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鑑賞ログ「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」

雑誌の立ち上げ人でもある編集長が急死し、最終号をいかに制作するか。
それぞれの企画の担当編集者が、自らの企画を語りながら物語が紡がれていく。

もう、ウェス・アンダーソンは世界観が好きなんだな。
美術鑑賞の気持ちで映画館へ。
甘い甘い砂糖菓子と濃いめのコーヒーを味わっているかのような作品。

冒頭のシーンから鼻息が荒くなるのを感じながら鑑賞。
いつもの通り淡々というか、飄々と進む物語の中にフフフ、という感じの笑が散りばめられている(淡々&飄々テイストにブラックジョークが挟まるとロイ・アンダーソン)。

物語の中で語られるいくつかある企画(エピソード)の中で一番好きな企画は、収監されているベニチオ・デル・トロ演じる囚人と看守のレア・セドゥのエピソード。
登場部分から個人的推しであるレア・セドゥに釘付けだし、すっとぼけてるベニチオ・デル・トロもいい。
どのエピソードでもこちらが予測するストーリーを演出でスカしてくるけれど、それでも納得できる展開に「やられたw」と思うことが積み重なっていくのが気持ちいい。

それにしても俳優陣が豪華。おなじみのオーウェン・ウィルソンやエイドリアン・ブロディはもちろん、ティモシー・シャラメやティルダ・スウィントン、フランシス・マクドーマンドも出演。個人的に最近注目のリナ・クードリ(「パピチャ 未来へのランウェイ」「オートクチュール」)が出てるのが嬉しかった。ウェス・アンダーソンは俳優陣がこぞって出たい監督なんだろうな。
「観る雑誌」という評判もあるようだけれど、これも映画館でスクリーンに集中してこそ世界観が味わえる映画だと思った。
ウェス・アンダーソンは映画監督というよりも、ポップアーティストという肩書きの方がしっくりくる気がする。
そして、Blu-ray買いたい。


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