私はまだ身近な人を亡くしたことがない。
老いは怖くないけれど、死はとても怖い。

おばあちゃんが死ぬまでに、せめてたくさんの思い出を作りたい。
それがおばあちゃん孝行にもなる気がする。