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クリスマスなんて大嫌いだった気持ちが薄れてきた

12月25日はクリスマス🎄インドでも国民の祝日でお休みである。

去年は残念ながら日曜日だったが、今年は月曜日なので三連休。いつもより少し長い週末である。

インドでも日本の様に、クリスマスの飾りをつけたり、それにちなんでケーキを売ったり(インドではプラムケーキが主流)、レストランでもメニューを設定したり、セールを行ったりするので、クリスチャンでなくともわくわくする。

過去のnoteを読みなおしてみると、昨年は、25日の午前中は元同僚が誘ってくれたのでミサに参加し、その後、息子のクラスメイトだったH君に会いに行ってた。

今年は特に予定は無かったのだが、直前になって「明日ミサがあるらしいんだけど行かない?」とお誘いがあったので行ってきた。



場所はチャナキャプリ。デリーで各国の大使館がひしめくエリアである。

12月24日の21時20分から開始との事で、近くで待ち合わせをして、軽い夕食を済ませてから行く事にした。

待ち合わせした場所は観光地・ショッピング街でもあるためか、クリスマス・イブのこの日はものすごい人だった。

少し早く行ってカフェでゆっくりしようと思ったが、どこに行っても人がたくさんで全然ゆっくりできなかった。インドで混んでいる場所に行くとざわざわ感がすごくて落ち着かない。

複数店舗を展開しているカフェに行ったのだが、ものすごい人で、忙しいのかサービスも雑だった。ちょっとがっかり。

待ち合わせ場所に行ってみると、男性が一緒にいたので「なんだ~恋人も一緒だったのか~」と思って聞いてみると「いや、たった今話しかけられて。。」と言う。

あらら違った笑

このエリアは観光地なので、物売りも物乞いもナンパも多い。

友人を助け出してから、レストランを探す。どこも混んでいたが、運良く空きのあるレストランがあったので軽く食べてから目的地へと移動した。



向かった先はヴァチカン大使館。今夜はここでミサがあり、一般人も身分証明書を見せると入れるのだと言う情報を、友人が入手したのだそうだ。

大使館前で友人(Aさん=一緒にいる人)の友人(Bさん)と合流予定だったが、遅れると連絡があったので、先に入る事にした。インドもこの時期の朝晩は底冷えするので、外で待つのは辛い。

身分証明書を見せて中に入ると、突如現れる欧州風の建物。建築様式は全く分からないが、イルミネーションの効果もあってクリスマスの雰囲気が最高に高まる。



ぎりぎりになってしまったので、部屋に入った時にはミサは始まっていた。

今回はカトリック教会のミサであるため、昨年、元同僚に連れて行ってもらったミサとは違っていた。(恐らく、元同僚はプロテスタント)

部屋の中には横長の椅子が3列に配置されており、正面に対して二階建てのオペラの劇場の様になっていた。二階にオルガンが設置されていた。席の前の下にはクッション付きの足置きの様な台があって、こちらに膝をついて跪いてお祈りする事ができる。

部屋の正面と入口の扉は淡い色のモザイクでキリストやマリアが描かれていて、金色の装飾と相まって荘厳な雰囲気を醸し出している。

キリスト教を表すモチーフが美しい。反対側のドアはステンドグラスだった。

恐らく司祭様と司教様と思われる二名の男性によりミサが進行し、必要に応じてシスターがサポートしていた。

以前、元同僚に連れて行ってもらった時は、教会のスタッフもほぼ全員が私服だったのに対し、今回はそれぞれが役職にふさわしい服を身に付けていた。同じ「キリスト教」でも、宗派によって違いが表れている。

ミサは『開祭』『ことばの典礼』『感謝の典礼』『閉祭』という四つの部分で構成されるそうだが、後ろの席で声が聞こえにくく、またちょうど目の前に柱があって見えづらかったので、詳しい内容は分からなかった。

それでも聖書の朗読、聖体拝領(パンを配る)、賛美歌を歌い、最後に隣に座っている人に、(たとえ知らない人であっても)「メリークリスマス!」とささやきながら握手したり、笑顔を交わすのは心温まる。

ミサの最後に誕生したばかりのキリストとされる赤ちゃんの人形を抱いて、司祭が会場を出ていくと、参加者もあっさりと退場していくので、「もう終わりなんだろうか?」と思っていると、Bさんが「こっちだよ。イエス様を馬小屋に寝かせるんだ。」と言うのでついて行くと、正門入ってすぐのところに小さな馬小屋が設置されており、そこにイエス様を寝かせるところまでがミサだったらしい。

馬小屋の周りで、再度「メリークリスマス!」と交わしながら、写真好きなインド人達は誕生したばかりのイエス様と一緒に写真撮影。(参加者は大使館関連者らしき人達とインド人と半々ぐらいだった。)

イエス様の誕生時の様子。
この時も写真撮影のハイライトだった。インド人は写真が大好き笑

大使館内の部屋にお茶とお菓子が用意されているとの事だったので、帰りの時間が気になりつつもこちらにも参加。(この時点で22時半頃)

ヴァチカン大使館の中に入るのは初めてだ。あちこちにツリーやリースなどが飾られて、クリスマスの気分に浸れる。

赤系の飾りが無いツリーもシンプルで素敵だ。

「お茶とお菓子」と聞いていたが、シャンパンやウィスキーが用意されているのは欧州の集まりらしいな、と思う。ケーキはナッツやスパイスが入ったパウンドケーキに近いもので、我々日本人の考えるイチゴのショートケーキではない。

焼き菓子が中心で、コーヒーや紅茶以外にもお酒が用意されていた。
長テーブルの向う側は暖炉になっていて、クリスマス気分も盛り上がる。

あくまで挨拶する場とされているのか、少しだけ食べて飲んで、挨拶を終えたら、みんなさっさと帰って行った。



前にも書いているが、私はこの時期がすごく嫌いだった。

この時期はイベントも多いし、長期の休みを取る人も多い。自分も楽しいことにお金を使いたかったが、生活していくのにやっとだった上に、仕事できる日数が減ると収入も減るので(当時はアルバイトだった)、希望が叶わないのにどうにもできないもどかしさで、ネガティブな感情をため込んでいた。

しかし、その気持ちも最近は薄れてきている様に感じている。

今は、正社員なので、祝日は休める様になったし、それで月収が減る事はなくなった。

また、『クリスマス、年末なんだから、楽しまなきゃ』と言う強迫観念みたいなものがインドに来た事で薄れたのじゃないかと思う。

もちろんインドでもこの時期は、パーティーしたりお買い物したり旅行に行く人も多いのだが、なぜか日本にいる時の様な『私もみんなと同じにしなきゃ』と言う強迫観念に近い気持ちがなくなってきた。

あの頃は、きっと同調圧力に負けていたんだろう。
やっと『人は人、自分は自分』と思える様になりつつあるのだと思う。

そう思える様になった自分に成長を感じるし、それを後押ししたのはインドに来た事であり、さらに言うとそれは元旦那のお陰なのだから、人生は本当に面白い。

今年のクリスマスは、にゃんこ達と一緒に、安らかに過ごせそうである。



去年のミサ。こちらは12月25日の午前中。(今回は12月24日の夜)
分かりやすさや音楽の楽しさから、こちらの方が好きかもしれない。

去年のミサの後、息子のクラスメイトH君に会いに行った。この時は大殺界かと思う様なつらい時期であったが、今は大学に入学して勉強中だ。




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