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カメラ転売との出会い Part1

当時会社員をしていた私は毎日深夜までサービス残業をしていた。
会社では建築設計の仕事をしていたが、行く会社はどこもブラックで深夜残業当たり前、酷い時には2日に一回徹夜で家に帰れる日でも0時過ぎまで残業、家に帰るのは数時間の仮眠をとる為だけだった。

当然、そんな生活は続ける事ができずノイローゼで倒れてしまい、そのまま退職になった事もある。
その経験から長時間労働はできないと思い、とにかく早く帰れる、残業の少ない会社である事を絶対条件に会社選びをする事にした。

そして最後に入った会社は19時に必ず帰れるところだった。
後に知ったが、実はこの会社も深夜残業を毎日させていて辞めた社員が腹いせに労働基準監督署に通報したことがきっかけで、是正勧告を受け、仕方なく19時に全員退社させる事になっただけだった。

全社員が退社した事を証明する為に19時になったら全フロアの壁に設置された小さなセコムの機器にカードキーを差し込み、カードキーを差し込むと赤外線によって人がいない事を証明する仕様になっていた。
つまり、仮釈放の状態にあるような会社だった。

ただ、どんな理由でも19時に帰れる事には変わりはないのでその点は良かった。
私が残業の少ない会社を選んだ理由には健康面の事もあったけど、もう一つ理由があった。
それは、副業をして自分の力でお金を稼げるようになる事。
以前からずっと自分の力でお金を稼いで生きて行きたいと思っていた。
その思いは高校生くらいからあり、その為に手に職も付けてきた。
しかし、社会人になり毎日深夜まで及ぶサービス残業、とても割に合わない給料、1日も使えない有給。
こんな現実を目の当たりにしてきた。

最後の会社は残業は少なく、給料は高くは無かったけどそれまで勤務していたところよりはマシだった。
ただ、ひとつ大きな問題を抱えていた。
それは、職場が荒れすぎている。
一日中、怒号が飛び交い電話をしていても相手の声が聞こえない位うるさかった。
経営者(会長)は一日中、社員を怒鳴りつけ暴力を振るう事も日常だった。
また、意味が分からないのが経営者に殴られたら直立して大きな声で
ありがとうございます!
と言わなければいけない事。
もう全く意味が分からない。
社員数100数十人程度の零細企業で、会長は私のいた部署の部長を兼任してた為、毎日会長と顔を合わせなければならない状況。
会長の言う事は絶対で、黒でも白になる環境。
正直、北朝鮮なんじゃないかと思った(*´Д`)

また、厄介な事に長く勤めている者ほど気質が会長に似ている。
中には一日中、発狂して暴れまくっている者までいた。
私は、心の中でつぶやいた。
「また、ヤバいところに入ってしまった…」

続く












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