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オードリー7食べ塾19:弁当商品に学ぶ令和時代の商品づくりノウハウです!

今一番令和の競争激化の厳しい時代に、懸命に知恵を絞っているのが
弁当業界だと思います。
決して切磋琢磨しないで儲かっているだけではありません。

容器の製造会社
業務用使い捨て弁当容器の開発は、日々とどまることなく進化?
を遂げてきています。
スーパーに行って買うたびに、新しいタイプの弁当容器を目にします。
ひたすら弁当を作って売る立場に立って買ってもらえる弁当容器開発を
しています。

弁当事業者
●人件費をかけられない・・・人手がかかると利益が減る、集まらない
●手間をかけられない・・・・決められた出荷時間に必ず間に合わせる
●食材の値上がり・・・必要な利益の取れる弁当容器が自店の味方になる
●商品の良し悪しは即日答えが出ます・・・衝動買い戦争に勝つ容器が必要
●ここ2年間で2倍~3倍の過当競争になってきている

考えようによっては既存の飲食店よりも厳しい生存環境です。

以下に、
弁当容器から学んだ弁当店の商品づくりノウハウをご紹介します!

■ボーダーライン価格を見つける

  これは、市場性でも違いますし店舗が入店する複合施設でも違いますが
「標準(スタンダード)商品群」と「小さめ(スモール)商品群」の

境目の価格(ボーダーライン価格分岐点価格)を見つけることが、
弁当商品開発の商品展開の際の大きな武器になると考えています。

私の住む県の価格感では、
税別価格で398円(税込価格で430円)です。

この価格以上では、
品数もボリューム感もスタンダードな内容のレベルの商品群になっており、
その価格未満では、
副菜の品数が少なくなったり、ご飯の量が少量だったり、弁当容器そのものが小さくなったりしています。
個のボーダーライン価格は、地域差、立地差、客層差で違うと
理解してください。


■弁当容器の大きさ・深さ(高さ)

大きさ
弁当容器の大きさは、大別して大・中・小に分けられます。

・・・法事(仏事)弁当・会席弁当・会議用弁当・高級弁当
     価格は1000円~3500円位まで

・・・通常の弁当類で幕の内弁当、唐揚げ弁当、チキン南蛮弁当
     焼肉弁当、トンカツ弁当、味噌カツ弁当など。
     価格は430円~980円位まで

・・・先にご説明したボーダーライン価格未満の弁当類です。
     個食用・・・女性用弁当、職域弁当、少食者用弁当
     多人数用・・・催事弁当、スポーツイベント用弁当など
     
     価格は個人用で350円、380円が多いと思いますが、
     多人数用は、税込500円が手早い価格で多いと思います。

上げ底
最近は、
真上から見た大きさが価格に比べて”お得感のある大きさ”でも、
真横から見ると、かっては3.5cmの深さ(高さ)があるものが、
今は2.5㎝前後になっています。
原価コントロールがすさまじくできている容器が増えました!

♥買う時は、大きさ、深さ(高さ)・手に持った重さで選ぶと
 納得がゆく弁当が買えます。

ついでに言うと、
もと食器屋の立場でアドバイスすると、
角が角張っている容器よりは丸くなっている方が量が入りません
また、底の部分が狭くなっている方が50%~60%の量で同じ景色です


■弁当容器の仕切り枠のマジック

売れる弁当には大切な法則が2つあります。

1つ目は・・・メインのおかずが満足行くボリュームと存在感があること
      (幕の内などの複合は別です)

2つ目は・・・全部1食分食べたときに満腹感が得られることです
       コストをかけていい時は、ライスはそこそこで副菜を豪華に
       反対にコストをかけられない時は、副菜を限界まで絞り込み
       ライスをやや多めにしてコストを下げます。
 
仕切り枠が多い容器より少ない容器を選ぶ
  
これはここ数年間、4つ→3つ→2つと少なくなってきました。
  メイン料理は、品質を変えない・ボリュームを変えない 代わりに
  削れる副菜は品数を減らしたり、ローコストの食材に切り替える。

見栄えは良くしたいがコストを下げたいときは底上げタイプを選ぶ
  一見不合理なようですが、「価格優先客」にはそれでいいという
  傾向が出ています。

大きさを強調する時は仕切り枠を超えて盛る
  塩サバ弁当で、フィレ1枚を使っている弁当は2枚に切るのと
  1枚そのままではインパクトが違います。
  メインのおかず枠と横の小さい副菜枠まで越境した焼サバは
  すごくお得感のある景色でした。

食材を直接盛るよりカラーのカップを使う
  カラーのカップを使うと揚物弁当でも見た目が華やかになります。
  しかもカップがあると直接盛らなくても、事前にカップに盛れます。
  盛付の最終作業が早く済みます。

  また、何よりも直接盛る食材量を40%前後節減できます。

■客層の性別で違う弁当の条件

  女性客が多い弁当屋さんは、女性の好みを知り尽くした
食材の工夫と弁当容器の色合いの選び方をしています。
(*中高年の男性経営者の場合は見直しをお勧めします)

女性好みの弁当の条件
1,おかずが軽薄短小基準でできている
  食感が重いものより軽いもの、厚いものより薄いもの
  濃い味より薄味のもの、長いものより短いもの、
  大きくて硬いものより小さくて柔らかいもの

2,盛付がきれい、盛付がカラフルで美味しそう

3,弁当容器がやや小さめで角丸型・丸形・楕円型

4,1色より2色・3色使った弁当容器の色が好印象
  
黒1色の格安容器でなく、黒に金をあしらったものなど多種類あり。

5,食べきりボリュームでボーダーライン価格よりちょっぴり安い
  
女性の多くは食べ残す量が多い弁当はもったいないと不評です。

6,完封箸がついている
  より一層衛生的なのは完封箸と知っています。
  コストは少し上がりますが、売れるための投資です。

7,透明蓋に張るラベルの位置が大事
  メインのおかずや副菜が隠れすぎると、目で内容確認できませんので
  その弁当は内容が良くても売れません。
  シールが大きい時ほど張る位置をライスの上にしたり、蓋と身にかけて
  張ったりする工夫が必要となります。

男性好みの弁当
  揚物が好き、ボリュームいっぱいが好き、ライス大盛サービスが好き


飲食業は儲からないと思われている人がいますが、
私は全くそうは思いません。
そう思っている人は、

昭和や平成の時代に学んだことを基準に仕組みを組んでいるからです。
今はこの仕組みに変えて、利益を出そうという「改革魂」がないと
利益が出せない時代だと思います。

(了)

     
      

飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします