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思春期とダイエットと摂食障害 【1】

※このブログの内容は本人の許可を得ています。

(1)摂食障害のAちゃん

ただ毎日のガールズトークだけが生きがいで学校に通っていた高校時代。

その頃私は、自分とは全く対照的な社交的で明るいハーフのAちゃんと仲良しだった。

彼女はもう2年も生理が止まっていて、医師から処方された鉄剤を飲んでいるという。

高校生の女子は「恋バナ」や「おしゃれ」「アイドル」なんかについては誰よりも興味を持ち、話題に花を咲かせるのものだけど、

「自分や友達の身体のこと」についてはイマイチ真剣に考える様子もない。

友達の誰かが「生理が止まっている」と言っても、彼氏がいない子であれば、

「ふう~ん。そうなの? 大丈夫!そのうち来るよ。」

………以上。終わり。

これが、ある程度の年齢のおばちゃんになるとそうはいかない。

「生理が止まっているの…」

「えっ!大変、もう閉経⁇ 更年期ね、辛くないの? 私もね、サプリメント飲み始めたのよ。試してみる?あんまり辛いようだったらクリニック紹介するよ。」

となる。

若いということは、何事においても

「根拠の無い大丈夫」

という楽天的思考になるようだ。

私も、そのハーフのAちゃんが摂食障害だなんて、疑ったことなどなかった。

そもそも、その頃の私は「摂食障害」という言葉を知っていたか定かではない。

ともするとふさぎがちになる私を、Aちゃんはいつも現実の世界に引っ張り上げてくれた。

村上春樹の小説「ダンス ダンス ダンス」の中に

「ダンス ダンス ダンス 。うまく踊るんだ」というくだりがあるけれど、

Aちゃんは私に

「(考えすぎると動けなくなるよ。ほら)ダンス ダンス ダンス。(現実の世界で一緒に)うまく踊ろうよ」

と言ってくれているようだった。

彼女のおかげで暗い私は友達も増えた。

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