見出し画像

雰囲気で「ジェンダー」という言葉を使わないためのnote

※このnoteは、大学で4年間学んだにも関わらず「ジェンダー」をうまく説明できないな、と思った自分のためのnoteです。

「ジェンダー」という言葉が、ここ数年で一気に世に広まったと思っている。

「日本のジェンダーギャップ指数は世界的にも低い順位だ」「SDGsのひとつとしてジェンダー平等を達成しよう」などのニュースは毎日のように耳にする。

そして人々は何かにつけて「ジェンダー」と言い出す。

だが、ちょっと待ってほしい。
「ジェンダー」の意味を本当にわかって使っている人は、果たして何%いるのだろうか。

僕は大学で4年間、ジェンダーを中心に学んできたが、いまだに他人に「ジェンダー」という言葉を説明しろと言われたら難しい。

それくらい、深い意味を持った言葉なのだと思う。
しかし、世間でたくさん話題になっているくらいだから重要なのには違いない。

そこで、ぜひ僕と一緒に学び直して、「ジェンダー」について理解した上で堂々と使いませんか。
そんな願いを込めてこのnoteを書いています。

社会人2年目、飛び交うカタカナ語。

僕は今、社会人2年目を終えようとしている。
だが、依然として社内を飛び交うカタカナ語には疲れるし、ついていけないこともある。

「アジェンダ」
「グロース」
「コンセンサス」
「フィックス」
「エビデンス」
「イニシアチブ」などなど…。

例を挙げたらキリがないくらい、カタカナ語にまみれた中で会話をし、仕事をしている。

みんな、本当に意味分かって使ってる?
かっこいいから・仕事してる感出るから、みたいな雰囲気で使ってない?

もちろんデキる人は分かって使っているだろうし、ひとつひとつ意味を説明できると思う。

でも大半の人は”なんとなく”で使ってるでしょう?

2年間働いていて思いました。
だって自分もそのくらいの理解で使ってる言葉あるもん。

これ、「ジェンダー」についても同じことが言えないでしょうか?

みんな、フワッとした理解で”なんとなくイマドキ”で”重要なことっぽい”から使っているだけ。

そもそも「ジェンダー」の意味も「男女」の言い換えとか「性差」か何かでしょ、くらいの理解じゃないですか?

まずは色々な機関や団体が載せている「ジェンダーの定義」を一緒に確認していきましょう。

その前に前提として

大前提として「ジェンダー」と「セックス」は違います。
「セックス」は多分、多くの人が思い浮かべる”性別”のこと。
生物学的な違いに基づいて赤ちゃんの性別が告げられたりしますよね、あれです。

厳密に掘り下げていくと「セックス」だけでも1本のnoteになりそうなのですが、今回はあくまでも「ジェンダー」について語りたいので割愛。

ただ、「ジェンダー≠セックス」なんだな、とは把握しておいてください。

UN Womenの定義

ジェンダー平等と女性のエンパワーメントを目的とした国連女性機関(UN Women)の日本事務所のHPにこんな説明がありました。

─UN Women 日本事務所 公式HPより引用

かなりボリュームのある説明がなされています。

簡単にまとめると、
ジェンダーは社会的に作られたもので、男女間の相互関係を意味するもの。
また、男性、女性それぞれに役割が期待され、不平等の一因にもなっている概念。
といった感じ。

分かるような分からないような…。

とりあえず、外見とか身体的特徴でパッと判断できるものではないみたいですね。

JICAの定義

つづいては、国際協力機構JICAのHPに掲載されていた「ジェンダー」の説明。

─JICA公式HPより引用

文末で「この性別がジェンダーです。」と言い切っていて、なんだか分かりやすそう…!

JICAの説明によると、「ジェンダー」は「セックス」と対になる言葉のようで、
社会的・文化的につくられた”役割”のことみたいです。

ここでもやはり、社会や文化がキーワードになっていて、
目で見て分かるものではないみたいですね。

「料理は女がやるもの」という考え方がジェンダーだという具体例を出してくれています。ありがたい。

どうやら「ジェンダー」は”概念的”なもののようですね

ボランティアプラットフォームの定義

次は日本最大級のSDGsプラットフォームであるボランティアプラットフォームという団体のHPからの引用。

─ボランティアプラットフォーム公式HPより引用

かなり細かく、語源までさかのぼって説明してくれてます。

まとめると、「男/女の役割」を意味する言葉、だそうで。
やはり「セックス」とは対をなし、規範や社会通念について話す際に使うものみたいです。

特に、「男/女だから〜すべき」という意味が含まれているのが、現代での「ジェンダー」の使われ方にあるようですね。

やっぱり、概念だったり、意識の中の話という理解で間違ってなさそう。

内閣府 PKOの定義

内閣府のHPからPKOのページにいき、そこにジェンダーに関する記述があったので紹介します。

国はどういう見解を示しているのかな?

─内閣府 PKO公式HPより引用

ここでは、「ジェンダー」を「セックス」の対ではなく、”付加されたもの”としています。

ということは、まずはじめに「セックス」があって、その後から社会的・文化的に意味付けされてきたということ?

分からなくなってきましたね。

ただ、他の定義と共通しているのは、
「男性/女性だから〜すべき」という考え方が社会の中で作られてしまったもの、ということ。

では、僕はどう説明するのか

ここまで、様々な機関、団体の「ジェンダー」の定義を見てきました。

これを踏まえて僕が小中学生にも伝えられるように「ジェンダー」を解釈するとこんな感じ。

基本的に、「ジェンダー」はいろいろな慣習や考え方、文化が集まって出来たものなので、分かりやすい実体がないです。

ただし、「セックス」をよりどころにして「男/女ってこうでしょ?」と考えてしまっていることはどの定義でも同じかな、と。

そして、ひと言で伝えるなら、こう。

もちろん、ものすごく奥が深い言葉だということは重々承知の上だし、こんなひと言でまとめたら間違ってる部分が多いのも分かってます。

それでも、小中学生くらいの人にも伝えられるくらい噛み砕いて理解するなら「性別に対する思い込み」かなぁ、と考えました。

2021年の日本の「ジェンダーギャップ指数」が120位なのも、まだまだ「性別に対する思い込み」が強くて昔の考え方から抜け出せてない証拠だと思うし。

この思い込みが強いほど、男性はより男性らしく、女性はより女性らしく振る舞うことが求められてしまいますし、「女性でも男性でもない性別」の人の居場所も無くなってしまう。

そういう理解にたどり着きました。

「ジェンダー」について考え始めると、
じゃあ「セックス」はどう定義するんだ、とか、「フェミニズム」はどう捉える?とか、「LGBTQ+」はどう考える?とか無限に出てきますよね。

ひとつひとつが超重要テーマで、なおかつこれからの時代の中心的な議論になっていくと思うので、それはまた追々noteにまとめていこうかなと。

ひとまず、自分の中で「ジェンダー」についてある程度スッキリしたので、
今までよりはもう少し堂々と「ジェンダー」という言葉を使っていこうと思います。

皆さんも自分なりの定義を考えたら教えてください。

Profile
Yuki Shibuya │ 423(シブサン)
97年生まれ/新卒入社を10ヶ月でリタイア→転職/双極症クリエイター/ALLY/Webメディア編集・ライター・イラストレーター/漫画、生きづらさ、学びについて書いてます/カントリーマアムが主食


この記事が参加している募集

SDGsへの向き合い方

自分の生み出したもので生きていきたい。幼い頃からそう想って今も生きています。これからも創ることが喜びでいられるように、いただいたお金を使おうと思います。