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AI省力化機器の導入で効果を出すには事前に省人化のしくみをつくらないとただの経費増になる

 飲食店の省力化・省人化を行う目的でAI機器を導入しても、ただ単に
機器を設置しても一向に経費は下がらず、人件費も下がる傾向にはなり
ません。

 例えばオーダーエントリーシステムの導入の場合、お客さまのオーダーを受ける作業の大半は機器が代行してくれます。
 新たなしくみとルール作りもないままにAI機器の導入を行っても、従業員が少し楽になっただけで、人件費の低減にはつながりません。

スマレジさんのHPから拝借した図

 ではなぜ人件費が減らないか?

🍓調理や接遇作業を分解して
 機器に置きかえられるところを見つける

 ハッキリと数字に出る効果を出すためには機器の導入が先ではなく、
以下のようなプロセスの中で、作業数を減らせるしくみ、人件費を減らせるしくみが不可欠です。これがないとコストは下がりません。

🍓置きかえるとどれだけ作業数と時間が減り人件費削減や効率化が進むか検討する


 ➡ ①どの作業が機器や外注に置き換えできるか検討する 
 ➡ ②置きかえた時の新たなしくみと新たな作業ルールを機器の導入前に
    従業員の声を聞きながら一緒に作る
    (ここがないと効果は表れません)
 ➡ ③新たなルールに基づき、従業員の教育を行う 
 ➡ ④機器の導入をする(または外注を実行する)
 

🍓ポイント1:
 従業員負担の大きい作業を置きかえる

★うどん麺の麺体づくり、捏ねこね、圧延、麺線にカットなど
  ➡省力化機器の導入で解決できます

★接遇サービスを行うホールスタッフに店内外の清掃作業を短時間の間に
 させること  ➡清掃ロボットや定期清掃の外部委託で解決できます

★食材の仕込み作業
  ➡スチームコンベクションの導入やオートフライヤー、ライスロボなど
  などの調理機器の導入で負担軽減ができます

 負担の大きい作業を毎日行わせることをやめれば、従業員の定着率が高くなり、募集人件費や教育費負担が軽減できます。


🍓ポイント2:
 長時間かかる作業を置きかえる

 うどん店の場合は、粉の配合の後の麺体づくり(鏡餅のような形状)や
コシを出ための足踏み作業、うどん麺に切りそろえる作業など、いずれも重労働です。
 機器に置きかえると、
★体が楽になり長続きする
★作業時間が短くなる
★時間が短くなる分だけ総労働時間の短縮ができる
★作業度が安定して一定のブレのない食材を生産できる
などのメリットが生まれます。


🍓ポイント3:
 難しい熟練を要する作業を置きかえる

スチームコンベクション(レンジ機能・オーブン機能・スチーム機能)
 食材の芯温設定までできますから、ローストビーフなども完璧です。
 プロの調理人さんから見ると0.5分以上のプロの存在です。
 (シェフが35万円なら17.5万円の価値)

オートフライヤー(自動揚物機)
 私が今考えていることは、たとえばトンカツを揚げる温度とネットの
回転スピードに合わせた時に、他の野菜やエビを揚げる際はお店の規格食材を基準にすると揚げる温度や回転スピードを変えなくてはなりません。
 それよりは、トンカツの仕上げ条件に合わせて、他の食材の形状をどう変えれば、機器の設定を変えずに済むかを考えたほうが「ベスト」と思うのです。

セルフレジ
 案外レジ作業はホールスタッフの中でも熟練者で、商品を知っている人、お客さに対して会計時の接遇トークができる人、さらに金銭を扱わせても
信用のおける人を採用しています。

 これをオーダーシステムと併用して導入することで、人件費のカットと作業の効率化が実現できます。またレジの熟練者を長時間拘束する必要もありません。

 くれぐれもAI機器の導入で失敗しないためには、
お客さんの層を見て
従業員の能力を勘案して
コストの低減と効率化を予測したうえで
導入を図るようにしましょう

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