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心は熱く、頭は冷静に。名物プロデューサーの胸の内 『何のために生きるのか?』 #627

「Nizi Project」の人気で、にわかに注目を集めたJ.Y. Parkこと、パク・ジニョンさん。韓国三大芸能事務所のひとつである「JYPエンターテインメント」の創業者で、歌手として、ダンサーとして、プロデューサーとしても活躍してきた方です。

プロジェクトメンバーにかけられる言葉の数々がどれも心に響くもので、あれが見たくて番組を追いかけた、という方もいるかもしれませんね。

そのパク・ジニョンは、いかにしてJ.Y. Parkとなったのか。

生い立ちと、これまでの活動を振り返り、どんなことを考えていたのか、その核を綴ったエッセイ『何のために生きるのか?』が発売されました。

ちょっと意外だったのは、語録ではないということ。内容に賛否両論あるかもしれませんが、生きる糧となる「知ること」について考えるには、ぴったりの本だと思います。明日4月1日の新年度から、新しい世界へ飛び出そうとしている人には励みになるかもしれない。そう思って書くことにしました。

1971年、ソウルで生まれたパク・ジニョンさんは、延世大学在学中に歌手としてデビューし、「学生アーティスト」として売り出されることに。中学時代は悪ガキで、やんちゃもたくさんしたのだそう。

いまでこそ、「NiziU」や「TWICE」の名プロデューサーとして知られていますが、最初に手がけ、成功させたアーティストはRAIN(ピ)でした。BTSを生み出したプロデューサー・パン・シヒョクとの付き合いについても触れています。

ピとは、契約終了後に仲違いが噂されたりしていましたが、今年になってコラボ楽曲を発表。韓国のバラエティトーク番組にそろって出演し、ピがJYPのダメ出しにガチ切れした話を披露しています。

「知ってるお兄さん」2021年1月2日放送編https://www.netflix.com/title/80176842

若くして売れっ子になったものの、挫折し、40歳で離婚。ドン底の中で生きる意味を問い直すきっかけになったのが聖書だったのだそう。でもキリスト教の教えを妄信的に飲み込むだけではなく、聖書を土台に生活を見つめ直し、組み立て直した経緯が綴られています。

「Nizi Project」で披露されたような、思いのこもったメッセージを期待して読むと、ちょっとびっくりするかもしれません。

でも、時短で手っ取り早くまとめでササッと仕入れられる知識なんて、たかがしれています。発言の土台を知ることの方が、はるかに有益。すぐには使えないかもしれないけれど、自分の中で発酵させた言葉こそ、ホンモノになるから。そんな内省の時間のお供に読んでみて欲しい本です。

ハートから始めてハートで完成させる人は、大ヒットを飛ばせるかもしれないが、長続きは難しい。
頭から始めて頭で完成させる人は、長続きするかもしれないが、大ヒットは難しい。
ハートから始めて頭で完成させよ。

ひとりの仕事人として、リーダーとして、人間として、心は熱く、頭は冷静に生きる、名物プロデューサーの胸の内。さて、わたしも内省の時間を持つとしよう。







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