見出し画像

飲食店未来学55:飲食店経営を続けられる人の特徴とは

私の知人にもう50年以上焼鳥居酒屋をしている人がいます。この人が持っていることをご披露しましょう。

日々の売上に一喜一憂しない

飲食店の売上は3年以上経ったお店でも最低日商~最高日商は10倍開きます。まだ固定客が定まっていない若いお店は、実に20倍の開きが出ます。
ですから、売上の良し悪しは、「日々」でなく「1週間単位」で見れば、小さな動きです。日々で一喜一憂するのは、素人度が高いということです。

金額に関わらず正確に丁寧に火入れする

1本120円の鶏皮串でも立派な俺の料理だと言わんばかりに、ていねいな火入れをする経営者です。ここの焼鳥だけは、焼きにおける執念を感じます。

負担になるメニューづくりはしない

1年間を見ても、新メニューは2つか3つあるかないかくらい。何も足さないなにも引かない。。。という大原麗子さんのサントリーのCMのように、ほぼ変わらないメニューです。メニューがあっても、常連さんが多く、座るなり、口頭でオーダーしています。

常連さんが食べたいものだけ出し続けるというシンプルな姿勢です。

売れるものと売れにくいものを熟知している

何ごとかない限り、いつも三々五々でお客が来退店するお店です。ですから、よく売れる鮮度の良い冷蔵の刺身類は数量限定販売。ボチボチしか売れない商品は、すべて冷凍したり、冷凍食品を買ってきてたれや味付けに一工夫したりしています。

少ない売上の日でもロスが出ない工夫を日ごろからしています。

常連さん80%以上の客づくりをしている

新たなお客さまが来店した時のマスターの顔色と、どの言葉を発するかで、どれくらいの頻度で来るお客かすぐにわかります。常連さん率が80%以上を常に目指しているのがわかります。

新規のお客さまには、どんな様子かを確かめた上でしか声かけをしません。声かけを嫌う方もいますから。さりげなく様子を見ています。

お客との会話は強弱つけている

常連さんには饒舌で濃い会話。見知らぬお客さまやあまり記憶にないお客さまには、必要最小限度の接し方をされています。

収入減に合わせて生活をダウンさせる

50年以上も飲食店を経営していると、天国も地獄もそれぞれ3回程度は味わってきていると思います。儲けたら高級車を買うでもなく、厳しくなった時の資金や階層のため、設備の買い替えのために貯蓄する。手堅いですね。

また売上がどん底の時は、家で食事せずに、店の残り物だけで食いつなぐ地道さがあります。収入のアップダウンは一定期間(5年~15年)で繰り返します。売上高の変化に動じない経営姿勢です。

ガンになっても気にしない生き方をする

ある日、川沿いの道を両手を振り振りジョギングしていました。その少し前にがんの手術をしたと聞いていましたが、元気に励んでいました。もうその日から10年以上が経ちますが、いまもそのお店は健在です。

家庭を大切にする

他人の従業員はずっといません。奥さんと息子さんがそのお店の従業員です。並びにある飲食店は3年~5年で入れ替わっても、そのお店だけは何も変わりません。実に立派なものです。動じない生き方が店頭に表れています。

お客さまへの感謝を忘れない

大人の酒飲みの常連さんにくつろいでもらうお店をずっと維持してきたので、子ども連れのお客さまは、ご利用を断っています。このお店の選んだ道です。良いも悪いもありませんね。すべてを○にしない、できない選択です。


私と飲食店の世界とのかかわりは、食器のセールスマンをしていた20代~30代の10年余り、コンサルを始めた40代~を含めて、都合46年目になります。

目立たなくても、地道なお店のやり方に、何かひとつでも学ぶところがあれば幸いです。

飲食業界はますます令和新時代に向けて姿を変えつつあります。
(了)

飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします