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食べ塾28:飲食店の開業=儲かるはもうナイ!3年後に生き残れる差別化の仕掛けがないと受注業者ご奉仕になるだけ!

■お伝え1:新規参入する人は年々生存難易度が
      高くなっていることを全く知らない

  私は72歳。ざっと42年前から飲食業界に関わる仕事をしています。
最初の11年余りは、飲食店に食器を買っていただくセールスの仕事。
その後独立して、お世話になった飲食店を応援するアドバイザーの仕事。
超無名・無実績から7年目でやっと単年度黒字決算になりました。

この42年前から15年間くらいは、
「お店を出せば儲かる」文字通りの時代でした。

しかし、デフレスパイラルの20年間の間に、
飲食店の開業後の生存率は1年毎に非常にハードルが高くなった
と感じています。

<理由>
〇過当競争(同業種間も、客単価の同じ異業種間も競合)だと知らない
〇開業時期を早くできることばかりに力を入れる
〇開業後にお店が生存出来て長期で経営できる仕掛けがない
〇売上はこう作る、経費はこうかけるが決まっていない
〇他店と同じように作ればうまくゆくと勘違いしている

■お伝え2:他店に勝てる仕掛けがあってこそ
     「差別化」の真意です

小さな差別化要素がいくらあっても多くの人に伝わりません。
大きな差別化要素が一つあれば、お店を際立たせて注目させます。

お客様になる見込み客の方たちが

安心して来店できる要素を持ちながら、
”他店と全く違う大きな差別化要素”を
合わせ持つことがとても大切です

ですから、
開業日ばかりに気を取られて、初期投資の回収と利益を求めすぎると
そういう方こそ、1年前後で閉店+大借金+大きな失敗体験をする羽目に
なることが多くあります。望んだことが真逆になります。

勝ち残るための仕掛けづくりの工夫を
開業日前日までに、
「武器」として作り上げておく
経営者の方こそ生かされると思います

すでに開業されている場合は、

ひとつ大きい武器、ふたつ大きい武器に
順次置き換えてゆけば良いと思います

〇自店の強みは何かを「核芯」まで削り込んで掴む
〇強みを料理の素人のお客様にどう伝えるか工夫する

競合店が多いほど、またお店の仕組みが複雑になればなるほど
お客様という「多くは料理に詳しくない素人集団」の方々に
どのように正確に伝える能力があるかないかで結果が異なります。

日本で1店舗だけ、
世界で1店舗だけ という差別化要素を持ってこそ
1度は行ってみたいお店になります!

■お伝え3:店名の差別化

なかよし食堂
なかよし海鮮丼食堂
なかよし大盛肉丼食堂

例えば、上記の3つのお店があれば、どのお店に入りますか?
食堂と言えば定食やどんぶりや麺類などもある「庶民的食事店」ですが、

この「総合的なお店」=差別化要素にならない極一般的なイメージ
が差別化要素を打ち消しているのです!

海鮮丼食堂~海鮮丼系の商品が50%以上あれば違和感にはなりません。
大盛肉丼食堂も同じことです。

■お伝え4:絞り込んだ食材の差別化

肉料理はなむら
牛肉料理はなむら
牛すね肉料理はなむら

上記と同じように、あなたはどのお店に行きたいですか?

差別化が出来てなおかつ個性が発揮できる食材に絞り込むことで、
大きな魅力を生み出すことができて、他店との競争を「無」にする
ことができます。

〇価格の比較がなくせる
〇広い意味の同業態店舗間の競争をなくせる
〇多くの同客単価帯店舗間の競争も減らせる
ただし、
出来上がった提供料理の庶民性により、リピートの間隔は異なります。

すね肉料理店では、炙り肉が合ったり、煮込み肉が合ったりしながらも、
ミンチにしたハンバーグや、ロースステーキ、短ステーキがあっても
構わないわけです。
(*メイン料理を1ページ目、2ページ目に出せば、3ページ目は
  同じ分類の食材で他の部位の料理があっても違和感は出ません)

■お伝え5:席数を少なくする差別化

 高級店と値上げがしやすいお店は
 お客様と会話ができる席数のお店が有利です

  これからの飲食店は、お客様にお店のことをしっかり知ってもらうことが必要になります。
また、お客様自身のこともしっかり把握して、
「顧客管理」できておくことも必要です。
(*20年前は客単価3000円以上は、顧客管理をするべきお店でした)
 今では、平均客単価4000円以上のお店は行うべきと思います。

〇家賃よりも、調理・接客のスタッフ数を少なくした
 仕組みに変えられる
 →年中人手不足体質の解決、人件費の削減になる

〇お客様とのかかわりが強くなれば、味の濃さ、分量
 嫌いな食材など見極めができアレンジできます
 →お客様にとって無くてはならないお店になろう!


勝てる可能性はどんなことでも「試してみましょう」
私の先生の一人(10年間ご契約先だった年商12億の飲食企業経営者)の
方は、

ダメだったらいったん元に戻せばいい


とこう言われて改革、改善を積極的に行われていました。
汝、失敗を恐れることなかれ なのですね。

付け加えると、

これからは持久戦体質の飲食店が勝負強いと思います

(了)

飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします