のんこ

大阪生まれ。東京育ち。日本デザイン専門学校卒。デザイン事務所勤務を経てフリーランスに。…

のんこ

大阪生まれ。東京育ち。日本デザイン専門学校卒。デザイン事務所勤務を経てフリーランスに。デザイン・イラスト・コミック・油絵など。夫と息子3人。ポートフォリオ https://salon.io/nobuko/nobuko-portforio

最近の記事

どうでもいいんですよ

紙(ランプライト) 製図インク 水彩 親しくさせていただいているお宅の猫ちゃんです。 いい面構えです。 何か文言を入れよう、何がいいかなあ、と検索して、結局、デカルトの「われおもう ゆえにわれあり」になりました。 猫、そういう感じに見えますもの。 ちなみに、猫という生き物は、人間のことを「変な、大きな猫」だと思っているのだそうです。まあ、そういわれれば、そうかも知れません。同じ哺乳類ですし、人も猫とそう変わりません。 生まれて生きて死ぬ。日々、食べて寝る。なる

    • RGBとCMYK

      紙(ランプライト) 水彩 水彩絵具で塗っていると、非常に楽で驚きます。 何が楽かというと、水で溶け、また筆先で簡単に好きなだけ伸びるのです。 油絵具と真逆ですね。 画材が違うのだから、当たり前ですが、われわれ日本人のDNAには、どこか水というものが染み付いているのでしょうか。稲作も水ですし、湿気の多い風土に、墨と筆の文化。 考えすぎですか・・・ 美しい水彩絵具の発色を、スキャナーで読み込んで、PCで見るところまでは何とかクリア出来るのですが、印刷に適したCMYK

      • 展覧会をやるかやらないか

        紙(ランプライト) 水彩 教室では、定期的に展覧会を催しているのですが、それがコロナの影響で、中止となりました。 それは、我が教室に限ったことではなく、各地で中止や延期が相次いでいることと思われます。 開催しようと思えば、開催することは可能でした。 しかし、当然のことながら、感染のリスクはあります。 主催者はもちろん、観にいらしたお客さまにもあります。それを承知で友人・知人にお声かけするかどうか。 開催のお知らせだけして、観にいらっしゃるかどうかは、受け取った方

        • どうなるのか楽しみですね

          和紙 油彩 この絵は、このあとまったく別のものを描いたため、もはやこの世には存在しません。 あとから思うに、このまま置いておけば良かったのに、などと後悔しましたが、いいんです、いろいろやってみる方が。 やってみれば、やらなければ良かったと思いますが、それはやってみたからそう思うのであって、やらなければ、何も思わなかったでしょう。 やらずに通り過ぎてしまうよりは、いいと思います。 絵も、これからどうしようか、どうなるんだろうと迷っているときが、実はいちばん楽しいときな

        どうでもいいんですよ

          いいから描き切りなさい

          泥 顔料 今日の画像は平面でなくて、すみません。 わたしのデザインの方の師が関わっているワークショップに参加させていただいて、制作した「光る泥だんご」です。 泥だんご、こどものころつくった方もいらっしゃるかと思いますが、うまくつくると、このように美しく光るのです。 もちろん、泥もよく選別し、注意深く研磨して、顔料で色をつける必要があります。 そもそも、正しい球をつくるのが、大変でした。ちゃんと丸めて球にしたつもりでも、どこかがゆがんでいるのです。 人間の感覚なんて

          いいから描き切りなさい

          どこにサインを入れますか?

          紙 鉛筆 デッサンを習っているときのものです。 たまに歴代巨匠のデッサンやドローイングが展示されていることがありますね。当たり前のようですが、上手いです。 上手いのに加えて、センスがいいです。 だから、作品が残っているのですね。 作品には、画家のサインがあります。絵が完了したときに描き入れます。 あまり話題にはなりませんが、みんなけっこう工夫して描いていますよ。 クリムトは、デザイン力のある人なんですね、字もデザインチックです。 まるで絵の一部のように描き入れ

          どこにサインを入れますか?

          モチーフは見なくてもいいです

          キャンバス 和紙 油彩 完成していない絵を遠くから撮ったので、ボヤけてますね。すみません。 完成したら、全体を載せます。枠が横長なので、全部は載りませんが。 モチーフが花でした。 花はモチーフとして、ごくありふれたものです。人によっては、もう描き飽きてしまったという方もいるくらいです。 わたしは、まだ飽きていませんよ。 植物を描くのは大好きです。 春先に、家の近所で、実に不思議な配色の植物を見つけました。赤紫の茎に、まるでゼリービーンズのような色の丸い身をつけて

          モチーフは見なくてもいいです

          好きなものを描くといい

          紙 アクリル 絵を教えるというのは、あくまで画法・技法を教えるのであって、何をどう描きたいかという、気持ちまでは教えることは出来ません。 「こういう絵が描きたい」とか「こんな風にしたい」という気持ちがあれば、指導することが出来ますが、そうでなければ、指導のしようがないのです。 「先生、どう描いたらいいですか?」 ときく生徒さんも中にはいます。 そういう方には、教えられないのだそうです。 お医者さんが、「病気を治すのは患者さん本人で、我々が出来るのはお手伝いだけ」と

          好きなものを描くといい

          完成しないのではないか

          紙 鉛筆 デザイン学校のつながりで、植物画を習いに行ったことがあります。 いわゆるボタニカルアートです。植物図鑑にあるような、学術的な植物の絵です。 何度か展示をギャラリーに見に行きましたら、実に美しくて、幸せな気持ちになります。 それで、この植物画のワークショップがあると聞いて、参加させてもらったのです。 わたしはすぐにその気になって、習えば出来るようになるのかと思ってしまうのです。 用意した植物の写真を、トレーシングペーパーを使って、紙に転写します。 このと

          完成しないのではないか

          金色に見える色 紫に見える色

          たとえば王様の王冠とか、騎士の鎧とか、貴婦人のブレスレットとか、金色に光るものを描くとき、本物の金は使いません。 金色に見えるように塗るわけです。 たいていは、ベージュというか、黄土色です。すこし赤みを増すと、それらしく見えます。 さらに、それよりすこし明るい色と暗い色で光沢をつけると、よりそれらしくなります。 この配色は、よく見るポスターやチラシなどでも使われています。派手に見える金色の立体文字や、金色のメダルなども、よく見るとベースは黄土色です。 金色の部分に、

          金色に見える色 紫に見える色

          変わっていっていいんです

          紙 油彩 たぶん、油絵教室に入って、1番はじめに描いた絵ではないでしょうか。 キャンバスでなく紙に、下塗りもなしにいきなり描いてます。何も分からなかったものですから、「好きに描いてごらんなさい」という先生のお言葉を受けて、好きに描いたのです。 モチーフは、流木と、花瓶に生けた植物でした。 モチーフのカタチと色を分離して、組み換えてみようと思ったのでした。 絵を描くということは、実験のようなところがあると、わたしは思います。 こう描いたらどうなる? という実験。

          変わっていっていいんです

          赤と青緑、紫と黄色

          紙 アクリル 色相環というものがあります。 色という、つかみどころのないものを、数値化し分類し、並べたものです。 この色相環の、ある色の対極にある色が、補色です。 色相的に正反対の色同士である補色を並べて配置すると、落ち着かない気分になるといいます。 絵画も、よくよく見れば、鑑賞者の気分を揺さぶるように配色してあるはずです。心地よい配色もあれば、危機感をあおる配色もあります。 あるとき、そういう色に関する知識を得ると、配色が上手くなるはずだと、わたしは思いました。

          赤と青緑、紫と黄色

          こうしようという意思を持って

          紙 木炭 物のカタチというのは、こういう黒い輪郭線が存在するわけではなくて、物に光が当たったとき、そこには同時に影ができます。 その影を見ているんですね。 白い背景に白い物が置いてある、同じ白なのに物のカタチが分かるのは、影があるからです。 光はとても重要です。 何しろ「見える」ということの根幹に「光」はなくてはならないものです。 西洋絵画は、光と影をとても重要視してますね。 面(色)で表現することを考えると、当然ながら光と影という組合せになります。 その点が

          こうしようという意思を持って

          自画像を描くのは嫌

          紙 鉛筆 人間を描くのはとても難しいです。 わたしはそう思います。 それは、わたし達が人間だからです。すこしゆがんでいたり、不自然な人間の姿を見ると、敏感に、違和感を持つのでしょう。 風景や静物が、すこしくらいゆがんでいても、不自然であっても、それほど気にはなりません。味があるとも思えます。 しかし、人間はそうはいかない。デフォルメするのであっても、相応の技術や力量がなければ格好がつかないのではないでしょうか。 人間といえば、自画像を描くという課題が出たことがあり

          自画像を描くのは嫌

          どこでやめるかを決める

          グラフィックス アクリル絵具で描いたものをスキャナーで読み込んで、PCで加工しました。 ソフトは万能のPhotoshopです。 本当に万能です。何でもできてしまうので、何をしたらいいか困るほどです。 どんどん加工していくと、元の画から離れていきます。 どこでやめるか、判断が必要です。 絵を描いていると、もっと描くのか、ここでやめるのか、終わりを決めなければなりません。 それを決めるのは、描いている人だけです。 意外と迷います。 「だいたい、ああ、これ描かない

          どこでやめるかを決める

          嘘をついていいんです

          グラフィックス 演奏会のプログラムの表紙のためにつくったものの一部分です。 部分を切り取って見ると、またちがって見えますね。 そういえば、絵を描く人が、指で四角をつくってのぞいていることがあります。あれは構図を考えているのですが、景色を切り取っているのだともいえます。 どこをどのように切り取るのか。 切り取って、それからどう描くのか。 「見たままを、そのまま描かなくていいんですよ。自分なりに変えていいんですよ。絵は、嘘をついていいんです。嘘というと何ですけど」

          嘘をついていいんです