一生分
同居している認知症の義母が誕生日を迎え、義母のお友達が、お祝いのメールを送ってくださった。
義母は、なかなか言葉が出てこなかったり、言いたいことと違う言葉が出たりするけれど、電話しても構わないか、と尋ねた。
すると、義母よりも若いそのお友達は、「私も言いたい言葉が出てこなくて焦るばかり。おかあさんも私も、弾丸トークするタイプなので、もう一生分を喋り終えたのかもしれないね。」と返答された。
私は、胸のつっかえがストンと落ちた気がした。
お喋りだった義母が喋らなくなって、とても気の毒に思っていたけれど、な~んだ、もう既に一生分を喋り終えているのか。
そう思うと楽になった。
なんでも考え方次第。
過去に執着して、拘り続けても仕方がない。
あれもこれもできなくなった、のではない。
あれもこれもやり尽くした義母と、これからも穏やかな時を過ごそうと思う。
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