ヒット商品は因数分解できる 『それ、なんで流行ってるの?』 #129
2019年の「新語・流行語大賞」にノミネートされた言葉の中には、ラグビー関連の用語が多くありました。
「にわかファン」や「ONE TEAM(ワンチーム)」、「ジャッカル」、「4年に一度じゃない。一生に一度だ。」など。
ラグビーワールドカップがなければ、「ジャッカル」なんて言葉、一生知らないままだったでしょうね。サバンナにいる動物のことかと思ってましたもん。
(画像はWikipediaから)
実際に、ボールを奪う姿とジャッカル(Jackal)が獲物を捉える様子とが似ていることから、この名称で呼ばれているのだそう。
ちなみに、『ライオン・キング』でシンバをいじめるスカーに従っていたのはハイエナです。
間違えてたよ…。笑
本題に戻って、本の話です。昨日まではテレビ局における編成・番組作りにマーケティングはどう使われているのか、という本を紹介しました。
濱谷晃一さんの『テレ東的、一点突破の発想術』では、とにかく「ないないづくし」の局事情を踏まえて、アイディアを出す方法を。
岩崎達也さんの『日本テレビの「1秒戦略」』では、敵を徹底的に解剖し、分析した戦略が。
視聴料が「無料」という建前の民放は、視聴者に番組を見てもらわなければ、クライアントから預かっているCMを届けることができない。テレビ局という立場から見た現状への「危機感」は、相当なものであったことが感じられます。
一方、CMを作る側の広告業界はどうか。
博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーの原田曜平さんは、「違和感を抱いていた」そうで、過激で扇情的な表現に寄っていくネットの広告や動画広告、そしてウェブ記事に「表面上の表現より、消費者心理を知れ!」と警鐘を鳴らしています。それが、『それ、なんで流行ってるの? 隠れたニーズを見つけるインサイト思考』です。
「インスタ映え」や「カープ女子」はなぜここまで流行ったのか。絶対的NGの組み合わせでしかない『うんこ漢字ドリル』は?
こうしたヒット商品に共通する、たったひとつの法則が「消費者インサイトをみつける」ことです。
売り手側・発信側の「売りたいもの・伝えたいこと」と、世間の「欲しいもの・気になっていたこと」が一致していないと、広がるわけないですもんね。
では、インサイトをみつけるにはどうすればいいのか?
クリエイティブ・ブリーフの作り方、インサイトを引き出すインタビューの方法など、実践的な話も多いので、マーケティング一年生向きの本かなと思います。
「ヒットしたモノはすべて因数分解できる」
ヒットしている因数分解すると、間違いなくそこには優れた強いインサイトが隠されています。
因数分解を何度も繰り返し、習慣化することで、成功因子を自分の仕事に生かせるようになる。
結局は、何度も自分でやってみることなんですよね。表面をマネしてもインサイトは見つからないのです。
その課程で得た「考える筋肉」こそ、自分の宝になるのかなと思います。
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