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紛れもなく、過去。

情緒不安定で、すぐ泣く。諦めるし、思考回路が極端で、1か0か、白か黒か。落ち込むと中々立ち直れない、自分自身が追い込まれるのは自業自得でしかない性格をしている。

大学一年生の冬、19歳の時、自殺に失敗した。

雨が降っていた。
そこはよく事故の起こる見通しの悪いカーブ地点だった。

その頃のわたしは、漠然と生きることに意味を見出せずにただただ周りの人の顔色を伺って、見捨てられない程度に媚びを売るために生きて、これからもそうやって生きていくしかないと思い込んで、何もかもが嫌になった。
そんなありきたりな理由で、曲がり切れるはずもないスピードを出して案の定車はスリップした。わたしは車と共に路肩の大木に衝突した。

生きていた。

車は廃車だった。

外傷は無かった。

病院には、行かなかった。行かなくていい、と言われたからだ。左肩から左の中指にかけて、筋が張っているようで物もまともに持てなかった。伝えた、が、心配より先に怒声が電話越しに聞こえた。真っ直ぐ立てないことにも半年程後に気づいた。偏頭痛が酷くなって、毎日、頭痛薬を10錠以上飲んで生活していた。ただの甘え、と言われた。

わたしは、それが普通で、当たり前で、世の中の大人たちはみんな同じような苦しみを背負いながら生活していると思った。19歳でこれだけ辛ければ、年齢を重ねればもっと辛くなると思った。怖かった。

たくさん言い争って、罵られて、泣いた。

この頃から日が暮れてから車に乗ると、漠然とした不安が押し寄せてきて、苦しくなって、泣くことが増えた。これも、ただの甘えだと言われた。

自立しようと新しく仕事に就いた。朝がくれば泣いて、日が登れば気絶するように眠って、夜がくればまた泣いているような状態で新しい環境に適応できるはずもなく、3日で辞めてしまった。

無理、という言葉が頭の中の大半を占めていた。

#過去 #エッセイ #自殺 #メンタル

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