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#12|キッチンをフルリノベ!造作キッチンつくる 【空き家再生】

こんにちは、365 WORKSのフジイです。

福岡・田川の空き家を賃貸物件にリノベーションするシリーズ。
以前の記事にて完成した全貌を大まかに紹介しました。

セルフビルドで制作したリノベーションの工程を、
今回からは作業内容別になるべく詳しく紹介していきます。

▼まとめの記事はこちら

今回は「古いキッチンをDIYでオリジナル造作キッチン」に変えた詳細をまとめます。

この記事では、デザインから素材の選別、制作過程まで
順序立てて詳細に説明します。

オリジナル造作キッチンをつくる理由

解体直後のキッチン

数年空き家として放置されていた、築34年のこの物件。

一度もリフォーム、リノベーションされることなく使われてきたので、キッチンはひどく痛んでいました。

初めから交換が必要なのは一目瞭然。

しかし「キッチンを交換する」ということは、安くても50万円から、物によっては100万円以上することもザラにあります。

投資物件として考えたとき、なかなか予算に響く項目です。

そこでコストのかかる既製品を使わず、材料やデザインを工夫してなるべくコストを抑えた造作キッチンをつくることが、今回のミッションでした。

オリジナル造作キッチンをデザインする

参考にしたのは、
こちらのような合板でラフなキッチン。

https://pin.it/3gXbedE

「新しく作りました!僕はキッチンです!」

と主張するようなピカピカな物でなく、
築古リノベに合う、空間に溶け込んだキッチンにしたい。

と思い、イメージしたのは「家具みたいなキッチン」

まず最初にラフスケッチで考えたデザインがこちら。

ポイントとしては、

・他の素材と合わせてラワン材
・パーツ類はステンレス素材
・ランバーコア材でコストダウン
・カウンター型の浮いたデザインで、キッチン下をフリースペースに

シンプルな木のボックスが浮いているようなカウンターに、
ステンレスのシンクが埋まっている簡素なデザイン。

ガスコンロはステンレスの物。

色味は家全体の『Mid-century』なインテリアイメージに合わせて、ラワン材のブラウン系の統一。

世界で一個だけのオリジナルキッチンをデザインしました。

オリジナル造作キッチンの作り方

① 下地を整える

壁面はキッチンパネルを貼る予定だが、
キッチンの解体後は、壁面の下地がバラバラで凹凸がある状態です。

写真のグレー(モルタル)の部分は以前のキッチンが付いていた箇所。
上部の木の部分が吊り戸棚がついていた箇所。

これをフラットにするために、
凹凸の寸法を計算し見合った厚みの素材で調整をします。

木部とタイルの高低差9mmに、
9mmの石膏ボードを貼り、段差をなくします。

② キッチンパネルを貼る

フラットに調整した壁面にキッチンパネルを貼る。

建築用両面テープと専用ボンドで貼り付けます。

これで壁面がリセットされた状態になり、
ここからようやく造作キッチンを作っていきます。

▼貼り終えた状態がコチラ

貼り終えた状態

③ 材料を切る

各パーツを21mmのラワンランバー材で、決めたサイズにカット。
カウンター天板はシンクがはまる部分をくり抜きます。

④ 換気扇を取り付ける

レンジフードも新調。

シンプルで普遍的なデザインの
『富士工業‪/浅型レンジフード ホワイト(FJ‬-BFR1E751W)』

価格も安く、どんなキッチンでも合うレンジフードです。

⑤ 各パーツを組みあげる

カットした材料をビスと木ダボで連結し組み上げます。

▼ 組み上がった状態がコチラ

組み上がった状態

⑥ 塗装をする

下塗り
続いて木部の塗装工程。
ベースの塗装は、「BRIWAX(ブライワックス)‪/‬ダークオーク」でワックス塗装。
床部分と比べてワントーン濃いめのブラウンにしました。

塗装方法
⒈ 木材の表面をヤスリで削って整える
⒉ 表面の木屑を拭く
⒊ 布にブライワックスをつけて刷り込む
⒋ 乾いたら塗装面の磨く

上塗り
ワックス塗装だけだと防水性がなく、水が染み込み、腐ってしまうので、
上塗りは防水のクリア塗装を施します。

使用したの、『和信ペイント| 水性ウレタンニス 半艶クリヤー』

◯塗装方法
⒈ コテ刷毛で木目に沿って塗る
⒉ 乾かす
⒊ 毛羽立ちを#400程度のヤスリで表面を整える
⒋ 2度塗り〜3度塗りをする

⑦ 水洗金具を取り付ける

水栓金具やシンクを取り付けます。

金具などはシルバーで揃え統一感をだすために、
ステンレスのものを選びました。

シンクはなるべく大きく作業性が高くなるような物に。

水栓
『TOTO |キッチン用水栓 壁付き TKY130』

シンク
『BOHOLMEN |はめ込み式シンク ステンレススチール, 76x55 cm』

⑦ 完成

キッチンの上と下に収納棚を取り付けて完成。

取り付けたのは最低限の棚のみで、オープンな収納に。

ダストボックスや可動キャビネットなど
自由に使えるようにしました。

収納類に古道具や古材の箱、籠などでコーディネートすると
いい雰囲気になると思います。

コンロ台

 ステンレスのガスコンロがマッチしそう。


まとめ

今回は、コストのかかる既製品を使わず、
材料やデザインを工夫してなるべくコストを抑えた造作キッチンをつくることを目的に制作しました。

本来キッチンは水を使用するため、
長期的に使えることを想定し水に強い素材を使います。

例えばカウンタートップ(天板)は人造大理石やステンレス、クォーツシンクなど。
ベースには化粧シートやメラミン、ステンレス、ホーローなど。

こういったものを使用するメーカー品は、どうしても高価に。


そこで施工費を抑えるために、加工がしやすくコストも安い木材(ランバーコア)を使用しました。

しかし木材はそのままで水を使うと、
水は染み込んでしまい腐ってしまいます。

そうならないように防水加工することで、木材なのに腐らないキッチンを目指しました。


造作キッチンは、決まった仕様が一つもないので
一個一個パーツを選んで組み合わせ、使い勝手もデザインも自由に選ぶことができます。

価格も抑え、サイズやデザインがオリジナルのキッチンもDIYで作ることができます。

世界に一つのキッチン。
ぜひ参考にしてみて下さい。


日本の社会問題でもある“空き家問題”。

リノベーションの観点で“空き家問題”を解決することを目的に
空き家再生を行っています。

福岡・田川の空き家を賃貸物件にリノベーションするシリーズでは、
築古物件のDIYノウハウをメインに発信していきます。

お読みいただきありがとうございました。 
よろしければ、フォローもお願いいたします。


フジイ トモキ / 365 WORKS(サンロクゴワークス)
(@365_works )

「家をつくる、日々をつくる」を コンセプトに
住宅リノベーションを デザイン・セルフビルドを行う
「365 WORKS(サンロクゴワークス)」代表。

1990年岡山生まれ。
大阪モード学園インテリア学科卒業後、設計事務所、東京で工務店、ライフスタイルショップを経て独立。

現在は広島を拠点に住宅リノベーションのデザイン・設計・セルフビルドをしています。福岡県田川市にて空き家をリノベし戸建賃貸物件を運営中。

proshirout(プロシロウト)というグループで「立ち飲みイベント」や「ラジオ」をDIYで企画制作をしています。

主なお仕事
・住宅のリノベーション
・家具の製作
・DIYの相談、手助け

▶︎Blog:Magazine 365
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