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いいトマトが成るかは、植える前にわかる。|那須塩原市チャレンジファーマー研修まとめ【23年第4回】

那須農業公社主催、チャレンジファーマー研修の第4回目まとめです。

第4回目は
・机上研修:果菜類の栽培の基本
・圃場研修:果菜類の定植、雨よけハウスの設置
という演習内容でした!

前回の圃場演習が雨天でスキップになったので、今日は「植え付け〜雨よけハウスの設置」までの2回分の授業を一気にやったことになります。

やることは多くて大変でしたが、圃場管理の流れを一度に体感できたので、個人的には良かったです。

今日の講義内容まとめは、以下のニーズを持つ方にはおすすめ。

・苗を植えるときの流れが知りたい
・苗を植えるときのポイントが知りたい

例えば、「ビニールマルチに苗を植えるときは、土をかぶせて熱風を葉に当たらないようすにする」など、植えるときのポイントがわかるのでおすすめです。

実技研修

まず最初にやったのは実技演習。

雨よけハウスの設置から定植まで行いました。

やったことを写真と共に振り返っていきます。

1.ビニールシート貼り

まずは、前回までに設置したパイプの骨組みに、ビールを巻いて雨よけハウスをつくることから開始。

トマトはアンデス地方の乾燥した地域で発生した野菜のため、湿気に非常に弱いです。
雨による泥の跳ね返りや実割れを防ぐため、ビニールシートでハウスを作ります。

家庭菜園でも以下のように雨よけハウスをつくって、降雨による病気や傷を防げます。ただし絶対に必要なものではないので、家庭菜園なら雨よけハウスはつくらなくてOKです。この研修はプロ農家になりたい人を対象にしてるので、雨よけハウスを設置しております。

リンク

2.ビニールマルチに穴あけ

雨よけハウスをつくったら、メジャーを引いて等間隔に定植用の穴をつくっていきます。

こんな感じの専門の穴あけ道具で、50cm〜100cm間隔で穴をつくります。

家庭菜園なら、カッターで穴を開けて苗を植えてOKです。この器具は必要ありません。プロ農家を対象としてる研修なので、機材の説明も兼ねて使用しています。

3.苗を定植

開けた穴にナス、トマト、きゅうりの苗を植えていきます。
ここで習った定植のポイントは、あとでまとめて解説します。

ポットから外して
植える

4.支柱立て

苗が倒れないように、植えた位置から少し離れた場所に支柱を立てます。

トマトの支柱
きゅうりの支柱。ネットにかけるため斜めに支柱を植えている。



5.苗を誘因

支柱に苗を縛っていきます。

結び方は、苗を痛めないように8の字で結ぶのがいいそうです。
茎は太くなっていくので、ゆとりを持って縛らないと枯れてしまいます。

参照リンク

6.防草シートを敷く

最後に、雑草が生えてこないようにみんなで防草シートを敷きます。
集団で作業してると、みんなと仲良くなれるのでいいですね。

3,000円くらいで買えるので、防草シートは家庭菜園でもおすすめです。通路に敷けば、雑草鳥の手間をなくすことができます。一つ買えば何年も使えるのでお得ですよ。

苗を植えるときのポイント

さて、苗を植えるときのポイントを教わったのでまとめます。
ポイントは以下の4つです。

  1. 土と同じ高さに植える

  2. マルチの隙間を土で埋める

  3. 雨水は抜く

  4. 根が痛んでいたら揉んでおく

それぞれ説明します。

①土と同じ高さに植える
基本ですが、苗を植えるときは植える土と同じ高さで植えましょう。
このほうが根がつきやすく、また葉にも十分陽があたるので成長速度が早いです。

②土をかぶせる
植えたら、マルチの穴をそのままにせず、上から土をかぶせましょう。

こんな感じでマルチの穴が出しっぱなしだと、温められたマルチ内の空気が葉にあたり、野菜を傷めます。入口はきちんと閉じておきましょう。

③雨水は抜く
マルチの上に雨水が溜まっているようであれば、根腐れの原因になるので穴を開けて抜けるようにしましょう。

④根が弱い場合はもんでおく
白い根が苗に張り巡っているのが良い苗とされます。右のように根が出てないのはNG。その場合は土を揉んで古い根を断ち切り、2~3日置いてから植えるといいそうです。
揉むことで新しい根ができ、植えたときの成長が良くなるとのことです。

参照リンク

トマトを植えるときのポイント

以上が苗を植えるときの基本的なポイントでした。
中でもトマトは、農家にとって経営の主軸になる野菜なので、より詳しく植え方のポイントを教えてもらいました。

トマトの売上がダントツTOP

ポイントは以下の4つです。それぞれ解説します。

  1. 苗は、節の感覚が〇〇になるように育てる

  2. 夕方萎れるくらいの少量の水を与える

  3. 5つの花房、3つ開花したくらいを目安に定植する

  4. 通路側に花房を向けて植える

①苗は、節の感覚が〇〇になるように育てる
撮る角度が違うのでわかりづらいかもしれませんが、以下2枚の写真のうち、どちらが良い苗だと思いますか?

A
B

答えはBなんですね。良い苗は「茎が細く」「節同士の感覚が狭い」ジグザグした苗なんですね。節が大きくて茎が太い苗は、実にいくはずの栄養が茎に行ってしまうので、味がおいしくならないんだそうです。

そのため、間延びした苗ではなく、細かくジグザグした苗を選ぶ・育てるようにしましょう。

②夕方萎れるくらいの少量の水を与える
ジグザグしたトマト苗を育てるには、育苗するときの水を最小限にするのが良いそうです。
ポイントは、朝水やったら夕方萎れるくらいの量。

トマトは「いじめて育てる野菜」だそうで、これくらい少量の水で育て方が、おいしくなります。

③植え付けのタイミングは、5つの花房、3つ開花したくらい
蕾の段階で苗を植えてしまうと、茎が太くなってしまいます。
トマトを植えるときは、蕾が2つ、花が2〜3つくらいできたタイミングで植えると、一番良いそうです。

④花を通路側に向けて植える
トマトの花は同じ方向に向く性質があるので、植えるときは花を通路側に向けて植えるといいそうです。
さらに言えば、西向きに植えてしまうと陽が午後にしか当たらないので、北に向けて植えるとさらによいです。

「同じ方向に咲く」というトマトの性質を知っておくと、実を取るとき非常に楽になりそうですね!

参考リンク

机上研修

圃場研修をしっかりやったので、机上研修は短めでした。

今日はウリ科・イチゴ・とうもろこしの栽培方法を学んだので、簡単にまとめを紹介します。

ウリ科の育て方

カボチャやズッキーニ、キュウリに代表されるウリ科野菜の育て方を学びました。

栽培の簡単さは

カボチャ=ズッキーニ=スイカ>キュウリ>メロン

の順。植えて放置しておくだけのカボチャやズッキーニが一番かんたん。
支柱を立てたりビニールハウスが必要になるメロンは難しいそうです。

イチゴの育て方


栃木を代表とするいちごですが、家庭菜園なら以下の4ステップで簡単に育てられるそうです。

  1. 品種はとちおとめを買う

  2. 10月にマルチをして定植

  3. 放置

  4. 5~6月に収穫

「いちごはね〜簡単だよ」と言っていたので、来年はトライしてみたいです。

トウモロコシの育て方

とうもろこしは連作障害を防ぎ、育てやすく栄養価も高い最高の野菜です。

しかも育て方も簡単。肥料をいれた畑に
・ベッド幅:70cm
・株間:縦45cm、横60cm
・千鳥植え(2条で交互に植える)
でとうもろこしを直植えするだけ!

注意点として、別の品種のトウモロコシを近くに植えないこと。近くに別品種があると、交配しておいしくないトウモロコシになってしまいます。

まとめ

第4回目は
・机上研修:果菜類の栽培の基本
・圃場研修:果菜類の定植、雨よけハウスの設置
という演習内容でした!

トマトの植え付け方法をしっかり教えてもらったので、来年に活かせそうです。

やはり実技は最高ですね。次の講義は実際の農家さんに訪問しての実地研修です。楽しみですね。

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