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㉚ラヴ・ロックと言う言葉には馴染めないけれど、、、、🇮🇹

日本だけで使われている言葉なのかは知らないが、
ラヴ・ロックと形容される音楽がある。
どうもこの小っ恥ずかしい表現は未だに馴染めないでいる。

その最も代表的なグループがイタリアでは国民的な人気を誇るI POOH(イ・プー)で、彼らも70年代の作品はラヴ・ロックと形容されていた。
※IPOOHについてはblog記事⑪イタリアの国民的ロック・バンド!🇮🇹で書いています。
👆🏻https://note.com/372933/n/n4f5458631e50

ラヴ・ロックってどんな音楽かを簡単に言うと、
イタリアン・ロックの中でも歌を中心とした、旋律が叙情的でドラマチックな哀愁を帯びた甘くて切ない美しい音楽
のことを言い表したものだ。
他のヨーロッパ、例えば英国の洗練された美しさとはまた違って、イタリアで産まれたロックには特有の叙情性があるのです。
イタリアン・ロック以外の音楽でラヴ・ロックと形容されている音楽はないと思うので、イタリアン・ロックの中でもとりわけ美しく叙情的なメロディの「歌もの」という意味合いで生まれた言葉なのだろう。

70年代のイタリアン・ロックにはそうしたラヴ・ロックと呼ばれる美しい楽曲が限りなくあるのです。
以前にもどこかで書いたと思うけどイタリアは、日本ではド、レ、ミ、と教わる西洋音楽を発展させた国であり、「イタリア歌曲」という声楽を志す人が必ずと言っていい程学ぶ素晴らしい歌曲作品集が産まれた国だからなのか、ヨーロッパの長い歴史や宗教、ヨーロッパの中では比較的暖かな気候や風土で育まれてきた文化からなのか、確実に旋律の扱いへの美学が存在している。
これでもか!みたいな哀愁タップリで甘く切ない旋律は僕の琴線に鋭く突き刺さってくる音楽なのです。

さて、今回紹介する
『La Bottega dell'Arte /ボッテガ・デル・アルテ』というグループは、その同じ時代を活動したイ・プーの存在に隠れて日本での知名度は今一つ低いかも知れない。
僕が知っているのもオリジナル・アルバム1st、2ndの2枚、あとベスト・アルバムがCDの時代になってからリリースされているものだけだ。
けれどもそれらの楽曲の素晴らしさはイ・プーに全く引けを取らない。
イ・プーのように歌を中心とした楽曲作りがされているので、ロック・バンド的な演奏は控えめながら、その哀愁溢れるメロディはイ・プーより叙情的なぐらいだ。

♬Bella Sarai (1977年/イタリア)
彼らのヒット曲。
イ・プーにも沢山あるけど、この曲のメジャー・キーでの哀愁を帯びた旋律が堪らなく好きだ。
それとシンプルでわかりやすいポリフォニー(サビの歌の後ろでキーボード・パートが奏でるシンプルな裏メロ♬)の何と美しいことか!
そのドラマチックなサビのコード進行を拾ってみると、
key=B♭、4分の4拍子、
4拍づつ
B♭-Dm-E♭-Cm、
次に2拍づつ
F-G♭dim-Gm-E♭-Dm-Cm7-4拍D
という美しいコード進行💕
E♭からCmに短3度下降、そこからFからGmへの半音階上行が気持ちいい♬
https://youtu.be/CGMAFdGW8V4?si=tWN4LB2tF01fdyIR


♬当時のTV映像を観れるなんて!😳
https://youtu.be/-ZfvJSiFlOU?si=g5vQ1U5Rzizkz1nf


♬Dentro (1977年/イタリア)

初めてこの曲を聴いたとき、ワォ!イ・プーよりいいじゃん、って思ったものでした。後半のクラシカルなギター・フレーズもいい🎸
https://youtu.be/rfnZVVocFJo?si=QhFac9uX2ODYjSe8


♬Questa Sera E' Per Noi (1977年/イタリア)
あぁ、なんて美しいー!😭😍
マイナー・キーとメジャー・キーが交互にハッキリした移り変わりとあまりにドラマチックな美メロに胸がグッとくる名曲だ!
https://youtu.be/QT--G3gXTa0?si=HlST_0u8w3UiF2-C


♬L'ultima Storia (1977年/イタリア)

シンセサイザーのシーケンス・フレーズの絡みからドラマチックにプログレ的な曲展開。素晴らしい!
https://youtu.be/vaOLU4DKpAg?si=WUg3txIVFvohgGrh


70年代はイタリアン・ロック🇮🇹に限らずヨーロッパの国々に素晴らしいロック・グループのアルバムが沢山産み出されました。
ユーロピアン・ロックはそんな至宝の山なのです。

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