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壊れても、修理してもらいながら、使い続けること。

 洗濯物がたまってしまったこともあって、洗濯機を3度くらい回して、洗濯物を干していた。

 洗濯物干しに、いつもよりも多めに干すことになって、だけど、空いている洗濯バサミが少なくなるから、仕方がないので、一ヵ所に靴下を2足干したりして、とりあえず、干しておけば何とかなるから、一度は干したものの位置を変えたりして、洗濯干しが、いっぱいになり、かなりの重量になるのは気づいていた。

 ばん、っというような音がして、洗濯物干しが真っ二つになった。
 ちょっとびっくりして、わー、と声が出てしまった。

 その上の全体を支える部分は壊れていなかったので、二つに折れても、洗濯物は洗濯バサミではさまれながら、それまでは地面と平行になっていた姿が、べったりとくっつくように2つ折りになってしまい、まだ湿っている洗濯物が塊になっている。これでは、乾くわけもなく、なんだか嫌になった。

 だけど、どうしようもなく、他の洗濯物干しも、いっぱいだから、そのまま干して、少しでも乾くのを待って、そのうちにまだ「生きている」洗濯物干しに移していこう、とほぼ何も考えていないような「戦略」をたて、何もなかったように、すっかり形の変わってしまった洗濯物干しを、物干し竿にかけた。

 さっきよりも、ずっしりと重く感じた。

壊れ続けるもの

 洗濯物干しは、プラスチック製を買うから、壊れていくのは仕方がないとも思うのだけど、ある時期をすぎると、急に洗濯バサミがもろくなり、洗濯ものを干すたびに、自分がすごい力を持ったように、はさもうとした瞬間に崩れるように壊れるようになる。

 あ、と思っても、もう遅く、そうしているうちに、洗濯物干しに多くあった洗濯バサミが3分の2くらいになったりすることもある。明らかに、干せる場所が減っていく。洗濯物干しを支える上のヒモというか、ワイヤーみたいなものが折れて、せっかく干した洗濯物ごと落下することもあった。

 いくつかを同時に買うことが多いせいか、壊れ続ける時期が重なって、触れるたびに壊れるような気がしてくる。怖さと、がっかり感と、あまりにあっさり壊れるから、変な気持ちよさも混じることがある。

 洗濯物干し(洗濯ハンガー、とも言うそうですが)は、アルミ製のものがあり、おそらく、そのほうが丈夫で長持ちで、だけど、値段も高いので、高いものを買って、もしも、さびたら、また違うガッカリ感に襲われることを想像し、どうしても、安いプラスチック製を買ってしまうから、また壊れ始める事態に遭遇することは避けられなくなる。

 壊れるたびに、というよりも、自分が破壊に関わってるので、壊すたびに、気が付かないくらいだけど、微妙なショックは受け続けていると分かったのは、洗濯物干しが、真っ二つに壊れて、声が出てしまった時だった。

直し続けること

 電気製品、特に精密機械、といった種類のものは、ほとんど前触れなく壊れたりして、自分には直すスキルが一切ないので、諦めるしかないことが多い。もしくは、体に直接触れたり、食品などに関係するものは、ちょっと変になったら、健康に関わるので、割とすぐに買い換えることになる(リンクあり)。

 だけど、洗濯物干しのように、構造がシンプルで、体に入れないもの。それに外に持っていかなくてもいいから、形を整えなくもいいので、可能な限りは、直して使い続けることになる。

 といっても、私はとても不器用で手作業が苦手なので、申し訳ないのだけど、修理の作業も妻に任せて、やってもらうことになる。例えば、洗濯バサミが、崩れるように壊れた後にも、家のどこかにある、まだ元気な洗濯バサミを、なんとかして、そこの場所に、くっつけてくれている。だから、また干すことができる。

 洗濯物干しを支えるワイヤーのようなものが壊れた時は、丈夫なヒモで代わりを作ってくれて、今でも無事に干せている。

 洗濯物干しの一番上部の、握って、物干し竿にかませて、はなして、引っ掛ける部分が折れた時は、もう無理だと思ったら、その下のところにヒモを通したり、針金を使って、新しく引っかかるところを作ってくれて、なんとかしてくれた。


 今回、真っ二つになった洗濯物干しは、もう無理だと思っていたら、数日後、あちこちに白いヒモを使い、修理、というよりは「治療」を受けたあとのような姿になって、洗濯の干場にぶら下がっていた。洗濯物を干したら、もう折り畳むことはできないものの、立派に役目を果たしてくれている。

 今回、この壊れ方をしたモノを直してくれるとは思わなかった。
 
 私は何も出来ずに、申し訳ないのだけど、お礼を言う時には驚きもあった。
 すごいことだと思った。
 
 (その直してもらった洗濯物干しが、見出しの写真です)。

使い続けること

 これだけ壊れ続けたので、さすがに買い換えようと思って、妻と一緒に近所のホームセンターに行った。相談をして、アルミ製へ気持ちが揺れたが、値段を見て、揺れが収まり、またプラスチック製のものを買った。

 その時は、汚れてきてしまったバスマットも買ったので、妻にとっては、気になっていたモノがいろいろと買えて、よかったと少しうれしそうだった。私も、少し安心した。

 新しい洗濯物干しを買って、干し場のそばに置いているのだけど、直してくれた洗濯物干しを、まだ使い続けている。洗濯バサミが少ないものもあるので、多少の不便さはあるものの、直し続けてくれたものがまだ使えると、もったいないというか、これだけ直してもらった手間ひまが、いつも目に見えるようにあるので、申し訳なさみたいなものもあるせいか、今も使い続けている。

 今日も、洗濯をして、妻が直してくれた洗濯物干しを使って、洗濯物を干した。

 今の修理し続けた洗濯物干しは、まだ「現役」だけど、それを使わなくなる時は捨てることになるので、手間ひまも一緒に捨てるような気持ちも、どこかにあり、なんだか恥ずかしい話ですが、余計に「世代交代」の決断をぐずぐずと決められないまま、時間が過ぎている。ただ、その間に新しいものの「劣化」が進むような微妙な怖さもある。





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